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「パート・アルバイトの活かし方・育て方」を読みました。

パート・アルバイトの活かし方・育て方 (PHPビジネス新書)

パート・アルバイトの活かし方・育て方 (PHPビジネス新書)


なぜこの本を選んだか?
最近、いろいろと問題が顕在化していることもあって、アルバイト労働について、正社員との違いなど簡単に概要をつかみたいと思い手に取りました。


どんな本?
アルバイトの募集から採用、そして、退職まであらゆる段階について、雇用主・担当者が考えるべきことが具体的に記述されています。ちなみに、2009年に発売された本ではありますが、ほとんどの部分が今でも通用します。


また、「知っておきたい実務の知識」と題したコーナーでは、103万円・130万円の壁、休憩時間や残業代の支払いなどについて、要点がまとめられています。


そのため、タイトルが表している通り、採用側を念頭に置いていますが、アルバイト側が読んでも得るものは多いでしょう。


ただ、発売後改正が行われた関連法案や見直しが進められている事項もありますので、最新の情報を確認するようにしてください。直近では、103万円・130万円の壁について、見直しが議論されていますね。
【働くカタチ】配偶者控除見直しを考える<上>女性就労拡大の「壁」 - 西日本新聞


では、いくつか引用しながら、感想や考えたことを書き留めておきます。

パート・アルバイトの早期退職は、組織に少なからず負の影響を与えます。


これから一緒に頑張ろうというときに、突然いなくなると、まわりのアルバイトも動揺し、ある種の不安が生じます。最悪の場合、仕事の質にも悪影響を及ぼすでしょう。また、採用側としても、欠員の補填などコストがかかってきます。

「あなた」が悪いのではなく「そのこと」がいけないのだと伝えること。
つまり「人」と「事」を分けて注意する。


これを強く意識できている人は少ないのではないでしょうか。普段は温厚な人でも、はじめは注意程度だったのが、感情的になり、挙句の果てには、人格否定のような暴言を吐いてしまうということもあるでしょう。

また、アルバイトの場合は、往々にして毎日のように顔をあわす正社員とは違います。つまり、距離感も違うわけです。そういった中、冗談半分で相手自身をなじったりすると、心が離れてしまいかねません。

大阪に本社を構える、ある豚まんチェーンでは、年に二回の賞与を、社長から全社員に「手渡し」で支給しています。


ここの文章では、社員となっていますが、この制度はパートも対象だそうです。数言会話を交わし、「あなたを認め感謝する」気持ちを伝えることが重要なんだと本書で書かれています。

日々、同じような作業を繰り返していると、自分がどういう業務をしているか、その重みを忘れてしまったりします。そこで、人によってはモチベーションが上がるなど、ある種の儀礼的なものとしてこの制度には意義があるのでしょう。


このような具体例も豊富に紹介されています。


他にも、紹介したい部分はあるのですが、キリがないのでこのあたりで締めます。掘り出し物でした。


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