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2014-05-31

『がをられ』 8話のヘンリエッタスタンス

彼女がフラグをおられたら』8話に衝撃を受けた小話。いや、衝撃を受けたというよりは懐かしい記憶が一瞬にしてフラッシュバックしたとでも言った方が正確だと思うのですが、まぁそれも一言で言ってしまえば凄く 『GUNSLINGER GIRL』 だったなぁという帰結に落ち着くのだと思います。

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調べた限りでは何か特筆した繋がりがあるようにも思えないこの両作品ですが、このほぼ同アングルからのP90による連射シーンを観れば必然とそのカットは重なり、もはや 「リスペクトなのでは?」 とまで、つい考えてもしまいたくなるというもの。

それこそ今話の絵コンテ演出は佐藤光さんでしたが氏の経歴を見てみると、ガンアクションものは 『緋弾のアリア』 3話と 『けんぷファー』 2話の各演出くらいでしたので、ともすればもしくはアニメーターの方が (意識的にかどうか) アドリブであのモーション描かれたのかも...なんて妄想してみたりするのもまた一興かなと。

敵からの侵攻を受け構えてからのしゃがみ込みと、そこから発砲するまでのこの流れるような動き。原作である小説、または脚本、それからコンテ、原画等どの段階でこういうポージングに決まったのかはそれこそ定かではありませんが。ただそれでも等身的に少しデフォルメされた 『がをられ』 キャラと、まだ幼少であったヘンリエッタがこの短機関銃を構えるとこうも絵的に均衡がとれ型に嵌るのだなぁと、それぞれのキャラクタ−デザインの塩梅にはもう感心し切りでしたし、またそれが意図的なオマージュにせよ、そうではない偶然の産物にせよ、この片膝挙げて機銃を連射するシーンには凄く心惹きつけられるものがあって、もう本当に堪らないなぁなんて思わされました。

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また次点カットは真逆のアングルながら躍動感と徹底さが溢れる手ぶれショット。この辺りは “何を” 視せたいかでそのカメラの向きも変わってくるのではないかと思います。

所謂、モブキャラ側の主観から敵の状況を映していくのか、もしくは主役である人物の内面をそのワンシーンから抜き取るのかという一つの選択。それこそ8話Bパートのアクションは凄く良い感じな格好良いシーンに仕上がっていたとも思うのですが、それでもそこはあくまで前菜というか、物語の主役では決してないし、それこそ監督が以前語られていたようにこの作品の主軸は主人公とそれを取り巻くヒロインたちにこそあるので、そこ(ようは、アクションシーン) がこの話数の全てにならないような映像としてのセーブは意識的に掛けていたのではないかなとは思います。

ドラマの部分をしっかり描きたいという思いがあったんですよ。原作の竹井(10日)先生からも、ひとりの男の子とそれをめぐる女の子たちのドラマとして描いてほしいという要望があって、僕自身もそうしたところに強く惹かれていたものですから。

『彼女がフラグをおられたら』渡辺歩監督インタビュー「意味ある存在として、少女たちの魅力を描きたい」


それこそ件の名作 『GUNSLINGER GIRL』 だってあの1話の衝撃的なガンアクションを魅せつけておきながら主題は多分、そこにはなかったし、きっとそれは彼女の内面にこそあったわけで、だから彼女たちはあの最終話において儚げに星空を見上げたのだと思うんです。だから 『がをられ』 だって多分そうで、この物語だってきっとそういう結末を辿っていくはず。アクションシーンも、お色気シーンも、この作品においては楽しさや面白さの一部分ではあるけれど、それらは決して主役になることはないという制作側の作為的な仕掛け。

少女たちの存在がより感じられるような、意味ある存在として魅力を描ききれればなと。そうした意図で、エロティックな描写に頼らなかったところはあると思います。~中略~ 瑣末なことを言ってしまうと、沢山肌色をみせるより、そっちの方向でいきたいなってことですね。


ただまぁそうは言っても、どうしたって光り輝いてしまう一瞬の輝きというか、ワンアクションから、ツー、スリーアクションと、ものの見事に私を魅了してくれたこの鮮烈なまでのアクションシーンは相当に格好良くキレキレに決まっていたと思いますし、本作品の中においてはかなり印象深いシーンとなって私の胸に刻み込まれてしまったようではありました。

それこそこれからは、逆に『GUNSLINGER GIRL』 を観直しては 「『がをられ』 って作品があってね」 なんて思い出すこともあるのでしょうし、そういう些細なポイントから作品を繋げていってしまえるのも楽しかったりするのだから、アニメって本当に面白いなって。いや、まぁそれはどんな趣味にも言えることなのかも知れませんが。

でもこういう繋がりから、こういう形をもって好きなアニメにまで想いを馳せられる瞬間って、なんだか凄く嬉しい気持ちが込み上げてきませんか?―― 私は、凄く嬉しいです。だからやっぱり面白いなって思います。だからアニメって良いなって、心からそう強く思えます。大袈裟かも知れませんが、今こうして久々に 『GUNSLINGER GIRL』 を観返すことが出来ているのも 『彼女がフラグをおられたら』 のお陰ですし、「アニメ視聴ってほんと巡り合わせだなぁ」 なんて、改めてそんな風に思えた瞬間でもありました。ヘンリエッタに感謝。

Gunslinger Girl: Complete Series With Ova [DVD] [Import]

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