ペレ氏長男に禁錮33年の実刑判決!麻薬組織取引に関与
元ブラジル代表の「サッカーの王様」ペレ氏の長男で元サッカー選手のエジーニョ被告(43)が5月31日、麻薬組織のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして、サンパウロ州の裁判所に禁錮33年4月の実刑判決を言い渡された。本人は関与を否定しており、控訴する見込み。W杯開幕を目前に控えるブラジル。英雄の家族の不祥事で、大きな衝撃が広がっている。
W杯直前に衝撃 “王子様”に衝撃的な実刑判決が下された。サンパウロ州の裁判所がエジーニョ被告に言い渡したのは、なんと禁錮33年4月。W杯開幕直前のブラジルが、大きな驚きに包まれた。
裁判を担当した検事によると、エジーニョ被告は、麻薬取引の元締的存在の犯罪組織と武装ギャングの橋渡し役をしていたという。このギャングはスラム街で麻薬をばらまいており、ドラッグ問題で大きな影響力を持っていた。
GKとして、ペレ氏の古巣・サントスなど4クラブを渡り歩いた後、1999年に引退したエジーニョ被告。その“悪名”は、ブラジル国内外に響き渡っていた。92年、カートレースで事故を起こし、友人1人が死亡した。引退後は父の経営する会社の重役に就任したものの、億単位の損失を出す始末。取引先からは数件の裁判を起こされた。
05年には、今回と同じ麻薬密売容疑で逮捕され、仮釈放までの半年間、刑務所に収監された。父との約束で更生施設に入っていたが、06年に資金洗浄容疑で再逮捕。07年、10年とサントスでコーチに就任したが、長続きはしなかった。
08年にはペレ氏が「(薬物使用などで)問題が多いマラドーナ(元アルゼンチン代表)はタイトルを剥奪されるべき」とコメントすると、マラドーナ氏が「俺のこといろいろ言う前に、てめぇの息子を更生させろよ」と応戦。巨頭同士の騒動に発展したこともあった。
エジーニョ被告は麻薬中毒であることは認めているが、組織への関与は否定。刑を不服として控訴するとみられている。