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AKB襲撃1週間 動機の解明が最大の焦点

 岩手県滝沢市の岩手産業文化センターアピオで、アイドルグループ「AKB48」のメンバー2人がのこぎりで切りつけられた事件は1日、発生から1週間となった。殺人未遂容疑で逮捕された十和田市三本木、無職梅田悟容疑者(24)は岩手県警の調べに「誰でもいいから殺そうと思った」と供述している。なぜ国民的アイドルを標的に凶行に及んだのか、動機の解明が最大の焦点になっている。
 県警によると、梅田容疑者は「かなり前からいらいら感が募っていた。たまたまAKBの握手会を見つけ、犯行場所に選んだ」と供述している。
 凶器の折り畳み式のこぎりの背の部分にはカッターナイフの刃を張り付けていた。殺傷能力を高める狙いがあるとみられ、計画性がうかがえる。
 切りつけた川栄李奈さん(19)と入山杏奈さん(18)に関しては「名前は知らなかった」と話し、反省を示すような言葉はないという。
 ある捜査幹部は「誰でもよかったというが、なぜAKBの握手会なのかは疑問が残る。何か因縁があったのかもしれない。犯行に至ったきっかけの解明を急ぐ」と話す。
 梅田容疑者をよく知る関係者は「昨年5月、大阪の警備会社を辞め、十和田市の実家に戻ってきた。精神的に落ち込んだ様子だった。何か心にため込んでいたのかもしれない」と明かす。実家に戻った後、地元の警備会社のアルバイトを始めたが続かず、ことしに入り自宅で過ごすことが増えたという。
 県警は凶行に駆り立てた心理的背景に、生活上のいらいら感やストレスが深く関係しているとみて、犯行に至る過程を調べている。
 別の関係者は「(梅田容疑者は)高校時代にいじめに遭って以降、人とコミュニケーションを取るのが苦手になった」と振り返る。大阪の警備会社時代に精神的に不安定になり、不定期に精神科を受診していたという。
 複数の関係者によると、盛岡地検は梅田容疑者の刑事責任能力の有無を調べるため、鑑定留置を視野に入れながら慎重に調べを進めている。

◎AKB劇場あす再開

 AKB48の本拠地、東京・秋葉原のAKB48劇場の公演が2日から再開されることが決まった。同グループの公式サイトで31日、発表された。
 AKB48の運営会社によると、安全確保のため、金属探知機による検査などを導入するという。滝沢市で開かれた握手会でメンバーらが切りつけられた事件の影響で、AKB劇場は5月26日から休館していた。


2014年06月01日日曜日

関連ページ: 岩手 社会

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