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福島第一、凍土壁に着工 汚染水増加対策、成否は未知数

 東京電力福島第一原発の汚染水増加を抑えるため、建屋周辺の地下に氷の壁をつくって囲む「凍土壁」の工事が2日、始まった。地下水が建屋に流れ込むのを防ぎ、汚染水の発生量を減らす。国や東電は対策の柱としているが、成否は未知数。これまで例のない大事業で、失敗した場合の影響は大きい。

 第一原発では1日400トンの地下水が建屋に流れ込み、汚染水が増え続けている。凍土壁は、地下水を建屋に近付けないため、深さ約30メートル、総延長1500メートルの氷の壁で1~4号機の建屋の地下を囲う。国などの試算では、地下水の流入量を280トン減らすとされる。

 今後、1メートル間隔で地面に穴を開け、零下30度の液体を流す管を埋めていく。凍結は来年3月に始める予定。建設費320億円は国費でまかない、東電と鹿島が施工する。

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