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横浜市立大学附属市民総合医療センター
消化器内科教授/
臨床研究推進センター部長
田中 克明 |
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横浜市立大学附属市民総合医療センター(通称市大センター病院)消化器病センターは、消化器疾患の患者さんに、内科、外科などの診療科の垣根を超え、最良の診療を提供するため2000年に開設されました。現在は、消化器内科、消化器外科、内視鏡室の3つにより構成され、「市民の皆様に信頼され愛される病院」という基本理念の元で日々の診療を実践しています。
消化器内科は食道、胃、大腸などの消化管の病気と肝臓、胆嚢、膵臓などの実質臓器の病気を担当していますが、消化管グループ、肝臓グループ、胆膵グループの3つの診療グループに分かれ、それぞれの分野の専門医師がチームとなって患者さんの診療にあたっています。いずれの診療チームにも経験豊富な消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医、超音波専門医などの専門医がそろい、食道癌・胃癌に対する内視鏡的切除術をはじめ、肝臓癌に対するラジオ波治療など悪性疾患へも積極的に内科的治療を行い、取り扱い症例数も神奈川県内でトップの位置を占めています。
消化器病外科では、上部消化管グループ、下部消化管グループ、肝胆膵グループの3つの診療グループに分かれ、外科専門医、消化器外科専門医、消化器病専門医、大腸肛門病専門医、消化器内視鏡専門医などの専門医が中心となった診療がなされ、食道癌、胃癌、大腸癌の切除成績も日本のトップレベルとなっています。また、外科治療だけでなく、化学療法、放射線治療にも力を入れており、患者さんの状態、癌の病態を考えた治療を選択しています。
医療連携にも力を注いでおり、地域の先生がたへの情報提供、患者さんの診療受け入れ、ご紹介など円滑で信頼される連携をめざしています。内科と外科の垣根を越え、広い視野にたって患者さんに最良の医療を提供すべく努力をしていますし、他の施設で治療困難な進行がん患者さん、あるいは深刻な合併症を持つ患者さんに対しても積極的な治療を行い、目の前にいる患者さんに対して、自分たちの持てるすべての力をつぎ込むという姿勢で臨んでいます。
消化器病センターでは消化器疾患の診断、治療だけでなく、病気の予防や病態の解明のための基礎的な研究、新しい診断法や治療法の開発などの臨床研究まではばひろく取り組んでいます。さらに、専門医の育成に熱心に取り組み、充実した初期および後期研修カリキュラムにより、優れた消化器内科医師および消化器外科医師を多数育成しています。これから消化器病の専門医を目指される医学部学生、初期・後期研修医も積極的に受け入れていますので、一度見学においでいただければ幸いです。
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