iPhone大型化は必然? スマホ画面サイズの変遷を可視化
特にこの2年の勢い。
来週のアップルイベント・WWDCを控えて、iPhone 6が大きくなるという噂もますます盛り上がっています。iPhoneの大型化はやっぱり必然なんでしょうか?
そんな今、Alex Barredoさんが過去7年のスマートフォンのスクリーンサイズの変遷を時系列で分析してくれました。以下は最初にBarredoさんがMediumで書いた記事を、本人許可のもと米Gizmodoが転載した内容です。
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まず僕は、過去7,000機種以上のスマートフォンやPDA、またはそれに類するガジェットについてデータを集めました。次に初代iPhoneが発表された2007年1月以降にリリースされた4,096機種に分析対象を絞り、近年のスマートフォン市場のトレンドを見てみました。
データはその時点にリリースされたモデルすべてを対象としていて、市場における販売状況やユーザーからの評価を直接反映したものではありません。
スクリーンは大型化している
これは秘密でもなんでもありません。7年前には「巨大」といわれたモデルでも今や「小さすぎ」です。世の中全体が両手でスマートフォンを使うことに慣れつつあり、ソフトウェアもそれに適応しています。
下のグラフは、各月にリリースされたスマートフォンのスクリーンサイズごとの比率を色で表したものです。色が濃いほど大きなスクリーンサイズになっています。
(c) Alex Barredo,@somospostp
さらに、各月にリリースされたスマートフォンの平均スクリーンサイズを見てみます。
(c) Alex Barredo, @somospostp
平均スクリーンサイズが3インチから4インチに成長するまでには5年を要していますが、現在の5インチになるのには2年しかかかっていないがわかります。
「大きいスクリーン」とは何か
「大きい」スクリーンがどんなものかは個人の好みや手の大きさ、カルチャー、ファッションへの興味などによって違ってきます。でも4.5インチ未満と4.5インチ以上でグラフを色分けしてみると、トレンドがより鮮明になります。
(c) Alex Barredo, @somospostp
過去2年間で、4.5インチ以上のスクリーンに強いシフトがあったのを見てとれます。4.5インチ以上のスクリーン搭載のスマートフォンは、2年前までは10%未満でしたが、現在では新機種の80%近くを占めています。
(c) Alex Barredo, @somospostp
これはメーカーがより細いベゼルでスマートフォンを作れるようになったこと、バッテリー大容量化に対するニーズ、そしてスペック戦争の結果だと思われます。
スクリーンだけではない
スマートフォンのサイズを決める最大の要素はスクリーンですが、ベゼルのサイズも無視はできません。デヴァイスをグリップしたり、ボタンやカメラ、スピーカー、マイクなどを付けたりするために必要なスペースです。物理キーボード付きモデルもまだあり、それらが全体のサイズに寄与しています。
ここ7年間各月のスマートフォン本体の平均サイズをまとめたのが下のグラフです。月ごとに微妙なアップダウンがあり、それを平滑化したのが点線です。全体的には大型化の方向であるものの、初期にいったん小さくなって、その後また大きくなるという経過があったことがわかります。
(c) Alex Barredo, @somospostp
ちなみにタテ軸の参考値として、4インチのiPhoneは72平方cmでした。メーカーは、スマートフォンもガラケーも含めた携帯電話をより小さく軽くしようと努力してきました。が、2007年から2010年にかけてソフトウェアが大きく変化したことで、メーカー側もポケットに入るコンピューターがどうあるべきかを再考するようになったんです。
縮小するベゼル
2、3ヵ月ほど前、代表的なスマートフォン数十モデルのデータを元に、スマートフォン前面面積の何%がスクリーンかを示す以下のチャートを作りました。これによって、従来あまり意識されていなかったスクリーン対ベゼルの比率が明らかになりました。
How much of your phone is actually screen? pic.twitter.com/JQfSpQi76e
— @somospostpc (@somospostpc) February 11, 2014
ベゼルが細くなると、デヴァイスのサイズを大きくせずにスクリーンだけを大きくできます。が、少なくとも今の技術では、ユーザビリティ上最小限のベゼルは必要です。上のグラフをもっと長いスパンで見られるように、過去7年間にリリースされたモデルのスクリーン対ベゼル比の平均値を以下の時系列グラフにしてみました。
(c) Alex Barredo, @somospostp
メーカーごとの違い
スクリーンの大きさという意味では、サムスンが業界をリードしているようです。初代Galaxy Noteには5.3インチスクリーンが搭載されていて、「でかすぎ」とか、ひいき目に見ても「ニッチ」と言われてました。「フォン」と「タブレット」の中間で「ファブレット」という新カテゴリ名までできました。
5.3インチのGalaxy Noteがリリースされたとき、サムスン以外のスマートフォンの平均スクリーンサイズは3.8インチでした。
でもそれから3年経った今、ほとんどのメーカーはファブレットではないフラッグシップ機を5インチ以上のカテゴリで作っています。
サムスンがリード
サムスンは、ホッケーのパックが向かう方向に滑っていったヒーローなんでしょうか? それとも、スパゲッティを壁に投げつけて、何が残るか試してみよう的な考え方だったんでしょうか? よくわかりませんが、データで読み取れるのは「サムスンは市場全体が大型化に向かう前に大きなスマートフォンを作っていた」ということです。
下のグラフは、各月のスマートフォン全体での平均スクリーンサイズ(赤い点線)とサムスン製スマートフォンの平均スクリーンサイズ(青い点線)を比較したものです。
(c) Alex Barredo, @somospostp
サムスンがAndroidスマートフォンを最初に発売したとき、彼らが作る端末のスクリーンサイズは急激に大型化しました。彼らはそれまで、小さなスクリーンの端末ばかり作っていたのに、最初のAndroid機であるI7500のスクリーンは3.2インチで、さらにベゼルも巨大でした。
アップルは後追い
大きなスクリーンが良いとか悪いとかいうわけじゃなく、アップルはスクリーン大型化トレンドにおいては後を追う存在になっています。アップルは市場全体の平均スクリーンサイズが3.2インチだったときに、初代iPhoneの3.5インチスクリーンで参入しました。が、その後4インチスクリーンにしたのは市場平均が4.3インチのときです。つまりアップルは初期にはトレンドをリードしていたのですが、その後抜かされたんです。
下のグラフは、各月のスマートフォン全体での平均スクリーンサイズ(青い点線)とアップルのiPhoneの平均スクリーンサイズ(赤い点線)を比較したものです。
(c) Alex Barredo, @somospostp
噂についてどうこう言うつもりはないし、アップルが今後どうするかは予想できません。ただ全体的に、アップルはスクリーン対ベゼル比が他社より低い傾向にあります。下のベゼルにホームボタンがあったりするので、スクリーンを大きくすると、同じスクリーンサイズのサムスンやLGといった他社モデルよりも大きく、持ちにくくなってしまうからです。
結論
スマートフォンとそのスクリーンはどんどん大きくなりつつあり、一方ベゼルは縮小しています。今後2年間でこのトレンドがどこに行くかわかりません。が、平均的スクリーンサイズは、5インチ以下に戻るより、5~5.5インチで落ち着く可能性のほうが高いんじゃないでしょうか。
Alex Barredo-Gizmodo US[原文]
(miho)
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