総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 阿部界 代表取締役)は、2013年9月から10月にかけて、化粧品の国内市場を販売チャネル別に調査・分析した。 この調査では、化粧品店・薬局・薬店やドラッグストア、量販店、百貨店、バラエティショップ、コンビニエンスストア、訪問販売、通信販売に加え、新たに通信販売直営店、ライフスタイル提案型ブランド、ホームセンター、ディスカウントストア、コスメセレクトショップについてチャネル別に分析するとともに、各チャネルで展開される注目度の高い45ブランドの事例分析を行った。 その結果を報告書「化粧品チャネル別マーケットトレンドデータ 2013-2014」にまとめた。
◆調査結果の概要
チャネル別化粧品市場
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2013年見込 |
12年比 |
| ドラッグストア |
6,809億円 |
102.5% |
| 通信販売 |
3,075億円 |
100.9% |
| 量販店(GMS・SM) |
2,874億円 |
101.0% |
| 化粧品店・薬局・薬店 |
2,262億円 |
98.3% |
| 訪問販売 |
2,058億円 |
99.4% |
| 百貨店 |
1,870億円 |
101.5% |
| ライフスタイル提案型ブランド |
600億円 |
102.4% |
| コスメセレクトショップ |
65億円 |
125.0% |
| 業務用 |
1,803億円 |
102.2% |
| その他 |
1,833億円 |
100.1% |
合計 |
2兆3,249億円 |
101.2% |
国内化粧品市場
2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災などにより厳しい状況が続いていた化粧品市場だが、2012年、2013年と経済環境も上向き、高価格帯商品の需要回復がみられたことから、2年連続1%増が見込まれる。2014年には消費税の増税によって高価格帯商品も含め買い控えが懸念され伸びが鈍化するとみられるが、リーマンショック以前の2007年の水準まで市場は回復すると予測される。
化粧品市場では1990年代後半以降、ブランドをチャネルごとに展開し、顧客を獲得する戦略が主流であったが、百貨店ブランドのオンライン通販やコスメセレクトショップへの展開、訪問販売メーカーによる百貨店カウンターやオンライン通販の展開など、ボーダレス化が進んでいる。チャネルを横断した展開が広がることで、カウンセリング、セルフを問わず、集客に向けた販売員の教育や顧客の取り込みに向けた施策が重要となっている。
◆注目チャネルの化粧品市場
構成比が最も高いドラッグストア(2012年29%)は、価格訴求の強いチャネルであるが、セルフ・トイレタリーブランドの高機能化によって低価格品の需要が安定していることから拡大を続けている。長らく低迷が続いていたマス向けカウンセリングブランドも2013年は下げ止まりつつあり、またヘアケアやボディケアでは特定チェーン限定ブランドや、ノンシリコンなど機能を訴求した商品の増加によって市場が活性化し、2013年は前年比2.5%増が見込まれる。店舗数の増加も続いていることや、食品や雑貨など品揃えを強化することで顧客の来店頻度アップと“ついで買い需要”を獲得しており、今後も拡大が続くと予想される。
次いで構成比の高い通信販売(2012年13%)は、2011年の震災直後に宣伝を自粛した影響で一時的に縮小したが、2012年には反動で拡大に転じた。全国規模での小売店への展開が難しい中小企業などがインターネットを主力とした通信販売から参入するケースが増加しており、2013年も引き続き拡大が見込まれる。目新しさなどから急速に需要を獲得する商品も多いが、店舗販売で類似品が値ごろ感のある価格で発売されリピート需要に繋がらないという課題もある。また、上位企業を中心に新規需要の取り込みに苦戦するケースもみられ、購入単価アップに繋がる+α機能などの開発、新たな媒体によるプロモーションの強化などが重要となっている。
量販店は制度品メーカーのカウンセリングブランドで苦戦している。一方、セルフ・トイレタリーブランドではチェーンオリジナル商品の展開などで需要を獲得しており、チャネル全体としては2012年以降拡大に転じている。とはいえ、ドラッグストアと競合しており明確な差別化が必要となっている。
化粧品店・薬局・薬店(ドラッグストア除く)は化粧品市場の主翼を担ってきたが、セルフブランドの台頭や、ドラッグストアや量販店でのカウンセリングブランドの取り扱い増加により、市場縮小が続いている。特に化粧品店は個人経営が多く、後継者不足から廃業する店舗も多い。近年では来店頻度アップや新規顧客獲得策としてエステサービスを展開する店舗が増加しており、有効な手段として注目されている。
訪問販売は、ポーラやノエビアなど国内系メーカーが高価格帯ブランドを重点ブランドとして展開し、新たな需要の取り込みを行っている。しかし、販売員の人員が増えていないことや、消費者の購入スタイルが多様化していることで市場は縮小している。
百貨店は、リーマンショック以降集客力が低下していたが、2012年の後半から高価格の美容液やクリームに対する需要が回復し、2012年は拡大に転じた。2013年は本格的に集客が回復していることや、外資系ブランドがTVCMを積極的に投下したことで新規顧客のカウンターへの呼び込みが進み、拡大が見込まれる。また百貨店ブランドや百貨店企業によるインターネット通販も活発化しており、今後さらにインターネット通販の導入が進んでいくと予想される。
ライフスタイル提案型ブランドは、ライフスタイル提案型ブランドが展開する直営店やFC店を対象とする。「ロクシタン」「ラッシュ」など先発ブランドの店舗数増加は緩やかだが、「マークスアンドウェブ」「サボン」など後発ブランドは直営店の出店を加速させており、市場拡大をけん引している。ライフスタイル提案型ブランドは、20〜30代の女性が中心であるが、ブランド育成には中高年層や男性層の需要開拓も必要となっており、直近では男性向け店舗の展開もみられる。
コスメセレクトショップは、オーガニックやナチュラルコスメへの関心が高まる中でコスメキッチンが目新しい店舗として広がっていることや、2011年以降イセタンミラー メイクアンドコスメティクスをはじめとする百貨店企業によるセレクトショップが相次いで登場したことで活性化が図られている。新たな化粧品販売チャネルとして注目されるが、百貨店系のコスメセレクトショップは、まだ認知度が低いことや、百貨店カウンターとの差別化、回遊顧客の取り込み、2回目以降の来店につなげることの難しさなどが課題として挙がっている。
その他には、コンビニエンスストア、通信販売直営店、バラエティショップ、ホームセンター、ディスカウントストアなどが含まれる。コンビニエンスストアは縮小が続くが、通信販売直営店、バラエティショップ、ホームセンター、ディスカウントストアは2013年、拡大に転じると見込まれる。
◆調査対象
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| チャネル動向 |
化粧品店・薬局・薬店、ドラッグストア、量販店(GMS・SM)、百貨店、訪問販売、通信販売、通信販売直営店、バラエティショップ、コンビニエンスストア、ライフスタイル提案型ブランド、ホームセンター、ディスカウントストア、コスメセレクトショップ |
| 国内化粧品グループのチャネル戦略 |
資生堂グループ、花王グループ、カネボウグループ、コーセーグループ |
| 注目ブランドケーススタディ |
クレ・ド・ポー ボーテ、SHISEIDO、アクアレーベル、イプサ、アユーラ、Za、トワニー、フレッシェル、RMK、コスメデコルテ、ジルスチュアート、エレガンス、レ・メルヴェイユーズ・ラデュレ、SK-II、ランコム、イヴ・サンローラン、キールズ、メイベリン ニューヨーク、エスティ ローダー、クリニーク、クリスチャン・ディオール、ジバンシイ、シャネル、クラランス、BA、オルビス、ファンケル、DHC、ドクターシーラボ、ラフィネ、プロアクティブ、アスタリフト、マキアレイベル、エファージュ、ロクシタン、ラッシュ、無印良品、サボン、ニールズヤード レメディーズ、肌研、専科、潤<うるり>、素肌しずく、レブロン、K−パレット |
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