原爆で父親が被爆し、戦後早い時期に生まれた被爆2世に、白血病が発生する危険性が高いことが、広島の研究者の調査で明らかになりました。
これは、1日に長崎市で開かれた原爆の影響に関する研究会で、広島大学の鎌田七男名誉教授が報告しました。
鎌田名誉教授は、広島県内の11万9000人あまりの被爆2世のうち、白血病になった54人について、その兄弟と生まれた時期などを比較調査しました。その結果、父親が被爆し、被爆後早い時期に生まれた被爆2世に白血病が発生する危険性が高いことがわかりました。
広島、長崎の放射線影響研究所などは、原爆の遺伝的影響はこれまでのところみられないとしており、遺伝的影響の可能性を示した今回の研究結果は極めて注目されます。
「我々の50年の調査結果から、(遺伝的影響が)ないとは言えないのではないかという感触」(広島大学 鎌田七男名誉教授)
鎌田名誉教授は、原爆の遺伝的な影響を解明するために、今後、更なる研究が必要としています。(01日17:33)