「まおゆう魔王勇者 5あの丘の向こうに」を読みました
あらすじ
内容紹介
希望か?絶望か?――ついに最終決戦へ
魔王と勇者が手を取り合った新世紀の冒険譚、ついに完結!!
それぞれが見た「丘の向こう」とは!?
内容(「BOOK」データベースより)
希望か?絶望か?ついに最終決戦へ。それぞれが見た「丘の向こう」とは―。魔王と勇者が手を取り合った新世紀の冒険譚、堂々完結。特典に豪華声優陣による話題騒然のドラマCD第2巻付き。
(Amazonより)
「私は今一人の勇者。この世界を救おうと決意する、あの細い道を歩み始めた大勢のうちの一人です。」
相も変わらずネタバレしかしません。あらすじ備忘録です。
大まかに概略を書きますと。
最初から最後まで開門都市の攻防戦
勇者の子供の頃の話がちょくちょく
青年商人は人界の魔王を名乗る。火竜公女が勇者を名乗る。
開門都市の攻防戦は青年商人に全権委任をし、魔王は勇者を探し出し、女騎士と3人で光の精霊に会うため光の塔へ。
黒幕である大主教が光の塔を登る。阻止するために執事が単身戦うが敗れ、殺される。
その後、女騎士が倒す。
光の塔最上部にて光の精霊に会い、説得。
一方、地上ではメイド姉、青年商人、冬寂王、東の砦将が別々に同時タイミングにて王弟元帥の元へ乗り込む。
メイド姉が「ひかりのたま」を聖骸(本来の聖骸は魔界の太陽である緑の太陽のこと)とし、聖鍵遠征軍に譲渡を約束。
聖鍵遠征軍は侵略する目的を失う、王弟元帥に対し、冬寂王が交渉をし、青年商人が魔界に乗り込む前に行った聖王国の湖畔修道会の設立を約束した証書を見せ、王弟元帥への停戦交渉を成功させる。
魔王と勇者は光の精霊を説得成功。最後には光の精霊(火の娘)は土の彼に出会い、幸せに去っていく。
地上から千里の高さにある光の塔が崩れ始める。
土の彼が乗っていた不死鳥に跨り、世界を見る。
勇者、魔王、女騎士は行方不明に。
実際は新大陸に降り立ち3人は旅立つ。
完
って感じです。
しかし、大主教の力が半端無かったですね。
刻印王の目を持ち、勇者の力を捕縛呪で奪い取り、と、人間でありながら魔王の力と勇者の力を併せ持つという究極の強さでしたね。
自身で精霊の力に匹敵する。大魔王であると述べていましたが、まさにそのとおりでした。
それを、執事が遺した大主教の弱点に女魔法使いが遠隔から魔法を物質化させるという奇跡で援護し、メイド姉がタイミングよくひかりのたまを掲げやみのころもを剥がし、土壇場で獲得した勇者剣技において女騎士が大主教を倒す。
なかなか熱い展開でしたね。ただ、執事が亡くなったのは結構ショックです。好きだったんですけどね…。
最後はドラクエ3のパロディ多数でしたね。
大主教がやみのころもを纏ってすべての攻撃を無効にさせたり、それをメイド姉がひかりのたまを掲げて剥がすとか、不死鳥に乗って世界を回ると言うのは魔王バラモスを倒した後にラーミアに乗って世界を回るのと一緒ですし、新大陸に行き行方不明になるのは、ギアガの大穴を潜って地下世界に行くのと同じですね。ドラクエでは行方不明になったのは勇者の父親のオルテガですが…。
南部連合達もすごいですね。
メイド姉はひかりのたまを掲げて周囲の聖鍵遠征軍に自分が精霊の使いであると感覚から理解させてしまい、王弟元帥に受け取らざるを得ない状況にしてしまったり、しかも火竜族の秘宝であるひかりのたまを遠慮無く手渡す事を決断しています。
冬寂王は降伏勧告をし、受け入れなければ湖畔修道会から聖王国を破門すると言う破門状を見せます。この意味は天然痘の予防接種を受けさせないと言う意味です。国を支配する者にとって、これはあまりにも酷い脅迫でした。
数年単位では問題ありません。しかし、数十年規模で物事を見た時に、確実に国を蝕みます。そもそもこの世界、非常に飢餓と疫病による死者が多い世界です。隣の国が予防摂取を受けさせてくれると知っていれば、国民の流出はかなりの規模になるはずです。
青年商人は冬寂王の降伏勧告に対し渋る王弟元帥に対し、兄上(国王)は湖畔修道会を受け入れたと話します。これこそが青年商人の策略です。
聖鍵遠征軍にすらこの同盟のの十人委員会筆頭である青年商人の名は響き渡っており、小麦を統べる王として恐れられています。(これは小麦を擬似通貨にして金貨数百万単位で荒稼ぎしたり、為替取引で教会の権威を失墜させたことなどに由来します。)
そんな青年商人は魔界に来るまでに聖王国国王に謁見し、湖畔修道会の設立を求めました。また、様々な税撤廃を求めます。そしてこれに成功します。
理論的に建設的に、そして情熱的に追い詰められる王弟元帥。結果として停戦を受け入れます。
開門都市戦争の最終において聖鍵遠征軍は狂信的な行動をします。火薬を体に巻き、城壁に突撃します。結果として、南門が破壊されてしまいました。
この策略は前線指揮官の灰青王ではなく、大主教近衛騎士団である百合騎士団団長の案です。
彼女は懺悔会なるものを開き、多分この時に農奴を洗脳し、自爆させるように支持したと思います。
もちろん灰青王は著しい士気の低下を招くことから反対しましたが、もうその攻撃が開始されてから事に気づいたのでした。
ちなみに、百合騎士団などという清廉な名前ですが、実際は娼婦です。少なくとも団長はそんな感じです。手練手管で灰青王の愛人みたいにいつのまにかなっていました。
ちなみにちなみにどうでも良いですが、地の文が殆ど無いため、大主教と百合騎士団団長が話しているときに
「くちゅ、くちゅ、ちゅぱ」
とか音がなっているのがてっきり性交中なのかと思ってました。
実際は大主教が刻印王の目を口蓋に入れていた為に鳴っていた音なのでしたが、一瞬焦りました。
光の精霊と土の青年は最後に出会えて良かったですね。
光の精霊は最初から最後まで、それこそ悠久の時を過ごしても、魔王と勇者に指摘されなかったら気づかなかったんでしょうね。
大好きな土の一族の青年の誘いを断り、彼を迫害した家を守るため、命を差し出して世界を救った行為を裏切りであると考えていた光の精霊。
彼女は彼の自由な風にあんなにも憧れて惹かれていたのに、最後の最後まで手を取ることが出来ませんでした。
勇者たちは笑うようにそんな精霊に「他人に手を差し伸べる事を躊躇うような人に精霊殿は恋をしたとは考えづらい。そんな男ならば精霊殿はそんなに苦しまなかったと思うぞ。きっと彼もその不死鳥の背と両の腕で少なくない命を救ったはずだ。そして再開できたら、あの時はすごい頑張ったなって互いに褒めようとしていたんじゃないかな。今はまだその時が来ていないだけだよ。」と述べる。
彼の魂の子孫である勇者がそう述べている。それだけで光の精霊にとってはどれほど救われる言葉だったんでしょうね。
光の精霊は世界を守るために、多少の飢饉や戦争が起こったとしても、天変地異さえ起こらなければ良いと言う観点から世界を作り直しました。そして、何度でも自分の魂の子孫である魔王と彼の魂である勇者を生み出し、世界の終わりには自分の所に招きましたが、今までの誰も光の精霊を救ってはくれませんでした。
今回だけは本当に特別でした。両方の魂が生き残り、こうして光の精霊に会いに来てくれたのですから。
その後、光の精霊は不死鳥に乗った彼が迎えに来たので、幸せなハッピーエンドです。
しかし、良い感じのハッピーエンドで終わって良かったような、今までの様な勇者が魔王を倒す物語に対する反乱のような物語なのですから、戦争で終わらせてほしくなかった様な気がします。
と言うよりも、この物語は第三次聖鍵遠征が終わってからがある意味本番なような気がします。
停戦協定を結び、大主教が亡くなり、聖光教会の権威が揺らぎ、少しづつ魔族というものが人間界に認知され、そんな中で紅の学士こと魔王と黒の騎士こと勇者がどういう風に平和に活躍をするのか、そこをもっともっと見たくて見たくてたまりません。
てな感じで次は番外編。まおゆうエピソード1「楡の国の女魔法使い」です。
あ、ちなみにドラマCD良かったです。