released 01 June 2014
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
MIKU-HOPの誕生
　2014年3月20日、VOCALOIDおよびその他歌声合成ソフト（以下、VOCALOIDと総称する）を用いたヒップホップ調の作品およびその文化を表す言葉として、「ミックホップ（MIKU-HOP）」が提唱された。
　VOCALOIDによる楽曲が数多く投稿されている動画投稿サイト「ニコニコ動画」では、各作品に音楽のジャンルを表すタグを付けるのが一般的となっている。例えば、Jazz風の作品を表す「VOCAJAZZ」など、ニコニコ動画内で独自のジャンルタグが存在している。
　ジャンルタグは数多く存在しているが、HIP HOPを表すタグは「ミックホップ」タグが誕生するまでは存在していなかった。その理由として、VOCALOIDにラップをさせた作品を表すタグ「ボカロラップ」が以前から存在していたことなどから、ごく少数派であった本格的なヒップホップミュージックはその範疇に無理やり収められてしまっていたと考えられる。しかしながら、ヒップホップミュージックはラップのみならず、サンプリング、ブレイクビーツなど様々な要素も含んでいる。このような、ボカロラップのタグではカバーしきれないヒップホップの影響を受けた楽曲や作品をフォローするため、ミックホップが提唱されたのである。
　この『MIKU-HOP EP』は、現在ニコニコ動画に投稿されている約200曲のミックホップ作品の中から5曲を厳選し、収録したものである。90sのメロウなヒップホップを彷彿とさせるもの、Jazzネタによるブレイクビーツ、ラップの手法を追求したものなど、多彩で自由度の高さを感じさせる作品が多いのが印象的だ。この5曲だけでも充分にミックホップの魅力を感じられると思うが、より深く知りたい方はニコニコ動画で「ミックホップ」というキーワードで検索してほしい。
　VOCALOIDとヒップホップという無限の可能性を感じさせるこの2つは一体どのようなものを創り出すのか。この『MIKU-HOP EP』および今夏～秋リリース予定の『MIKU-HOP LP』から、何かを感じ取って頂けたら幸いである。
しま