2014-06-03
■[歴史]戦前日本の工業生産の原動力は植民地並の低賃金労働にあった
手元にある仕事のお勉強用資料を眺めてると戦前の産業について興味深い数字があったので、エントリを書いてみた。出典資料は都合上明らかにしないがネットで検索するとさらに詳しい数字は出てくるのだろう。ひとまずは問題提起として。
資料によると、1900年の日本の工業生産指数を1としてみると1937年時点での指数は、15.4であり37年間で実に10倍以上の成長を遂げている。これが米国だと3.45、英国は1.67であり他国と比して目覚ましい成長振りと言える。当時の日本の工業がなぜそれだけの成長が出来たのか。資料では次のように指摘している。
資料は続けて
と指摘している。
資料では参考に1932年当時の労働賃金水準の国際比較を提示している。当時の日本の賃金水準を100とすると、アメリカは1137、イギリスは603、独、伊、仏、蘭他を省略するが、インドでも148だったそうだ。戦前日本の工業はこのような低賃金労働に支えられていたわけだ。
最近、戦前のアジアで欧米の植民地にならなかったのは日本だけというような主張をネットで見かけるが、それは戦前の日本工業がこのような植民地並或いはそれ以下の低賃金労働に支えられていた上であるということは踏まえておいたほうが良いと思う。
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