第８１代ダービー馬はワンアンドオンリー／横山典弘騎手は２度目のダービージョッキーに、橋口弘次郎調教師は初のダービートレーナーに（2014.6.2）

１日（日）の東京１０Ｒ日本ダービー（Ｇ１）は、
大方の予想通り、エキマエ（１３番人気）がハナに立つ展開に。
しかし、意外だったのは続く２番手のポジションを
トーセンスターダム（５番人気）が奪った点。
イスラボニータ（１番人気）はその直後の３番手でレースを進めた。

１０００メートル通過は５９秒６。
エキマエの逃げは後続をやや突き放すような形となった。
そのエキマエに３コーナーでアクシデントが発生。
故障を発症し、ズルズルと後退してしまう。
（レース後、右寛跛行との診断結果が発表された）
レースは、代わりに浮上したトーセンスターダムを先頭に、
４コーナーから最後の直線における攻防へ。

直線の坂でトーセンスターダムをイスラボニータが交わして先頭へ。
「イスラボニータ２冠達成か」と思われたが、
この日は５番手でレースを進めたワンアンドオンリー（３番人気）が直後でマーク。
馬群から抜け出そうとするイスラボニータを捕まえて並びかける。
残り２００メートルのハロン棒を過ぎた地点では、この２頭の叩き合いに。
しかし、仕掛けのタイミングを遅らせた分だけ、
手応えはワンアンドオンリーの方が上だった。
最後はワンアンドオンリーがイスラボニータに３／４馬身差をつける形でゴール。
勝ちタイムは２分２４秒６（芝２４００メートル）。
ワンアンドオンリーの鞍上・横山典弘騎手は、
ロジユニヴァースで制した２００９年に続く、２度目のダービー制覇となった。
一方のイスラボニータに騎乗の蛯名正義騎手は、
あと一歩のところでダービージョッキーの座を逃した。
３着には馬群の内側から鋭く伸びたマイネルフロスト（１２番人気）が浮上。
トゥザワールド（２番人気）は最後の直線で外を回った分のロスが影響し、５着に敗れた。
また、２００７年のウオッカ以来となる、
牝馬によるダービー制覇を目指したレッドリヴェール（４番人気）は
レースの流れに乗り切れず４着。
意外な先行策となったトーセンスターダムは
最後の直線でイスラボニータに交わされた直後にヨレて、
内ラチに接触、１６着と大敗した。

勝ったワンアンドオンリーはハーツクライ産駒の３歳牡馬。
同馬を管理する橋口弘次郎調教師（栗東）は、
今回が１８回目、延べ２０頭目のダービー挑戦で、ダービー初制覇となった。
ワンアンドオンリーの父ハーツクライも同調教師の管理馬として
２００４年の日本ダービーに出走し、２着に敗れている（優勝はキングカメハメハ）。
ワンアンドオンリーが昨年のラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓ以来となる、
２つ目の重賞タイトルがＧ１タイトルとなった。
今年の弥生賞では２着、皐月賞では４着にそれぞれ入っている。
通算では３勝目。