「OS X 10.10」の名称は国立公園の「Yosemite」に決定
1990年に始まったWWDCも2014年で25回目を迎える。今回はMacとiOSデバイス各OSの新バージョン「OS X Yosemite」(開発コード名)と「iOS 8」の説明に大半が費やされた。
OS Xの開発コード名は、これまでネコ科の動物だったが、2013年のMarveriks(OS X 10.9)から米カリフォルニア州の地名に変更された。最新版のOS X 10.10は同州の国立公園「Yosemite」(ヨセミテ)となった。その特徴を下記にまとめた。
Yosemite(OS X 10.10)の主な特徴
- 半透明でフラットな画面
- タイトルバーはコンテンツに応じて半透明に変わる
- ウィンドウのUIや主要アプリのアイコンが大きく変更
- ダークモードのメニュー画面も追加
- 通知センターにウィジェットが追加可能(サードパーティー製品も可能)
- Spotlightの検索窓が画面中央に表示、ローカルとWeb検索やプレビュー表示に対応
- メールもUIを改良、大容量ファイルはiCloud Drive経由で送信可能に
- メールやPDFなどにマークアップができるようになった
- Safariが大幅に高速化、検索窓にお気に入りやSpotlightを統合
- SafariでWebGLやSPDYといった最新技術に対応
- Safariでウェブ動画のストリーミング(Netflix/1080p)再生が最長2時間長くなった
- MacでiPhoneに電話をかけたり受けたりすることができるようになった
- iCloud DriveでiOS、OS X、Windowsを問わず文書の受け渡しが可能に
- AirDropがMacとiOS間のファイル転送に対応
- 開発者向けのプレビューは即日公開
- 一般ユーザー向けのβプログラムは2014年夏に開始
- 一般ユーザー向けのリリースは2014年秋
- Yosemiteは無料で配布

Yosemiteではタイトルバーをはじめとして随所で半透明のデザインが採用されている(写真=左)。デモでは5月28日に買収が正式発表されたBeats Electronicsのドクター・ドレー氏がiPhoneのスピーカフォンで登場(写真=右)。社内のスケジュールなどの確認で聴衆から笑いを誘った
OS XとiOSデバイス間でいっそう緊密化した「iOS 8」
一方の「iOS 8」では、通知センターの機能強化をはじめ、メールやフォトの新UIなど細かいながらかゆいところに手が届く改良や新機能が多く見られてた。また、iOSデバイスとMac OS間でデータをシームレスに扱える、融合がいっそう進んだのも印象的だ。
加えて、新機能の説明だけでなく、旧来のWWDCらしく開発者向けの情報提供に多くの時間が割かれたのもポイントだろう。
なお、iOS 8の対応デバイスはiPhone 4s/5/5c/5s、iPod touch(第5世代)、iPad 2、iPad Retinaディスプレイ、iPad Air、iPad mini、iPad mini Retinaディスプレイだ。
iOS 8の主な特徴
- 通知センターを強化、通知バーがインタラクティブに
- 通知センターにサードパーティーのウィジェットが追加可能に
- メッセージ通知を下にスワイプして直接返信が可能に
- ホーム画面のダブルタップでアプリのサムネイルが表示
- メールが新UIに対応、スワイプでフラグを立てたり削除が可能に
- Spotlightが進化し、直接ニュースやWikipediaを検索可能に
- 文脈を判断して予測候補を表示したり手書きにも対応した「QuickType」の採用
- サードパーティー製のキーボードが利用可能に
- Continuity機能でiPhoneに来たメッセージや着信をiPadで受け取れる
- テザリングが自動認識に対応
- マイクの長押しで短時間の音声メッセージやビデオを録画し、送信可能に
- 位置情報が時間を限定してリアルタイムで共有可能に
- エンタープライズ機能が強化
- 企業システムのメールやカレンダーの設定が簡単に
- スマートホームを実現するためのAPI「HomeKit」を発表
- ヘルスケア系アプリのデータを集中管理する「Healthkit」を発表
- 家族6人までメディアを共有できる「Family Sharing」に対応
- 写真を自動認識して最適なパラメータで調整するスマート編集に対応
- 写真のクラウド対応は5Gバイトまで無料(iCloud Drive)
- iCloud容量は20Gバイトが0.99ドル/月、200Gバイトが3.99ドル/月、最大1Tバイトまで対応
- ユーザーをβテストに招待できるTest Flightに対応
- 4000の新しいSDKを公開
- 新プログラミング言語「Swift」を発表
- 開発者向けのβ版は即日公開
- 一般ユーザー向けのリリースは2014年秋

iOS 8では、OS XやiOSデバイス間でのシームレス化がいっそう進んだ(写真=左)。新プログラミング言語「Swift」の特徴(写真=右)。発表時は会場が大いに沸いた
復習用の動画はアップルに
主な特徴を挙げただけでも上記のように多岐に渡るが、WWDC 2014の基調講演の動画はアップルが公開している。日本語訳は用意されないが、その画面を眺めているだけでもiOS 8とYosemiteの新機能や改良点が把握できるはずだ。
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