iOS 8について知っておくべきことすべて

2014.06.03 06:10
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WWDCで発表されたiOS 8のポイントは、HealthKitとかHomeKit、UIの微修正…だけではありません。iOS 8のどこがもっと強力になっていくのか、こちらですべてまとめていきます。

HealthKit


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アップルはHealthkitという新APIを作りました。デベロッパーはこのAPIを通じて、ユーザーの健康データのデータベースにアプリを接続させることができます。

それはApp Storeで買えるアプリだけでなく、医師が使うような特殊なアプリでも同じことです。なのでたとえば病院で血圧とか血糖値の検査を受けると、iPhoneで結果データの通知を受け取れます。このデータはプライヴェートで保存でき、さらに他の医師と共有することもできます。


HomeKit


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スマートホームを実現するためのAPI、HomeKitも発表されました。これによって、iOSから家のスマート家電とか設備をコントロールできるようになります。

操作はSiriの音声コマンドから利用可能です。また、「シーン」という複数の家電の設定をまとめる機能によって、たとえば「ベッドタイム」というだけで照明とTVを消してセキュリティシステムをオンにする…といったことができます。


写真


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写真アプリも新しくなり、親指のシンプルなジェスチャーで使える編集機能が追加されました。見た感じすごく使いやすそうで、特にPhotoshopのシャドウとかハイライトに相当する機能ではスマートな画像分析をしていて、(少なくともデモを見る限り)良さげです。この機能はiOS版のiPhotoと同じようにも見えますが、インターフェースはもっと良くなっています。


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アップルはOS Xヴァージョンの写真アプリもiCloudを中心に作っています。つまりiPhotoからはフェーズアウトしていくということかもしれません。

すべての写真はクラウドに収まり、5GBは無料です。それ以外は月1ドル(約100円)から使えます。ローカルとクラウドの違いはもうなくなり、ローカルデヴァイスはクラウド上にあるもののキャッシュとして動作します。


Continuity(連続性)

ContinuityはiOSでもOS Xでももっともエキサイティングな機能です。それは、MacとiOSデヴァイスをシームレスに統合するための以下のようなテクノロジーの集合体です。

■ Airdrop:MacとiOSの間でプラットフォームを超えて使えるようになります。MacからiPhoneやiPadへ、Wi-Fi経由でシームレスにファイル共有ができます。


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■Handoff:iPadやiPhoneがつねにMac上での操作を認識しています。なのでたとえばMacでメールを書いていたんだけど出かけなきゃっていうとき、iPadやiPhoneを開けばそこでメールの続きを書けるってことです。操作は画面のすみっこのアイコンをクリックするだけです。


■テキストメッセージの統合:iPhoneからMacにテキストメッセージを送れるようになります。iPhoneは非iOSの電話から送られたテキストメッセージをMacのiMessageアプリにリレーします。メッセージはすべての端末で同期されますが、実際どれくらいシームレスかは使ってみないとわかりません。


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■電話の統合:さらにiPhoneからMacへ、音声通話もリレーでき、番号通知も引き継がれます。さらにMacからiPhone経由での通話もできます。それはすべて自動で行われ、まるでMacがiPhoneのスピーカーとマイクになったように使えます。


通知機能

通知機能も強化され、今開いているアプリから離れなくても通知に対してアクションを起こせるようになりました。

同じことはロックスクリーンにも言えます。つまり端末をアンロックしなくても、通知に対応できるってことです。


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人へのアクセス


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人へのアクセスは、ホームボタンのダブルタップで可能になります。一番多くコンタクトをとっている人がアイコンで表示され、その顔をクリックすると、電話、チャット、FaceTimeなど、その人とコミュニケーションするためのすべての手段が一覧で出てきます。

アプリの拡張機能(後述)が使えることでこのコミュニケーションの手段としてWhatsAppとかFacebookも入ってくるのかはまだわかりません。


メール

メールもいろいろ機能追加されましたが、特に良かったのはMailboxみたいにジェスチャーベースのメッセージ操作ができることです。。たとえば左にスワイプでメッセージのフラグを削除したり、返信したりできます。強くスワイプするとメッセージ自体を削除できます。


Spotlight


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iOSのどこからでも下スワイプでアクセスできるSpotlightでは、検索対象が一気に拡大します。iOS 8では、ニュースやWikipedia、近くの場所、iTunesの音楽やポッドキャストや映画、iBooks、おすすめのWebサイト、映画の上映時間といった情報も検索可能になります。

さらに、ダウンロードしておらず、検索に関連付けられていないアプリも検索対象となります(これはうっとうしいことになるかもしれませんが)。グーグルがAndroidで、マイクロソフトがWindows Phoneでしていることと同じことです。Safari内でも同様になります。


キーボードが賢く

iOSのキーボードが、初めてアップデートされます。ついに文脈認識する予測入力が可能になり、今までより高速でタイプができます。


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アップルいわく、新キーボードはユーザーの言葉使いを学習し、またコミュニケーション相手によって予測入力内容を変えてきます。たとえば仕事の上司や同僚に対してはよりフォーマルな言葉使い、友達に対してはカジュアルな言葉使いといった感じです。学習はコンスタントに続きます。

予測入力機能は文脈も認識しているので、ディナーデートについて話しているときはそれに合った候補を出してくれます。


iMessage

iMessageもいろいろ機能追加されていますが、特に指定した会話をミュートにできるのは便利そうです。

もうひとつ、会話の中で位置情報を時間限定で共有することもできます。


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iMessageでは音声やビデオメッセージも送れるようになります。SnapChatみたいにこのメッセージは自動で消えてしまいます。が、SnapChatと違って、メッセージを消さないような指定も可能です。

iMessageで受け取ったオーディオメッセージはホームスクリーンからも聞けます。iPhoneを手に持って、耳に付けて聞くだけでOK。リプライも同様に可能です。


iCloud Drive


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Appleのアプリと同じく、サードパーティアプリもiCloud Driveにアクセスして「Continuity」を保つことができます。たとえばSketchbookのようなアプリが文書への変更をクラウドに保存したりできます。なので、iOSデヴァイスでもMacでも、すべてのアプリのデータに対しiCloudからアクセスできるということです(これはもちろん、デベロッパーがそれに対応すればですが)。WindowsのPCでも同様の連携が可能です。


ビジネス向け機能

iOS 8には企業向け機能がたくさん盛り込まれています。IT部門がデヴァイスを管理するためのツールをサポートしたり、企業のクラウドを中心に文書共有をしやすくしたり、日程調整用にカレンダーを表示したりする機能があります。


家族間の共有

本や音楽、映画などを買ったら、それを家族間で共有できます。最大6人まで、同じクレジットカードを使っている人が対象です。

たとえばお父さんなら、子供が同じクレジットカードで買い物をすることになりますが、その際は許可を取るためのメッセージが必ず送られます。


Siri


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Siriが常時オンになります。たとえばiPhoneを車とつなげれば、「Hey Siri」というだけでSiriがアクティヴェートされ、ホームボタンに触る必要もありません。

もうひとつ有用なのはShazamとの連携です。アプリを開かなくても、Siriが流れている曲を認識してくれます。同じ画面からその曲を買うこともできます。


拡張機能:地味だけど革新的!

これは多分、これまでのiOSで最良の機能です。OS Xと同様、アップルはデベロッパーに対しiOS用の拡張を可能にするんです。デベロッパーは他のアプリに対しサーヴィスを提供できるようになります。

たとえばあるアプリが他のアプリの写真編集機能を使えたり、Pinterestの拡張を使ってPinterestにポストしたりできたりするようになります。ユーザーからはこれは意識されません。アプリをインストールしたとき、そこに拡張サーヴィスがあれば、自動的に使えるようになります。


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アプリからのウィジェット提供も可能になります。たとえばデモでは、eBayウィジェットから直接オークションにビッドできるのが見られました。


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アップルのアプリ、たとえばSafariも拡張可能になります。上の画像は、Bing TranslateがSafari内で動いているところです。

さらにiOS自体も拡張できます。たとえばカスタムキーボードを追加できたりします。

これらの拡張はたくさんのセキュリティレイヤーの中で動くので、ユーザーはつねにセキュアで、悪意のあるソフトウェアが許可無く情報をつかんだりはできない、とアップルは説明しています。


Touch IDをすべてのアプリに

ついにサードパーティアプリもTouch IDの認証機能を使えるようになります。指紋認証で銀行アプリにログインできたりするということです。


iOS用3Dエンジン、Metal

アップルいわく、グラフィックスエンジンのMetalは従来の3Dレンダリングエンジンの10倍の性能を持っているそうです。Epicのデベロッパーは、これで「ゲームコンソール並み」のエンジンをiPadで使えると言ってます。


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たしかにデモはすごくきれいでした。


いつ使える?

iOS 8は「今年秋」に使えるようになる予定です。


Jesus Diaz-Gizmodo US[原文
(miho)

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