Green BioActive(株)(本社:東京都港区、七尾博代表取締役、以下グリーンバイオ社)が東京地裁から破産開始決定を受けた――こうした情報が22日、NET-IB編集部に飛び込んできた。健康食品業界を揺るがした「青汁」の放射線照射問題。その震源地となった同社が、破産に追い込まれる事態に。青汁照射問題が健康食品業界に突き付けた課題とは何か。6回にわたってレポートする。
<市民団体の告発から始まった>
事の発端は、今年3月13日にまで遡る。この日、市民団体の「照射食品反対連絡会」などが、グリーンバイオ社の青汁商品に放射線照射の疑いがあるとして、厚生労働省に商品回収を申し入れた。
さらに、4月8日にも同連絡会は、某販売会社の青汁商品も放射線が照射されているとして、商品回収などを厚労省に要請。NET-IBが報じたことで、青汁業界に衝撃が走った。
同連絡会は主婦連合会、東京地婦連、日本消費者連盟、食品照射ネットワークの関係者が代表世話人を務める。輸入された青汁原料(大麦若葉エキス粉末)に放射線照射の疑いがあるとにらみ、独自で検査に踏み切ったと説明する。
食品衛生法では安全性の観点から、食品への放射線照射を禁じている。発芽を抑える目的で加工用の馬鈴薯など一部について、例外的に認められているだけだ。このため、照射された青汁原料が市場に出回った場合、法律違反となり、商品回収などが求められることになる。
同連絡会が検査を依頼した分析機関の検査報告書によると、問題の青汁原料については「Glow1ピーク温度は250℃以下。TL比は0.1超」という結果だった。厚労省通知「放射線照射された食品の検知法について」では、(1)Glow1ピーク温度が250℃以下、(2)TL比が0.1を超える――の2つの基準を満たした場合、放射線照射されているものと判定すると規定。つまり、今回の検査結果は、国の基準に違反していたことを意味している。
同連絡会は、厚労省に申し入れを行なった4月8日に、東京都内で集会を開催した。集会には、食品安全委員会や厚労省などの担当官も出席。厳格な対応を求める市民団体の関係者に、つるし上げられるシーンが続いた。
同連絡会が特に問題視したのは、グリーンバイオ社の大麦若葉エキス粉末が複数の企業に出荷されていた点だ。このため、同原料を使用した他社の商品名の公表も厚労省に求めた。照射された原料が複数のメーカーに出荷され、法律違反の青汁商品が世の中に拡散しているのではないか――そうした消費者団体の懸念は的中することになる。
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