美術品、文化財をデジタル保存 国の研究拠点に立命大
美術品や文化財をデジタル技術で保存するデジタルアーカイブの共同研究を進める国の拠点に、立命館大アート・リサーチセンター(京都市北区)がこのほど選ばれた。データベースを整備して日本の貴重な美術品や文化財のデータを研究者に公開し、日本文化の神髄を探る研究に役立てる。
センターは浮世絵や古典籍、陶磁器など約300万点以上のデジタルアーカイブスを所有する。特に海外で所蔵されている日本の美術・工芸品の保存に力を入れており、大英博物館や米スミソニアン博物館のコレクションも手掛けてきた。
2014年度から6年間、文部科学省の補助金を受けられる共同利用・共同研究拠点に認定された。データベースやホームページを新たに整え、センターが保有するデジタルデータを国内外の研究者が利用しやすくする。
学外の研究者と連携し、デジタルデータを活用した日本文化の共同研究を進める。例えば浮世絵に描かれた漆器と同時代の実物のデジタル画像を比較し、絵画と器の文化が相互にどのような影響を及ぼし合ったかなどを調べる。
センターが独自に作り上げた美術工芸品の撮影技法やデータベースのノウハウも国内外に提供。貴重な美術品や文化財をデジタルで保存する取り組みを後押しする。
【 2014年06月02日 08時50分 】