子どもって、オムツを替えさせてくれない、ご飯をちゃんと食べない、ってところから始まって、おもちゃを片付けない、静かにしていられない、宿題をやらない、などなど、なかなか思い通りに行動してくれません。
親は子どものやる気を出そうと思って、やってほしいことができたときに「よくできたね!」なんてほめることもありますよね。
しかし、アメリカで子育てについて著作活動をしているケリー・バートレットさんは、「ほめるだけでは、親の評価に依存する子になってしまう」と指摘しています。
バートレットさんは、「親の基準を気にするのでなく、子ども自身が自分の行動の良し悪しを判断できるようにすること」が重要だとしています。
そんなバートレットさんによる「子どもを励ますための5つのフレーズ」はFacebookで6万回近くシェアされ、多くの人の共感を呼びました。どんなフレーズなのか、以下にご紹介していきます。
■1:「ありがとう」
子どもが何か良いことをしてくれたときはまず感謝を表すべき、とバートレットさんは書いています。「ありがとう」に限らず、「助かったよ」といったように感謝を伝え、子どもの行動が家族に貢献できると示すんです。
「ありがとう」と「よくできたね」の違いは、前者は親の気持ちだけなのに対し、後者には「親が”良い”と思った」という評価が入っていることです。
「ありがとう」と言えば、親の評価を伝えなくても、子どもは自分の行動が良いことだったんだと理解してくれるはずです。
■2:「やったね!」
こちらは子どもが何らかの目標を達成したときの言葉です。バートレットさんによれば、結果よりも過程にフォーカスして、「がんばったね」などと言うのが良いそうです。
たとえばサッカーの試合に勝ったとき。「勝てて良かったね、上手だったよ」と結果の話をするよりも、「あきらめないでがんばったね!」と過程に寄り添う言い方の方がオススメなんですね。
■3:「ママは聞いてるよ」
子どもが何かを伝えようとしているとき、単に「聞いてるよ」と言葉で言うだけでなく、まずは子どもの言葉を聞いてあげる、ということです。そして子どもが言ったことを反復して、確認してあげるんです。
また、「どうしようと思う?」といったイエス・ノーではない問いかけや、「怖かったんだね」といった共感の言葉も大事だとバートレットさんは書いています。
親が子どもの話をしっかりと聞くことで、子どもは安心するし、前向きな気持ちになってくれるんですね。
■4:「泣いてもいいんだよ」
子どもだって悲しい、腹立たしい、怖いといった、ネガティブな感情をたくさん持っていますよね。そして子どもにとっては、そんな感情も含めて親が受け止めてあげると示すことが重要、とバートレットさん。
ネガティブな感情が決して間違いではないことを伝えてあげるためには、「あなたには怒る権利があるんだよ。わかるよ。ママだって同じ立場ならすごく怒ってたと思う」「すごく悲しいの、見てわかるよ。それでいいんだよ」といった言い方の例があげられています。
親が子どもの感情を受け止めることで、子ども自身も自分の感情を受け入れられるようになるんです。
■5:「信じてるからね」
子どもが何か課題に取り組んでいるとき、ついつい答えを教えたくなってしまいます。でもなるべく、子どもが自分の力でそれを解こうとすることが大事です。
「自分で解決できるって、ママにはわかってるよ」「きっとできるって信じてるよ」といった言葉がそれを後押しします。「子どもを信じて、本人に判断させることで、子どもを力づけることができるんです」とバートレットさんは書いています。
以上、子どものやる気を引き出す5つの言葉でした。「ありがとう」など、普段何気なく言っていた言葉もあることでしょう。
でも、「評価を伝えるのではなく、自分自身で判断できる力を養う」ことを意識すれば、同じ言葉でも伝わり方が変わってくるかもしれません。子どもの育つ力を信じて、それを引き出してあげたいですね。
【参考】
※ 5 Phrases to Inspire and Encourage Your Child - green child magazine