ウオッチング・メディア

鮮魚ビジネス、都心にも海外にも商機あり!ITの導入で魚の流通に起きているイノベーションとは

2014.06.02(月)  志村 一隆

いまは暗渠になってしまった日本橋箱崎川。戦後しばらくは、この川にアサリを売りに来る舟の行商があったそうな(川上美穂子随筆集「わすれみず」収録の中州十三番地)。

 そんな日本橋の一角、水天宮裏の蠣殻町(かきがらちょう)に、いまでも魚屋が1軒ある。おじいさんが買った魚をさばいてくれるような、昔ながらの魚屋さん。

 人形町界隈で魚を買うには、ここか高層マンションの1階にあるイオン系列のスーパーに行くしかない。

 ところが、このあたりのお魚は、結構美味しいのだが高い。例えば、いまよく出回っている愛媛の養殖の鯛が1柵1300円くらいする。同じ愛媛産の鯛が、千葉市のスーパーだと500円。

 鮮度や味などが違うのかもしれないが、場所によってこれだけ値段が違うとは知らなかった。

いすみ市大原漁港での落札額が・・・

 魚の流通をもっと知りたくなり、快晴の5月のある日、千葉外房のいすみ市大原漁港にお邪魔した。ちょうど競りの真っ最中。今朝の獲物は、キントキダイ、ハナダイ、イシダイなどなど。

 仲買人が年季の入った二つ折りの木札にキロ当たりの入札額を記入し、屋号を表にして壁に掛ける。その木札が開封され、最高額を付けた仲買人が落札する。

 この日、キントキダイの落札額は590円強だった。ネ…
Premium Information
楽天SocialNewsに投稿!
このエントリーをはてなブックマークに追加

バックナンバー

Comment

アクセスランキング
プライバシーマーク

当社は、2010年1月に日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より、個人情報について適切な取り扱いがおこなわれている企業に与えられる「プライバシーマーク」を取得いたしました。

Back To Top