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【社会】

奥西死刑囚の弁護団が異議申し立て 

 三重県名張市で1961(昭和36)年、農薬入りの白ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件の第8次再審請求審で、殺人罪などで死刑が確定した奥西勝死刑囚(88)=東京・八王子医療刑務所収監=の弁護団は2日、名古屋高裁刑事一部の請求棄却決定を不服として異議を申し立てた。今後は高裁の別の部で審理される。

 高裁の石山容示裁判長は5月28日、第8次再審請求は第7次で提出したものと同一の証拠関係に基づいているとして「同一の理由での再審請求は許されない」と棄却の理由を説明した。

 弁護団は昨年11月、犯行に使われた毒物は奥西死刑囚が当初自白した農薬ではなかったと主張し、大学教授ら3人の意見書を「無罪を言い渡すべき明らかな新証拠」として第8次請求を申請。いずれも第7次で提出したものだが、最高裁はその半月後に棄却決定を出しており、弁護団は「検討された形跡がなく、新規性を失っていない」と主張していた。

 2日に名古屋市で記者会見した鈴木泉弁護団長は、異議審でも意見書3通が新規性を失っていないと訴える方針を表明。提出資料を踏まえて判断したことが決定書で明示されていない場合、実質的な審査を経たとはいえないとする判例があるとして「高裁刑事一部の認定は誤り」と訴えた。

 また、検察側に証拠を開示させるよう高裁に求めたにもかかわらず、退けられた点に言及。「検察側が膨大な証拠を隠し持っているのに開示命令を出さず、十分な審理が尽くされたとは言えない」と述べ、異議申し立ての理由の一つに挙げた。

 (中日新聞)

 

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