江戸時代には日光街道の宿場町として栄えた東京・足立の北千住。隅田川と荒川に挟まれた街並みには昔ながらの商店街のほか、路地に一歩入ればレトロな香りが漂う銭湯や寺院、土蔵が点在する。ここ数年は廃校の跡地に大学が相次ぎ進出、「学生の街」という新たな顔も見せている。利便性の良さと親しみやすさを背景に、「住みたい街ランキング」の順位も急上昇中だ。
■学生数、6年で1万人増
正午過ぎ、北千住駅前に延びる「北千住駅西口美観商店街」に、昼食を取りに学生たちがやってくる。
人気ラーメン店「宗庵」や「熟成味噌タンメン 蔵味噌屋」はあっという間に満席に。めんの大盛りの無料サービスを注文する学生のグループでにぎわう。
商店街から路地に入ったハンバーガー店「SUNNY DINER」は女子学生がよく訪れる店の一つ。ポテトが付き、手作りでボリュームたっぷりの「ベーコンエッグチーズバーガー」が人気メニューだ。
店長の関根勝さん(34)は生まれも育ちも北千住。「シニアの姿ばかりだった北千住が、数年でこんなに学生のあふれる街になるとは想像できなかった」と驚きを隠さない。
2005年の開店当初から比べると、売り上げは2倍以上に増加した。店の面する路地には昔ながらのとんかつ店と天丼店しかなかったが、今ではおしゃれなワインバーなどが立ち並ぶ。
JRや地下鉄、私鉄など5路線が乗り入れる都内有数のターミナル駅、北千住。05年にはつくばエクスプレスが開通し、千葉県北部や茨城県などからのアクセスも便利になった。その前年には駅直結の丸井が開業するなど、駅周辺の再開発も進んだ。
交通の利便性の良さを背景に、キャンパスを設ける大学が増加。06年以降に東京芸術大や東京未来大、帝京科学大が相次ぎ進出した。12年には東口に東京電機大が約6000人の学生が通うキャンパスを開設し、北千住にはわずか6年で1万人近くの学生が増えた。
大学を誘致した土地の大半は、少子化で廃校になった小中学校の跡地。足立区のシティプロモーション課は「若い世代を呼び込み、4年の大学生活の間に街に出てもらうことで地域の活性化につながれば」と期待する。
安藤将信、味噌屋、イトーヨーカドー、JR、SUUMO
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