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 元慰安婦を支援する各国のNGOによる「日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」が31日、都内で開かれた。初来日したインドネシアの女性が、太平洋戦争中に旧日本軍の兵士に14歳で連行され、半年間、慰安所で性行為を強いられたと訴え、「皆さんの前で話ができたことで、気持ちが軽くなりました」と語った。

 集会は1992年以降、ほぼ隔年で開かれ、この日は韓国、フィリピンなどの元慰安婦5人や各地の支援者ら約240人が参加した。証言した女性は、旧日本軍が42年に占領したスラウェシ島在住のミンチェさん(85)。昨年9月、戦時下に同島で起きた性暴力を調査する日本の市民団体に初めて体験を語った。

 ミンチェさんによると、自宅で友だちと石蹴り遊びをしていたとき、幌付きのトラックが横付けされ、兵士が飛び降りてきた。母は目の前で暴行され、自分は荷台に乗せられたという。連れて行かれた慰安所で「日本軍の妻のような扱いを受けた」。約6カ月後、隙をついて逃げ出し、自宅にたどり着いたが、父母は死亡。親戚からは「恥ずかしい存在」として遠ざけられ、戦後は、一人で生きてきたという。

 集会の実行委員会は2日、慰安婦問題をめぐる河野談話の「維持・発展」とと、賠償措置の実現を求めて政府に申し入れる。(武田肇)