軍事通信技術では、
テレパシー通信は既に実用化しており、
最近、米軍が機密を解除しています。
例えば、下記のネット記事に、
ブレイン・マシン・インターフェースを使って、
テレパシー通信が可能であることが記載されています。
雑誌: Wired 2008年8月25日号
著者: Noah Shachtman
記事: 「合成テレパシー」の開発:思考をコンピューター経由で伝達
ウェブアドレス:
テレパシー通信は、ブレイン・マシン・インターフェースを利用した
マイクロ波通信であり、パルスレーダー技術を通信技術に応用しています。
テレパシー装置のしくみは、米軍が別途機密解除しているのですが、
脳波を計測する部分、
脳波を頭部に送信する部分、
フィードバックする脳波信号を制御するコンピュータに分けて
説明します。
1 脳波計測
例えば、東芝が下記の特許出願をしていますが、
この装置は、マイクロ波を使って、
離れた場所から、ターゲットの脳波
(正確には、脳のニューロンの活動電位)を計測できます。
特許出願番号: 特願2006−18634
公開番号: 特開2007−195779
発明の名称: 脳内神経活動検出装置、
それを用いた脳機能診断装置及び
思考映像表示装置
特許出願日: 2006年1月27日
出願公開日: 2007年(平成19年)8月9日
東芝が出願している装置は、
米国特許3951134号の改良であり、
米国特許3951134号の装置も、
マイクロ波を使って、
離れた場所からターゲットの脳波を計測できます。
米国特許3951134号は、1976年に特許が成立しており、
1974年に出願されています。
自動追跡レーダー技術を応用して、
離れた場所から脳波を計測できるのです。
この計測には、高度なマイクロ波センサーを使います。
2 思考解読
更に、脳波(正確にはニューロンの活動電位)から
思考を解読することができます。
例えば、スタンフォード大学と南カリフォルニア大学の共同研究グループが、
脳波を計測することにより、
耳から聞いた英単語を解読することに成功しており、学術論文に発表しています[1]。
同じ共同研究グループが、脳波を計測することにより、
耳から聞いた文章を解読することに成功しています[2]。
[1] Proceedings of theNational Academy of Sciences
December 23, 1997 vol. 94 no. 2614965-14969
”Brain wave recognition of words”
Patrick Suppes*†, Zhong-Lin Lu‡, and BingHan*
*Center for the Study of Language andInformation,
Stanford University, Stanford, CA 94305;and
‡Department of Psychology,
University of Southern California,
Los Angeles, CA 90089
[2] Proceedings of theNational Academy of Sciences
December 22, 1998 vol. 95 no. 2615861-15866
”Brain-wave recognition of sentences"
Patrick Suppes*†, Bing Han*, and Zhong-LinLu‡
*Center for the Study of Language andInformation,
Stanford University, Stanford, CA94305-4115; and
‡Department of Psychology,
University of Southern California, LosAngeles, CA 90089
http://www.pnas.org/content/95/26/15861.full
脳波から思考を解読するコンピュータについては、
NTTが、特許2515875号(特開平2−232783号)を取得しています。
発明の名称は、 「脳波トポグラフィーによる音節認識装置」です。
人間の脳をモデルにした
ニューラル・ネットワーク・コンピュータを使って、
脳波から思考を解読するのです。
3 他人に脳波の送信
(1) 概要
このようにAさんの脳波を読み出した後、
Bさんに脳波を伝達することができます。
レーダー技術を応用して、
脳波信号で変調されたマイクロ波をビームとして、
Bさんの頭部に照射するのです。
(2) マイクロ波の可聴
高出力レーダーが発射するマイクロ波パルスは、
人間の頭部に照射されたとき、音声として認識されます。
マイクロ波の可聴という現象なのですが、
皆さん知らないだけです。
「レーダーと人の健康」という世界保健機構の文献では、
200メガヘルツから6.5ギガヘルツの
周波数の電波をパルスとして人間の頭部に発射したとき、
ザーザー、カチカチ、シューシュー、ポンポンなど様々な音として聞こえることを明記しています。
(3) マイクロ波の可聴を応用した音声送信装置
米国陸軍ウォルター・リード研究所が、
マイクロ波聴覚効果を応用した電子機器を使って、
人間の頭部に直接、音声を送信することに成功しています。
Microwaves and Behavior by Don Justesen,
American Psychologist, March 1975, pp.391-401.
この電子機器について、2006年12月13日に、
米国陸軍情報保全隊は、「非殺傷性兵器の一部の生体効果」という
極秘文書を機密解除しています。
この文書は下記サイトで閲覧できます。
更に、マイクロ波を使って、人間の脳に音声信号を入力する通信機について、
米国特許4858612号(フィリップ・L・ストックリン)
米国特許6470214号(米国空軍)
米国特許6587729号(米国空軍)
が取得されています。
関連記事
下記の5件の記事で、ストックリン米国特許について、
詳細に記載されています。
「レーダーのしくみ part 1」
「対人レーダーにマイクを接続して音声送信 part 2」
「対人レーダーの応用;マイクロ波で脳内に音声を発生させるしくみ:
ストックリン特許 part 3」
「マイクロ波で脳内に音を発生させる装置のしくみ
:ストックリン特許 part 4」
「マイクロ波で脳内に音を発生させる装置のしくみ:
ストックリン特許 part 5」
下記に2件の米国空軍特許について
詳細に説明されています。
「脳に直接、音声を送信する通信装置の米国空軍特許 part 0」
「脳に直接、音声を送信する通信装置の米国空軍特許 part 1」
「脳に直接、音声を送信する通信装置の米国空軍特許 part 2」
「脳に直接、音声を送信する通信装置の米国空軍特許 part 3」
「脳に直接、音声を送信する通信装置の米国空軍特許 part 4」