ニックネーム:太田たこす
いわゆる一つの同人オタク。現在の活動ジャンルはアニメ・ゲーム・マンガ(「ぱにぽに」など)のパロディ中心。元コミケスタッフ(館内担当)

»くわしく見る
2014年05月31日(土)
同人誌即売会でのエロ頒布についてチラッと
少し前にアップした「コミケのエロ絵修正基準について雑感」
を書いた時に書きそびれたと言いますか、
ちょっと内容がずれるので見送った話を書いてみようかと。
主にコミケなどでエッチなものを頒布したいという人に、
聞いておいて欲しい私見になりますが。

まずは復習もかねて前回の要点を箇条書き。

・コミケの見本誌チェックは幕張メッセから追い出され晴海会場に戻った際、
会場側の貸し出し条件に応える形で始まった
・チェックしているのは刑法175条「猥褻物頒布等の罪」に抵触するか否か。
・コミケ会場で「猥褻物頒布等の罪」の逮捕者がでたら、
それ以降会場を借りられない約束になっている。
・猥褻の基準は法的にも社会的にもさだまっておらず、
その都度様子を見ながらチェック基準を決めていくしかなく、
コミケ側が事前に「明確な」基準を通知するのは難しい。

とまあ前回は広く一般向けの基本的な解説を中心にしました。
今回は主にエロ同人作品を作っている、作ろうとしている人向けのお話。
ベテランサークルや新参でも知識の豊富な人にとっては、
「言われんでもわかってるわい」という話になりますが。


(以下「続きを読む」内で)


◆見本誌チェックにはサークルだけに責任を押し付けない意味も
これ、前回も軽く触れたので繰り返しになりますが、
サークル向けの話としては重要なのでもう一度。
コミケの見本誌チェックは、
確かにわいせつ物を頒布させない目的で行うものですが、
反面コミケ準備会が頒布を許可した物がわいせつ物とされた場合、
「あれのどこがわいせつ物なのですか?」
と一緒に裁判などで闘えるようにする意味もあるそうで。
これがサークル側がチェックの際に隠したり、ごまかしたりしていた場合、
「コミケ側のチェックをごまかして頒布されたものなので、うちは知りません」
と言う他はない状態になります。
しかししっかりチェックして許可を出したというのであれば、
裁判で戦うにせよ、おとなしく罪を受け入れるにせよ、
「サークルと一緒に責任を取る」という形になります。
まあまだコミケ会場でのわいせつ物関連の逮捕事例がないので、
実際に準備会がどういう形で「サークルと一緒に責任をとる」のかは判りませんが、
とりあえず「いざという時サークルだけに罪を押し付けない」
という効果もあるものだということは、サークル参加者は知っておいた方が良いかなと。

◆ワイセツ関連で逮捕される時は周囲を巻き込む
コミケなど同人誌即売会でエロ作品を頒布して、
もしそれが当局にわいせつ物と認定されてしまった場合、
その発行サークルはもちろん準備会も会場も印刷会社も、
「幇助罪」によって逮捕されるリスクを負っています。
これは本当に忘れないでいただきたいお話。
もちろん一番大きなリスクを負っているのは、
真っ先に逮捕され「主犯」とされる作家・サークルですが、
「自分たちのやりたい事」のために、
「一緒にリスクを負ってくれている人たちがいる」
という認識は持っておいていただきたいなあと。

私はもうとっくに即売会運営側から身を引いていますから、
「自分が捕されるのを恐れて」こんな事を言っている訳ではありません。
オリジナル、パロディ・二次創作、エロ、非エロと人それぞれ形は変われど、
「作り手一人で完結する趣味ではない」
ということを忘れないで欲しいと思ってるだけなんですよ。
我々のやっている同人活動という趣味は、
出来上がった作品を「流通」させるという性質をもつ手前、
「作った本人だけ」で全ての責任を負える形にはなっていません。
それを知らず、または理解せず自分の都合だけの意見を声高に叫んでいると、
それこそ取り返しのつかない事態を招きかねないのではないかと。
私はそれを恐れます。

2014年5月31日 23時37分 | 記事へ | コメント(0) |
| コミケ・同人誌関連 |
コメントを記入  
お名前(必須)
 
パスワード:
 
メール:
 
URL:
 
非公開:  クッキーに保存: 
※非公開にチェックを入れると、管理者のみにコメントが届きます。
ブログの画面には表示されません。
captcha


※画像に表示されている文字を入力してください(半角・大文字/小文字の区別なし)。
文字が読みづらい場合はこちらをクリックしてください。
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク