iOS8で3Dゲームの動作が劇的に向上する可能性あり。Apple新グラフィック技術、Metalを発表。
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- 2014年06月03日
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ゲーム業界に大きな影響を与える技術「Metal」の発表された。
これは、iOS端末上で3Dグラフィックの表示を加速する画期的な技術だ。
Metal を採用するとドローコールが10倍速くなり、130万もの三角ポリゴンを同時に画面に表示し、被写界深度エフェクトなどの演出も加えられるという。
簡単に言うと、iOS8ではすごい3Dゲームができるようになる、ということらしい。
通常、iOSの3DゲームはハードやOSを選ばない規格の「OpenGL」を利用して作られている。
しかし、OpenGL は多くのハードで動くようになっている反面、特定のOSやハードの機能を限界まで使うことができなかった。
そこで Apple が作ったのが Metal だ。
A7チップ(iPhone5s、iPad Air、iPad mini Retinaに搭載)で高速に動作するように設計されているため、ドローコール(時間のかかる処理)を最大で10倍早くできるという。
これを、OpenGL と入れ替えるだけ(といっても、その「だけ」が簡単ではないかもしれないが)で3Dゲームの処理速度が向上する。
処理速度が速くなるとよりリアルなゲームが遊べるだけでなく、消費電力も少なくなる。
今後、さまざまな面でiPhone/iPadゲーマーに恩恵を与えそうな大きな発表だろう。
Unreal Engine 4、Unity、EA、Crytekなど、海外の有名エンジン、メーカーが Metal に対応するようだ。
次に登場したのは家庭用のプランツvsゾンビーズ最新作、『plants vs zombies garden warfare』と思われる映像だ。
Metal があればこういったものも、プレイできるようになるかもしれない。
続いてCrytekの最新作(日本未発売)の『The Collectables』の映像。
このゲームは1フレームに4000回のドローコールがされている。
つまり、Metal を使用すると1フレームあたり400回分のドローコール負荷で済むと言いたいのだろう。
そして、お馴染み Epic 登場。
Infinity Blade 以来、Apple の新しいゲーム発表時には、必ず彼らがいる。
今回は Zen Garden という Metal のデモアプリが登場した。
Zen Garden は Metal の特長を活かし、いじれる庭を描いたアプリだ。
池の中の鯉も、Metal を使用すればこんなに大量に処理できる。
水面下の物体を大量に描画するのは大変な作業なのだ。
枯山水風の庭もこの通り。
指で砂利に模様をつけられる。
おそらく、この砂利の変化もリアルタイムに計算・描画しているのだろう。
最後に、蝶の大群。
3500もの蝶がリアルタイムに計算されて描画されているという。
Metal を使用すれば、今まで以上に素晴らしい3D映像が見られるのは間違いない。
なお、Zen Garden は iOS8 と同時に無料ダウンロードできるようになるとのこと。
さて、それでは現実的に Metal がどの程度有効なのだろうか?
ゲームキャストでは、Unreal Engine や Unity などのゲームエンジンを使用しているゲームが(エンジンが対応したときに)少し速くなる…ぐらいと予想している。
また、 Touch Arcadeの記事によると、一部のUnity製ゲームは特にiOSで動作が悪くなることがあり、そういったゲームの動作改善が考えられるとのこと。
ただし、Metal に最適化したiOS専用ゲームについては1段上のグラフィックや演出を見せる可能性が高い。
ベンチマークアプリや、Infinity Blade のときのようにiOS専用に作られたゲームは信じられないほどすごい映像を見せてくれるだろう。
Apple がそういったゲームを用意しないわけがない。
Epic CitadelからInfinity Bladeが出てきたように、iOS8発売時点では出ないとしても、今年の年末あたりにEPICがなにかやらかしてくれるのではないだろうか。
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