“ヘルシー油”でも要注意!ビタミンEの特定成分が肺機能低下につながるリスクあり

2014年05月30日 10時00分

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shutterstock
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健康に気を配って食材や調味料を厳選している人に、注意してほしいニュースが米国から届いた。”ヘルシー”とされている食用油に含まれるビタミンEの摂取で、喘息など肺機能を低下させる症状を招く可能性があるというものだ。

米国ノースウェスタン大学の研究によると、菜種(キャノーラ)油やコーン油、大豆油に含まれるビタミンE(γトコフェロール)の摂取量が増えるほど、肺機能が悪化するのだという。

γトコフェロールの摂取が多いほど…

 研究では、4500人を対象に20年の間に4回肺機能検査を、そして15年間に血液検査を3回行った。それによると、血漿に含まれるγトコフェロール量が多いと、肺機能が10〜17%落ちることがわかった。

研究を主導した、アレルギー免疫を専門とするJoan Cook-Mills氏は「10%の肺機能低下というと、喘息状態と同じ」と話す。

オリーブオイルは肺に好影響

米国では、40年ほど前からバターやラードに代わってキャノーラ油やコーン油が頻繁に使用されるようになった。

その結果、米国人の血漿に含まれるγトコフェロール量は、オリーブオイルなどを多く消費するヨーロッパの国々の人の4倍以上になったという。

同じビタミンEでもαトコフェロールを多く含むオリーブオイルやヒマワリ油では、まったく逆、つまり肺機能に好影響を与えることがこれまでの研究でわかっている。

米国の喘息罹患率が上昇中

連邦防疫センターのデータによると、米国で喘息を患う人の数は増え続けていて、2010年の喘息罹患率は8.4%にまで上昇。

Cook-Mills氏は「もし使用する油をαトコフェロールを多く含むタイプに変えたら、米国だけでも450万人の肺機能疾患を改善することができる」と話している。

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