【コラム】「魚釣り遊び」を再び始めた日本と中国

 中国による韓半島への介入もこれに決して劣らない。中国の王毅・外相は先月末に韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官と会談した際「親しい親戚の家を訪れ、親しい友人と美しい青写真を共に描き、協力の方法について話し合うためにやって来た」と述べた。この発言は一見すると非常に友好的なようにも感じられるが、実は「親戚」という言葉は外交の世界では一種のタブーともいえる言葉だ。朝貢体制における「兄と弟」という関係を暗示することで、封建時代秩序への復帰を希望していると受け取ることができるからだ。駐韓中国大使も会見で「韓米合同軍事演習は北朝鮮を刺激するので、韓国は米国を説得して軍事演習を自制すべきだ」と発言した。中国もつい先日西海(黄海)でロシアと軍事演習を行ったばかりだが、中国は自分たちだけは大々的に軍事演習を行いながら、その一方で北朝鮮の核兵器開発という脅威に対抗しようとする韓国の自衛的な軍事演習については自制を求めているのだ。先月韓国の海洋警察が旅客船「セウォル号」沈没事故への対応に追われている時も、数百隻の中国漁船が韓国の領海にやって来て堂々と違法操業を行っていた。これなどまさに「火事場泥棒」に他ならない。中国が韓国を本当に「友人」と考えているのなら、こんなことは絶対にやらないはずだ。

 人間の体も免疫力が低下すると細菌に侵入されるが、これと同じように外国からの干渉は国の自衛力や結集力が弱まると一層露骨になる。今のようにセウォル号沈没によって大統領のリーダーシップが揺らいで国論が分裂すると、周辺国はこれまで以上に韓国の立場や意向など無視するようになる。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権と李明博(イ・ミョンバク)政権の時もそうだった。いずれもその外交政策は周辺国から無視され、その「愚かさ」故に国内からもあざけられていた。盧武鉉政権は「弾劾問題」、李明博政権は「ろうそくデモ」により国内で求心力を失い、外国からの攻勢に強いリーダーシップを発揮できなかったのがその原因だ。いわば周辺国は常に韓国のそのような隙をうかがっているのだ。

 今の時代にビゴーが再び生き返れば、「魚釣り遊び」はどのように描き直されるだろうか。しかし本来ならその絵を描き直すべきはビゴーではなく、われわれ自身でなければならないのだ。

池海範(チ・ヘボム)東北アジア研究所長
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