Noと言えない日本人というのが昔あったけども、これは欧米人、とくにアメリカ人はNoとはっきり言うという共通理解があるからキャッチーになったのだと思う。
日本にいたころは、日本語は省略ばかりするけど、英語は省略しない。日本語では曖昧が美徳だけども英語でははっきり言うことが美徳・・・そんなことを学んだ。
しかし、普通に省略するし、英語も曖昧な事が多い。
例えば、主語が私(I)の場合は省略することは非常に多い。また、疑問に答えるときのイエスも省略されることも多い。Yes, I do.は、単に I do. ということは多い。慣れてないと何言ったの?ってなる。
また遠回しの表現も多い。というのも英語では遠回しに言うことが丁寧な言い方という側面もあるので、丁寧に言おうとすると遠回しになる。
しかし、アメリカにきて10年近くいるけど、ようやく最近わかった表現方法がある。
(注意:これは僕の個人的な経験なので土地柄や年齢層・性別などに関わっている可能性は大いにあります。中西部の話しです。だけど話を簡単にするために”アメリカ人”としてくくって話します)
わかったんだけども、自分が使いこなせるとは思わないし、その真意を知ることはとても難しい。
それは、実は彼らは本音をストレートに表現しない、ということ。
こちらではよく褒め合う。誰かが何かをすると Good job! といって褒めるし、何かを言えば、Excellent! と言って褒める。
僕は最初は気分よく聞いていたけど、これらの言葉の真意を意訳することこうなることがわかった。
Good job! =(発表がGoodじゃなかったとしても)おつかれー
Excellent! = ふーん
Good question! = そんな質問すんじゃねーよ
Awesome! = とりあえずいっておこう
Sure = めんどくせ
Sounds good = はやくこの話題をおわらせようっと
単語単位じゃなくて、文章でも好意的に表現してても、それは特段強い好意が含まれてるわけでもないのだ。
彼らは悪いことを言わない。じゃぁ、悪いことを言いたいときどうするか?というと、好意的な表現を皮肉につかう。あるいは、そもそも何も言わない。その人の発表が下手だった場合、発表について何も言わない。違う部分で褒めようとする。
もちろん、本当に褒めている場合もある。
つまり、あなたが褒められたとしても、それは本当に褒めているのか、悪いところを指摘したくないのでそのかわりに手っ取り早く褒めやすいところを褒めているのか、実はよくわからないのだ。
これって、まさに本音と建前だと思う。日本人に固有と思われている、本音と建前。アメリカ人もバンバンやってるのだ。
僕が感じたアメリカ人的な表現で一番近いと思ったのが、これ。
京都の人って気難しいと聞きます。例えば、下駄を鳴らして歩いてる人が居るとしま... - Yahoo!知恵袋アメリカ人と京都人は似てるのか?
あんたちょっと被害妄想じゃないの?って言われそうだし、そういう面があるかもしれないです。ハイ。
だから、ひょっとすると僕だけがそう感じてるだけかもしれない。だからアメリカ生活が長い人に聞いてみたいんだけども、こういう慇懃無礼というのか、すごい丁寧で褒めていながら、真意は全く逆、という経験をした人はいないですかね?
プロレスっぽいといえばもっと近いかなぁ。
お約束というのか。ポジティブな表現は必ずしも本意ではない場合が結構ある気がする。
定型文になってるわけじゃなくて、シチュエーションとか雰囲気によるんだけども。。
あぁ、たとえば、風邪ひいてても How are you?ときかれて Good と返事する人がいるとか。それはお約束だから。調子悪いかどうか見たらわかるんだから、本当にGoodかどうかは各自判断しろ、という感じで。
今回は、ちょっと大げさに言ってる部分があるので、そんなアホなって思う人は多いかもしれない。全部が全部建前だとは思わないけど、建前的だったりいわゆる社交辞令的に曖昧なこと言う部分もある。でも、そういうややこしい部分にこそ人間味が溢れてるんじゃないかなぁとも思う。行間にこそ人間味があるというのかな。
だから、英語はストレートに表現されると信じきってると、こちらの人の人間味が感じられないかもしれない。
- 関連記事