iPhone大型化は必然? スマホ画面サイズの変遷を可視化

2014.06.02 12:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

140531_phonesize1.jpg


特にこの2年の勢い。

来週のアップルイベント・WWDCを控えて、iPhone 6が大きくなるというもますます盛り上がっています。iPhoneの大型化はやっぱり必然なんでしょうか?

そんな今、Alex Barredoさんが過去7年のスマートフォンのスクリーンサイズの変遷を時系列で分析してくれました。以下は最初にBarredoさんがMediumで書いた記事を、本人許可のもと米Gizmodoが転載した内容です。

***

まず僕は、過去7,000機種以上のスマートフォンやPDA、またはそれに類するガジェットについてデータを集めました。次に初代iPhoneが発表された2007年1月以降にリリースされた4,096機種に分析対象を絞り、近年のスマートフォン市場のトレンドを見てみました。

データはその時点にリリースされたモデルすべてを対象としていて、市場における販売状況やユーザーからの評価を直接反映したものではありません。


スクリーンは大型化している


これは秘密でもなんでもありません。7年前には「巨大」といわれたモデルでも今や「小さすぎ」です。世の中全体が両手でスマートフォンを使うことに慣れつつあり、ソフトウェアもそれに適応しています。

下のグラフは、各月にリリースされたスマートフォンのスクリーンサイズごとの比率を色で表したものです。色が濃いほど大きなスクリーンサイズになっています。


140531_phonesize2.jpg

(c) Alex Barredo,@somospostp


さらに、各月にリリースされたスマートフォンの平均スクリーンサイズを見てみます。


140531_phonesize3.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


平均スクリーンサイズが3インチから4インチに成長するまでには5年を要していますが、現在の5インチになるのには2年しかかかっていないがわかります。


「大きいスクリーン」とは何か


「大きい」スクリーンがどんなものかは個人の好みや手の大きさ、カルチャー、ファッションへの興味などによって違ってきます。でも4.5インチ未満と4.5インチ以上でグラフを色分けしてみると、トレンドがより鮮明になります。


140531_phonesize4.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


過去2年間で、4.5インチ以上のスクリーンに強いシフトがあったのを見てとれます。4.5インチ以上のスクリーン搭載のスマートフォンは、2年前までは10%未満でしたが、現在では新機種の80%近くを占めています。


140531_phonesize5.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


これはメーカーがより細いベゼルでスマートフォンを作れるようになったこと、バッテリー大容量化に対するニーズ、そしてスペック戦争の結果だと思われます。


スクリーンだけではない

スマートフォンのサイズを決める最大の要素はスクリーンですが、ベゼルのサイズも無視はできません。デヴァイスをグリップしたり、ボタンやカメラ、スピーカー、マイクなどを付けたりするために必要なスペースです。物理キーボード付きモデルもまだあり、それらが全体のサイズに寄与しています。

ここ7年間各月のスマートフォン本体の平均サイズをまとめたのが下のグラフです。月ごとに微妙なアップダウンがあり、それを平滑化したのが点線です。全体的には大型化の方向であるものの、初期にいったん小さくなって、その後また大きくなるという経過があったことがわかります。


140531_phonesize6.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


ちなみにタテ軸の参考値として、4インチのiPhoneは72平方cmでした。メーカーは、スマートフォンもガラケーも含めた携帯電話をより小さく軽くしようと努力してきました。が、2007年から2010年にかけてソフトウェアが大きく変化したことで、メーカー側もポケットに入るコンピューターがどうあるべきかを再考するようになったんです。


縮小するベゼル


2、3ヵ月ほど前、代表的なスマートフォン数十モデルのデータを元に、スマートフォン前面面積の何%がスクリーンかを示す以下のチャートを作りました。これによって、従来あまり意識されていなかったスクリーン対ベゼルの比率が明らかになりました。




ベゼルが細くなると、デヴァイスのサイズを大きくせずにスクリーンだけを大きくできます。が、少なくとも今の技術では、ユーザビリティ上最小限のベゼルは必要です。上のグラフをもっと長いスパンで見られるように、過去7年間にリリースされたモデルのスクリーン対ベゼル比の平均値を以下の時系列グラフにしてみました。


140531_phonesize7.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


メーカーごとの違い


スクリーンの大きさという意味では、サムスンが業界をリードしているようです。初代Galaxy Noteには5.3インチスクリーンが搭載されていて、「でかすぎ」とか、ひいき目に見ても「ニッチ」と言われてました。「フォン」と「タブレット」の中間で「ファブレット」という新カテゴリ名までできました。

5.3インチのGalaxy Noteがリリースされたとき、サムスン以外のスマートフォンの平均スクリーンサイズは3.8インチでした。

でもそれから3年経った今、ほとんどのメーカーはファブレットではないフラッグシップ機を5インチ以上のカテゴリで作っています。


サムスンがリード


サムスンは、ホッケーのパックが向かう方向に滑っていったヒーローなんでしょうか? それとも、スパゲッティを壁に投げつけて、何が残るか試してみよう的な考え方だったんでしょうか? よくわかりませんが、データで読み取れるのは「サムスンは市場全体が大型化に向かう前に大きなスマートフォンを作っていた」ということです。

下のグラフは、各月のスマートフォン全体での平均スクリーンサイズ(赤い点線)とサムスン製スマートフォンの平均スクリーンサイズ(青い点線)を比較したものです。


140531_phonesize8.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


サムスンがAndroidスマートフォンを最初に発売したとき、彼らが作る端末のスクリーンサイズは急激に大型化しました。彼らはそれまで、小さなスクリーンの端末ばかり作っていたのに、最初のAndroid機であるI7500のスクリーンは3.2インチで、さらにベゼルも巨大でした。


アップルは後追い


大きなスクリーンが良いとか悪いとかいうわけじゃなく、アップルはスクリーン大型化トレンドにおいては後を追う存在になっています。アップルは市場全体の平均スクリーンサイズが3.2インチだったときに、初代iPhoneの3.5インチスクリーンで参入しました。が、その後4インチスクリーンにしたのは市場平均が4.3インチのときです。つまりアップルは初期にはトレンドをリードしていたのですが、その後抜かされたんです。

下のグラフは、各月のスマートフォン全体での平均スクリーンサイズ(青い点線)とアップルのiPhoneの平均スクリーンサイズ(赤い点線)を比較したものです。


140531_phonesize9.jpg

(c) Alex Barredo, @somospostp


噂についてどうこう言うつもりはないし、アップルが今後どうするかは予想できません。ただ全体的に、アップルはスクリーン対ベゼル比が他社より低い傾向にあります。下のベゼルにホームボタンがあったりするので、スクリーンを大きくすると、同じスクリーンサイズのサムスンやLGといった他社モデルよりも大きく、持ちにくくなってしまうからです。


結論


スマートフォンとそのスクリーンはどんどん大きくなりつつあり、一方ベゼルは縮小しています。今後2年間でこのトレンドがどこに行くかわかりません。が、平均的スクリーンサイズは、5インチ以下に戻るより、5~5.5インチで落ち着く可能性のほうが高いんじゃないでしょうか


Alex Barredo-Gizmodo US[原文
(miho)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Spigen iPhone 5s / 5 ケース ネオ・ハイブリッド [
  • SPIGEN SGP
  • パワーサポート AFPクリスタルフィルム for iPhone5S/5C/5
  • パワーサポート
お知らせ
GIZMODO TEAM
編集長
尾田和実 *
副編集長
松葉信彦 *
編集部(問い合わせ先
瀧佐喜登 *
鴻上洋平 *
鈴木康太 *
河原田長臣 *
嘉島唯 *
satomi
junjun
湯木進悟
そうこ
mayumine
mio
miho
Rumi
mana yamaguchi
たもり
ライター
武者良太
三浦一紀
野間恒毅
小暮ひさのり
奥旅男
KITAHAMA Shinya
塚本直樹
徳永智大
ハイロック
ホシデトモタカ
安齋慎平
デザイナー
前田龍一
広告営業(問い合わせ先
城口智義
津田一成
及川恵利
土井孝彦
碓井真紀
手島湖太郎
山口倫生
広告進行
前山尋美
長老
清田いちる
アイコンアットラージ
小林弘人
infobahn Inc.
パブリッシャー
今田素子 *
* =[mediagene Inc.
サーバ管理
heartbeats
about GIZMODO
ギズモード・ジャパンについて
記事配信中のニュースサイト
Yahoo! ニュース livedoor NEWS MSN デジタルライフ mixi alt="アメーバニュース exciteニュース antenna製品情報および投稿希望者のお問い合わせ

郵送の方は下記宛へ資料等をご郵送ください。

150-0044
東京都渋谷区円山町23番2号 アレトゥーサ渋谷6F
株式会社メディアジーン
Gizmodo Japan編集部宛

広告募集! もし「バナーを出稿しようかな」と思いましたら、こちらをご覧ください!
媒体資料をダウンロード
広告に関するお問い合わせ
どうぞよろしくお願いします!

・関連メディア