スイス処理場跡から高放射性物質、1年半公表せず
2014年06月02日 11:24 発信地:ジュネーブ/スイス
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【6月2日 AFP】スイスの廃棄物処理場跡から規制値の100倍以上の放射線を出す高放射性物質が見つかっていたことが、1日の報道で分かった。当局はこの事実を1年半にもわたり隠蔽(いんぺい)していたという。
スイスの週刊紙、ル・マタン・ディマンシュ(Le Matin Dimanche)とゾンタークス・ツァイトング(SonntagsZeitung)によると、北部ビエンヌ(Bienne)にあるかつての廃棄物処理場からラジウム廃棄物が見つかったが、連邦政府や地方当局、地元当局のいずれもが、約5万人の地元住民に不安を与えることを懸念し、この事実を隠していた。
スイス連邦保健局(OFSP)広報のダニエル・ダウバルダー(Daniel Dauwalder)氏はル・マタン・ディマンシュ紙の取材に、「分別した結果、計120キロ分の放射性廃棄物が見つかった。放射線源で計測した線量は数百マイクロシーベルトだった」と述べた。
場所によっては、毎時300マイクロシーベルトの放射線量が計測された所もあったという。これは廃棄施設での規制値の100倍を超える数値で、1年間の許容放射線量を3時間で浴びる計算になる。
この廃棄物は、時計製造で文字盤に用いられていた夜光塗料に含まれていたもので、道路工事がきっかけで見つかった。この物質は放射性を理由に1963年に使用が禁止されている。
OFSPは市民への健康リスクは「低い」としているが、ゾンタークス・ツァイトング紙は地下水面の検査が来月にも始まると報じている。(c)AFP