小さな鉛筆削り、卵の選別装置、カップ式インスタントコーヒーのフィルム包装――。身の回りのちょっとした製品を、関西の中小企業のスゴ技が支えている。その世界で欠かせないナンバーワンも多い。職人の発想やこだわりが詰まっている。

 町工場の階段を上ると、40~60代の女性らが作業場の机でせっせと手を動かしていた。

 従業員わずか14人の中島重久堂(じゅうきゅうどう、大阪府松原市)がつくるのは、ピンク、水色などカラフルなプラスチック製の小型鉛筆削りだ。年産600万個、国内シェアの8割を握る。

 「ざらざらはだめ。ベルベットをなぞった感触のものが、長持ちします」。前田節子さん(57)が、品質の決め手となる刃先の検査をしていた。1日に2万枚、人さし指で刃先をなぞっていく。

 人間の触覚だけで、数割の刃先がはねられる。これが、1個80円ほどで売られている鉛筆削りの良しあしを決める。中島潤也社長(46)は「コストはかかっても品質は譲れない。だからこそ、製造コストが半分の中国製とも戦える」と胸を張る。