政府与党自民党を顧客に持ち、2ちゃんねるの創設者ひろゆき氏らと協力関係にあるホットリンク社が、自社のウェブページ外で密かに、「ランクチェンジャー」というサービスを供給していることが分かった。このサービスの特色は「プレゼンスを下げたいサイトや企業イメージを損ねるサイトをランクアウトさせる 」ことである。
(ホットリンク社の発表資料より)
ランクチェンジャーは、ホットリンク社のコーポレートサイトにも掲載されておらず、リンクも張られていない、いわば「裏メニュー」にあたる。しかし、同社事業の母体であったガーラバズが電通PRとともに出していたプレスリリース資料の一部に名称が記載がかすかに残っており、この「ランクチェンジャー」というサービス名で調べるとようやくその内容がつかめる。
(2009年の共同通信PRワイヤーより)
なお、サイト下のHOTTOLINKというコピーライトの記載は、テキストではなく画像になっていて「ホットリンク」とサーチした場合の検索エンジンの対象となるのを回避している。ただし、会社情報などのリンクを押すと、ホットリンク社本体へつながる仕組みである。またWHOISという登録ドメイン名の名義人リサーチ機能を用いても、同ウェブサイトがホットリンク社の運営であることが確認できた。
なお、現在のウェブページでは上記画像の通り「結果として」他のサイトの順位が下がったと言う建て前になっているが、運用当初の発表情報は「プレゼンスを下げたいサイトや企業イメージを損ねるサイトをランクアウトさせる 」ということを明示している。通常のいわゆる検索エンジン対策(SEO)である消費者に訴求したいサイトを上位へあげるのは一般的だが、その反対の(逆SEO)下げるサービスを他サイトに対して行なっているのを明言していたのは珍しい。
自社のサービスを積極的に宣伝した結果として「結果的に」他のサイトの順位より上に来てしまったという建て前であったが、このランクチェンジャーは過去のリリースを見ると明示的に「敵を攻撃する」サービスである。つまり都合の悪い声は消してしまうということだ。(一般論だが、このようなサービスは運用方法次第で、偽計業務妨害罪などの成立し得るギリギリのラインと思われる。)
なお、このrankchanger.jpで調査すると他に以下のようなサイトが同一サーバで発見でき、それぞれの登録情報を調べると、いずれもドメイン所有者はHOTTOLINKであった。
このうち、(1) http://e-mining.jp を入れると、ホットリンクのページにジャンプし、(2)http://socialrisk.jpと(3) netrisk.jp もあったからはいずれも、「ソーシャルリスク.jp」のページに飛ぶことになる。ではこれらの不明瞭なビジネス群はいったい何を行なおうとしているのか。