「監督とやった4年間をぶつける大会」
自然体の西川周作が見せた確かな自信
2014/6/02 11:20配信 スポーツナビ/スポーツナビ
前回、直前でのW杯代表メンバー入りを逃した西川。ついにつかみ取った本大会への思いを屈託ない笑顔を交えつつ話してくれた【スポーツナビ】
目前に迫ったワールドカップ(W杯)ブラジル大会。日本代表はグループCに入り、日本時間6月15日にコートジボワール、20日にギリシャ、そして25日にコロンビアと対戦する。5大会連続5回目の出場となる日本にとって、今大会はアルベルト・ザッケローニ監督のもとで積み上げてきたものを見せる集大成となる。
ザッケローニ監督就任以降、常に招集メンバーに選ばれてきたGK西川周作(浦和レッズ)はW杯という大舞台にも「ぶれないで自分のスタイルをそのまま継続的にやることと、いつもやっていることを努力し続けることで、最後にチャンスが来た時に力を発揮できると思う」といつもどおり、自然体のスタイルで臨むつもりだ。
西川がそう語るのは監督とともに、積み上げてきたこの4年間に自信があるからなのだろう。「相手がどこでも自分たちのスタイルでサッカーができれば結果はついてくると思う。今までザックさんとやってきた4年間をぶつける大会だと思う」と話す彼に、W杯への思いを聞いてみた。
W杯は「夢の大会」から「勝ちたい大会」へ
――今シーズンから浦和に移籍されて、ご自身の調子やクラブの印象はいかがですか?
(ミハイロ・ペトロヴィッチ)監督も以前一緒にやったことがあり、知っている選手もいる中でスタートしたのですが、僕が浦和に来たのは何かを勝ち取るため。チームのみんなが優勝するんだと思っている意識の高さはすごく感じています。ここまでいい戦いを続けることができていると思いますし、見ている方が面白い、クオリティーが高いと感じるサッカーを浦和レッズはできていると思います。
――W杯前の移籍ということでリスクは考えましたか?
リスクは当然ある中で、自分は試合に出るために移籍しましたし、試合に出なければ意味がないという覚悟で来ました。僕は試合に出て、プレーを続けるということを意識してキャンプでも練習していました。ここまでいい戦いというか、最少失点を意識しながら、自分だけではなくて、みんなが考えながらやってくれているのでチームがひとつになって戦えていると思います。
――W杯前のシーズンですが、盛り上がりなどは感じますか?
広告やテレビだったりで、ザックさんをさまざまな場面で見ますし、いろいろな場所に行っても日本代表を応援してくれているイベントがあって、やっとこの年が来たなという気持ちでいます。
GKとしての強みは「つなげること」
――日本代表のGKはこの4年間、川島永嗣(スタンダール/ベルギー)選手、西川選手、権田修一(FC東京)選手でほぼ固定されています。3人の関係性はいかがですか?
3人ともすごく良い関係で練習もできていて、永嗣さんが練習の時は集中してやっているので自分たちもやらなければいけないという気持ちになりますし、自分たちもやってやろうという気持ちで練習をやっています。ずっと同じメンバーでやっていますけど、なかなかそういうこともないので、いい刺激を受けながらやっています。
――他の二人に比べて、西川選手の強みはどこだと思いますか?
(ボールを)蹴るだけではなく、(パスを)つなげることは自信をもってやっています。チームのやり方もつないでいくスタイルということもあって、代表でも生きていると思います。代表のディフェンスラインも蹴るよりもつなぐ意識の高い選手が多いので、すごくやりやすさを感じます。
――西川選手のポジショニングは他のGKと比べて少し前に出ることが多いですよね?
ポジションを前めにとることで守備範囲を広くしています。そうすると、間延びすることなく、ディフェンスラインの選手たちも背後は周作(に任せる)という感じで守りやすいと思うので、代表でも意識しています。
――ザックジャパンではメンバーをほぼ固定してきましたが、チームとして成熟してきた感覚はありますか?
自分が出場する際には、つなげるところはつなぐようにという話をしています。オランダ戦(2013年11月16日、2−2)でもつなげる場面ではつないで、チャンスに持っていくことが日本の選手たちはできていました。強いチームとの対戦、コンフェデ(コンフェデレーションズカップ)などを戦って感じたのは、後ろからしっかりビルドアップできる部分は学ばなければいけないと思っていましたし、オランダ戦では日本の選手もそれができると感じました。