全国の原子力発電所の再稼働が遅れる中で、石炭火力発電の役割を見直す動きが活発だ。ここ2、3ヵ月を振り返ってみても、関西、中部、九州の各電力会社や神戸製鋼所などの一般企業が新たな発電所の建設計画を公表した。
見直されてきた「石炭火力発電」研究の最前線を訪ねて
一般にはまだまだ「斜陽」のイメージがつきまとう石炭に、各社があえて白羽の矢を立てた背景には、石油や天然ガスに比べて石炭は埋蔵量が豊富なため、資源が廉価に調達できて経済性に優れているほか、安定的に確保できるとの算盤がある。
とはいえ、地球温暖化を予防するため一段のCO2の排出削減努力や、これまで発電に不向きとされていた質の低い石炭の利用、バイオマスとの混焼を可能にするノウハウなど、石炭火力発電には、怠れない研究開発と技術革新の課題が溢れているのも事実だ。
そこで、筆者は先週(5月30日)、石炭をガス化したうえで、ガスタービンと蒸気タービンの両方を組み合わせて発電する『石炭ガス複合発電』(IGCC)などで、日本の尖端技術開発を担ってきた電力中央研究所(神奈川県横須賀市にある3つの研究所)を訪ね、研究開発の最前線の動向を取材してきた。
前向きで野心的な石炭の利用研究だけでなく、電力業界の厳しい懐事情を反映した已むに已まれぬ研究が断行されていたことを報告しておきたい。
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