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 勉強も運動も人付き合いも苦手。「何をやってもうまくいかない」。子どもの時からずっと思っていた。「ネガティブの塊」と思っていた男性が、世界一の道化師になった。各国の道化師が演技の出来を競う大会が3月27日、アメリカ・シカゴで開かれ、名古屋市の道化師集団「プレジャーB」の栗本琢也さん(34)=名古屋市中村区=がグループスキット部門で、ペアの女性とともに優勝した。

 同部門には欧米やアジアから18組が参加。5人の審査員が5分間の演技を見て、構成や完成度、メークや衣装などの8項目を評価する。栗本さん組は千点満点中876点で優勝した。

 道化師を始めて5年。「僕たちは英語が話せない。動きで勝負しました」。ペアの女性が掲げる大きなトランプの前で、走ったり転がったり、倒れたり……。おっちょこちょいな役回りを、全身を使って大げさに演じた。言葉や文化に関係なく、見るだけで楽しめる演技となったことが評価されたという。