2014年6月2日10時59分
●住民ら改めて怒り
中間貯蔵施設をめぐり、大熊町と双葉町の住民向け説明会が1日には南相馬市といわき市で開かれ、計約460人が参加した。避難を強いられたうえに土地や家屋を買い取られることに、住民らが改めて怒りをあらわにした。
南相馬市の会場では、双葉町で約250年続く家の6代目の男性が「ご先祖が骨を折った財産を簡単に手放すわけにいかない。絶対に施設には反対する」。双葉町の別の男性は「こういうつらい思いを日本中、世界中の人にしてほしくない。受け入れるなら交換条件で全原発の廃炉を求めてほしい」と訴えた。大熊町の女性は「福島の各市町村で処分できるのではないか」と疑問を呈した。
いわき市の会場では双葉町の男性(52)が「候補地を決めるプロセスに住民が何も関わっていない。白紙に戻して」と政府を批判。宮城県や栃木県などで生じた放射性廃棄物までも中間貯蔵施設に置かれるのではないか、と懸念した。
こうした声に対し、説明にあたる環境省の藤塚哲朗・中間貯蔵施設チーム長は「ご理解いただきたい」「本当に心苦しいが何とかお願いしたい」と繰り返すばかりだった。