社会
横浜大空襲から69年 大通り公園祈念碑で遺族ら手を合わせ
横浜大空襲から69年を迎えた29日、横浜市中区の大通り公園にある平和祈念碑で、内部に納められている石の銘板が特別公開された。銘板には約千人の犠牲者名が刻まれており、遺族や高校生、小学生らが次々と訪れて、手を合わせた。
父を亡くした女性(88)=横浜市南区=は、刻まれた父の名前にそっと手を触れた。自身も桜木町駅のそばで空襲に遭い、父の遺体は見つからなかった。「多くの犠牲の上に、今の平和がある」と涙ぐんだ。
近くにある市立横浜商業高校の生徒約20人や市立南吉田小学校の3年生約90人も銘板の前で手を合わせた。
祈念碑を管理する横浜戦災遺族会の池谷倫代会長(59)は「今年は多くの若い人が訪れてくれた。戦争の悲惨さ、平和の尊さを次世代に伝えていきたい」と話していた。
横浜大空襲は1945年5月29日午前9時20分ごろから約1時間、米軍のB29爆撃機517機により約43万9千発の焼夷弾が投下され、県のまとめでは死者3650人、負傷者は1万198人。ただ実態は不明で、犠牲者は8千人以上ともいわれている。
【神奈川新聞】