ファイル
2014年6月 2日
【小林未来、編集委員・大村美香】 「健康にいい」とうたわれている健康食品だが、質の悪い製品も出回っている。その実態の一部がこのほど、専門家の分析で明らかになった。買おうとした人が外装の表示を見ても優劣を判別できず、国の規制も不十分だ。健康食品を購入するなら、注意点を知っておこう。
分析したのは、国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広・薬品部長だ。2005~12年、国内で流通する健康食品のうち、103製品を分析した。その結果、21%にあたる22製品で、表示されている成分が含まれていなかった。
対象とした表示成分は「コンドロイチン硫酸」「イチョウバ」など10種類だ。
例えば、女性ホルモンのような作用があるといわれる「プエラリア」は、表示のある17製品のうち9製品で含まれていなかった。
また、103製品の12%にあたる12製品では、表示されていない成分が混入していた。例えば、目に良いとされる「ビルベリー」の表示がある製品に、より安価な原材料が入っていたが、その表示はなかった。
合田部長の別の研究でも、質の悪い健康食品の存在が明らかになっている。
08~13年度、「グルコサミン」「イチョウバ」などが表示された32製品(カプセル・錠剤)について行った調査だ。腸内で吸収される状態に形が崩れるかを調べると、半数の16製品で形が崩れなかった。崩れなければ、吸収されずにそのまま排泄(はいせつ)される。
これらの結果から、合田部長は「利幅を増やすために粗悪品を作る業者がいる可能性を捨てきれない」と話す。
日本健康食品規格協会の池田秀子理事長は「メーカーに十分な技術力がないことも要因の一つ」と指摘する。カプセルや錠剤は、有効成分に添加物を混ぜ、圧力をかけるなどして作られるが、混ぜ方や圧力のかけ方が悪いと、成分にばらつきが出たり、体内で崩れなかったりするという。
この記事の続きをお読みいただくためには、アピタルのご購読手続きが必要です。
「朝日新聞デジタル」を有料購読中の方は、ご利用中のログインID・パスワードで
アピタルのコンテンツをお楽しみいただけます。
ご感想・ご意見などをお待ちしています。
ご病気やご症状、医療機関などに関する個別具体的なご相談にはお答えしかねます。あらかじめご了承ください。