日本の長崎県と対馬市が、対馬に博物館を建設し、島内の主な文化財を一カ所に集めて管理する計画を決めた。2012年10月に韓国の文化財窃盗犯らが対馬の寺社から仏像2体を盗んで韓国に持ち込むという事件が起きたため、二度とこのような事態が起きないよう管理を厳重にするというわけだ。
長崎県と対馬市は、現在対馬市役所近くにある「県立対馬歴史民俗資料館」(述べ床面積1000平方メートル)を建て替えて拡張整備し、19年末に新しい博物館を完成させる計画だという。日本経済新聞が1日付で報じた。新しい博物館は、島内各地の寺社や個人が所有している仏像、陶磁器、その他の各種文化財を委託管理する。
対馬には貴重な文化財が多く、国の重要文化財に10点、長崎県の有形文化財に26点が指定されている。対馬がかつて韓日の主な交易窓口だったため、韓国の文化財も140点余り残っている。
12年の対馬仏像盗難事件以降、日本国内では「対馬の寺社や住宅は無人になっている例が多く、防犯も手薄になっている」との指摘が出ていた。対馬市は近く、文化財を所有している寺社や個人に対し、文化財を博物館に預けるよう呼び掛ける予定だ。
一方、韓国では昨年2月、窃盗犯によって韓国に持ち込まれた仏像について「日本に流出した経緯を確認するまでは、仏像を返還すべきではない」との裁判所の決定が出た。このため、韓国に持ち込まれた「浮石寺・観世音菩薩坐像」と「銅造如来立像」は現在、日本に返還せずに韓国の国立文化財研究所が保管している。