こんばんは、吉本ユータヌキです。
突然ですが、カバンを盗られたことありますか?
僕は高校3年春の下校中に自転車のカゴからリュックを盗られたことがあるんです。
僕の通っていた高校は家から自転車で40分の所にあったんですけど、途中に"開かずの踏切"と呼ばれるぐらい1度閉じたら2,30分は平気で開かない踏切があったんです。
駅のすぐ横にあって、4本分の電車が停車する前から踏切が閉まるので待ち時間はこの上なく長い。
普段は迂回していたのですが、その日の放課後は時間に余裕があったのでその"開かずの踏切"を渡ろうと思い向かってみた。誰も待っていなかった所から推理すると僕が着いたのは恐らく閉まった直後だった。
この踏切は車も通れる横幅の広い踏切なので、長い時間閉まっているとマラソンのスタートのような感じでたくさんの人がズラーっと横に並ぶ状態になるのですが、学校から5分のところにあるということで同じ学校の同級生がズラズラと溜まってくる。
僕のことを知らない人に改めて自己紹介をすると僕は何を隠そう
学生時代に友達がいませんでした。
ある意味ここが1番落ちるとこなんですけど。
つまり、話さないけど微妙な顔見知りというなんとも気まずい関係。
それはさておき、さすがに20分も待たされるとイライラしてくるもので、僕は自転車を踏切にガツガツと当てていた。
そんなことをして30分が経とうとした時にカンカンを鳴り続けた音が鳴り止み、ようやく踏切が開き、待ちわびた人たちは一斉に自転車のペダルをこぎ出した。
その瞬間に僕は前カゴに入れてあったリュックを盗られた。
踏切に。
こうゆうことなんですけど。
ではここで皆さんに質問です。記憶の奥深くまでよーく思い出してくださいね。
今までの人生の中でカバンが目の前で天に召されてゆく瞬間を見た事がありますか?
あんなにもゆっくりと昇天するリュックの残像は今でも瞼の裏に焼き付いています。
どうやら踏切の棒に絡み付いているあのビラビラ(タレベルト)にリュックがひっかかったみたいです。
そんなことある?
そして運が良いのか悪いのか、リュックの
ゴムの部分に引っかかっていた為、ゴムが伸びて
カバンは降りてきたんですよね。
"生殺し"って言葉はこうゆう時に使うので間違いないですよね?
カバンはあるのに、目の前に。掴むことはできるし、背負うことはできる。
けど、帰ることができない。
ええええええええええええええ。
ってなってる所を
友達でもない同級生に見られてるという状況
地獄です。
方程式で言うと
こういう構図になるわけですが、ここでもう一度言いますが
地獄です。
ゴムよりも先に僕がキレそうでしたよ。
6科目分の授業の教科書やノートが入ってる重いリュックなのに全く切れないんです。ゴムってあんなに丈夫だったんですね。 いざという時はすぐに破れるくせに。
何よりもこの恥ずかしい状況を否認したかった。失礼。
そんな感じで僕はぶら下げられたリュックを見つめ続けた。
『あいつ何してるん?』という顔ですぐ横を通り過ぎてゆく同級生には一度も目を合わせることなく。
僕は調査をしているのだ。
ゴムの耐久力を調べる為に。僕の精神力と青春時代を引き換えに。
当時まだ見ぬガリレオ役の福山雅治ばりのキメ顔で。
"開かずの踏切"は別名"閉じずの踏切"でもあり、そのまま20分が過ぎ、後にカンカンという音が鳴り、僕のリュックは夕日と共に自転車のカゴにサンセットした。
そして、ひっかかっていたゴムは僕の心と同じくビロンビロンにのびきっていました。
あれ以降、学校で"踏切にリュックを盗られた男"と影でバカにされてるんじゃないかと思えば思うほど、被害妄想という重荷を背負うようになりました。
自虐ネタに踏み切ることもできず。
今となっては昔の話、そんなことがありました。
みなさんもカバンのひったくりには気をつけてくださいね。
あのトラウマになるような出来事があったからは
ゴムのないリュックを愛用するようになりました。
これでもうゴムのトラウマに縛られることはないでしょう。
おわり
【お知らせ】
▼マイナビニュースさんで記事を書かせていただきました。
タイプなあの子をつれて帰れる合コン必勝マニュアル | マイナビニュース
吉本ユータヌキ(id:horahareta13)
唐揚げと長澤まさみをこよなく愛す86年製たぬき。
ブログ『さっきもUたやん』で文章を書いたり、イラストを掻いたり、背中を掻いたり。
重度の虚言癖と盛り癖をわずらっていますので優しく見守ってあげてください。