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新居に越すタイミングで、念願だった壁一面の本棚の購入に踏み切った。テレビでもなくオーディオでもなく、本棚をリビング・ダイニングの主役にしたい、そう考えて。

そのとき参考にしたのが、内沼晋太郎さんプロデュースのカウンター型の本棚。昨年末の忘年会で内沼さんのご自宅に招待いただいたときに目にして以来、頭から離れなかった本棚です。

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正面からだとちょっとわかりづらいですが、下段と上段の棚の間にちょっとしたカウンターがあり、生活に寄り添う家具として絶妙に使いやすい。カウンターの高さは、よくあるテーブルの高さ70cm〜75cmよりちょっと高い86cm。このカウンターはぜひともほしい。

もうひとつの大きな特徴は、本をサイズによってではなくジャンルで分けることを目的とした本棚だということ。上段の棚の高さには余裕があって(25cmほど)、文庫本も単行本もかまわず並べられる。
さらに、間仕切りが金属製で造作が薄く、正面からみたときに存在感がないので、棚が横一列の連続性を持てる。とあるテーマが、途切れなく別のテーマに移り変わって様子を演出できるのは楽しいだろうなあ。

つまりこの本棚の美点は、限られたスペースにできるだけ本をぎっしり詰めようという発想ではなく、本といかに暮らすかという発想で作られているところ。まさに、リビング・ダイニングの主役となる本棚にふさわしいコンセプトです。


しかし、その正規のお値段はおよそ70万円。
賃貸に備え付けるにあたってこれはかなり勇気がいる……。
でも、ほしい。

それでもなんとかそれに近いことを実現しようと思ってたどりついたのが「本棚屋」さん。

本棚屋

いろいろなサイトを見て回ったけれど、壁一面の本棚を(ほどほどの予算)でイージーオーダーするならここが一番。合成材だと本の重みで棚が歪むことを考えると、やはり無垢で作りたいし、そうなるともうここしかない、といっていいかもしれない。

しかし問題は、本棚の下段と上段の奥行の差を活かした高さ86cmのカウンターをいかに実現するか、ということ。

ぱっと考えつくのは、下段の本棚と上段の本棚を別々に注文し、それを積み上げて使うという方法。しかしそれでは耐震性に不安があるのでは……そう思って問い合わせてみたところ、サイト上には載っていないが「切り欠き加工」という方法があるとのこと。

以下の図はその2パターンの比較です。

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左側のパターン1が、積み上げ方式。上下の本棚をジョイントする仕掛け。そして右側のパターン2が、ひとつの本棚を上段部分だけ切り欠き加工をする方式。

これなら理想の本棚に近いものができるかもしれない! ということで本棚屋さんで注文しました。

その結果……

到着したらまずは組み立てをがんばるのみ。
無垢の板は重いからなかなか大変。

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仕上がりの図。
幅90センチ、高さ210センチの本棚を三棹。幅80センチ、高さ86センチの本棚一棹を並べた。エアコンがあの位置になければ完璧だったんだけど。

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反対方向から見た図。
カウンターの高さは86センチ。対面型キッチンのカウンターと高さをそろえればよかったと思わないではないが、使い勝手としてはこの高さで満足。なお、対面型キッチンの上下についているのは、最初からしつらえられていた棚です。

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本棚の下段の奥行きは40センチ、上段の奥行きは20センチ、なのでカウンター部分の奥行きは20センチ。鉢を置いたり、読みさしの本を置いたりするのにつかいやすい幅です。

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これで金額は20万弱。
単なる収納棚と考えれば高い買い物だけど、本を中心とした暮らしを手に入れる方法だと考えると、全然わるくない。なんだかんだで構想から半年。熟慮しただけあって、大満足でした。おすすめですよ。