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「黒いピラミッド」存在感増す除染廃棄物 福島・川俣町

ピラミッド状に積まれた除染廃棄物の山。避難住民は、除染の進み具合を複雑な思いで見詰めている=福島県川俣町山木屋地区

 福島第1原発事故で住民が地区外で避難生活を送る福島県川俣町の山木屋地区で、除染廃棄物の山が日に日に存在感を増している。山中に出現した「黒いピラミッド」は除染が進んだ証しだが、「帰還する気がなえる」という声もあり、避難住民の胸中は複雑だ。
 山木屋地区では2013年4月、本格的な除染が始まった。中山間地で平地が限られているため、主な仮置き場は地区を東西に横切る国道114号沿いの水田が選ばれた。
 除染廃棄物を入れた黒いフレコンバッグは5段積みにされ、高さは5メートルに達する。限られたスペースを有効活用するアイデアが、かえって存在を際立たせる。
 約1200人の避難住民をまとめる山木屋地区自治会長の広野太さん(64)は「山から水を引いて飲料水にしている家が多く、仮置き場はできるだけ低地に、となると水田しかなかった。とにかく除染を急いでほしい」と訴える。
 環境省福島再生事務所によると、除染は15年度末までに終わる予定。除染廃棄物の総量は約58万6000トンに上る。


2014年05月28日水曜日

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