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原監督、試合前に涙のミーティング ナイン一丸3連勝!交流戦単独首位

2014年6月2日6時0分  スポーツ報知
  • 試合後、バスに向かう杉内に声をかけ、笑いを誘った原監督(右)

 ◆交流戦 オリックス1―2巨人(1日・京セラドーム大阪)

 巨人はパ・リーグ首位のオリックスに2日連続の1点差勝利。約1か月ぶりの3連勝で、交流戦単独首位に立った。原監督は試合前のミーティングで、実父・貢氏(享年79歳)が5月29日に心不全で死去したことを、涙ながらに初めてナインに報告。一丸となった選手たちは接戦をモノにし、5勝目を挙げた杉内は試合後、指揮官にウイニングボールを手渡した。

 フッと、息をついた。帰りのバスに乗り込んだ原監督は、前方のイスの背もたれに寄りかかった。接戦を制した興奮がさめやらない中、そこに杉内が近づいてくる。ウイニングボールを手渡してきた。指揮官は球を握りしめ、「ありがとう」と応えた。気遣ってくれるナインに対して、わずかに申し訳なさも感じた。

 5月29日、父・貢氏が心不全で亡くなった。もう、3日がたつ。原監督はこの日初めて、自らの言葉でナインに報告した。試合前、ミーティングルームに集めた。球団関係者から一連の説明があり、黙とうをささげた。その後、指揮官は「ご心配をおかけしました」と頭を下げ、父のことを話した。最後は「これを一つの区切りとして切り替えていこう」。こう締めくくった。途中、声を詰まらせ、涙ぐんだという。

 午前10時半前。選手宿舎を出たチームバスが京セラDに到着した際は、報道陣の前で帽子を取り、「いい報道をありがとうございました」と頭を下げた。近日中に行われる密葬が終わるまでは、父の話題には触れないつもりでいた。だが、いま胸の中にある最大限の感謝を、ともに戦う人々に伝えたかった。

 切り替えて臨んだ一戦だった。無失点を続けた先発・杉内を6回2死満塁の場面で、スパッと代えた。2番手・福田が押し出し四球を与えたが、代わった青木が後続を断った。中継ぎ5投手をつぎ込み、わずか1点差で逃げ切った。「福田の四球は計算外だったが、1点で抑えてくれた。緊迫したゲームの中で、最高のリリーフをしてくれた」。攻撃でも、5回にスクイズを試みるなど、あらゆる策を繰り出し、白星をつかみとった。

 前日のナイターが終了したのは午後11時過ぎで、この日は午後1時開始のデーゲーム。ナインはタフに戦った。パ・リーグ首位の強敵・オリックスに連勝し、4月23日以来、約1か月ぶりの3連勝。チームは交流戦単独首位に躍り出た。

 「ぎりぎりの試合を取っていくことが大事。どっちに転ぶか分からないゲームだったが、粘り、運というものが、やや、今回に関しては我が軍にあった」と確かな手応えを口にした。その表情は終始、厳しいままだった。目は、真っ赤に充血していた。戦いを終えた、普段と変わらぬ原監督が、そこにいた。(水井 基博)

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