ここがポイント!!池上彰解説塾 2014.05.19

異常ありといわれた人も安心
一触即発、世界が大注目。
中国対ベトナムの激しい攻防
巨大国家、中国に小さな国ベトナムが一歩も引かない
女子生徒が200人以上も拉致されたナイジェリア
犯行グループが拉致をしておきながら感謝しろと主張するわけ
まずは私たちに深く関係するこのニュースから
お前は健康なの?
これまでの健康基準よりも緩いものが多い、新しい基準が先月、発表されました
これにより、今まで異常ありと診断されていた人が大丈夫といわれる可能性が
しかし今は、現基準値が各機関で使われているので新旧2つの基準が同時に存在する状況になっているのです
私たちはどっちを信じればいいのか
このニュースの1つ目のポイント二重の基準一体、どちらを信じたらいいの?ということなんですが。
こちらですね。
現行のものと比べると新しいものは緩和されたということですか?そういうものが多いんですね。
あくまで主な項目ですけど。
例えば最高血圧ですとねこれまでは129以下で収まっていればいいよといわれてたのが88から147でいいよってなりましたし。
中性脂肪もね、ほらかなり基準が緩くなりました。
それから、いわゆる悪玉コレステロールというものもこれまで119だったのが178までいいよ。
更に、身長と体重から肥満度を判定するBMIの値は25から27.7まで広がりお酒を飲む人が特に気になる肝臓の壊れ具合を示すγ‐GTの値は50から最大84までオーケーと範囲が大きく広がりました
先ほどのVTRにありましたよね。
血圧が高いからって血圧を下げる薬を飲んでたけどこの基準なら収まるから一体なんだったのと戸惑いが広がっているとこういうことなんですね。
血圧の基準はですね日本高血圧学会という学会で決めていたんですね。
それから中性脂肪やコレステロールは日本動脈硬化学会。
そして、BMI、肥満度の基準は日本糖尿病学会などそれぞれの専門家の学会でこういう基準を作っていた。
つまり、それぞれのところがこの数字を長期的に見ていくと例えば、今は大丈夫でも将来的にこういう病気になりやすい。
なる可能性があるから今の時点でこの数字を守ってたほうがいいですよといって出したものだということですね。
現時点ではなくて、長い目で見てこれまでの基準に収めておいたほうがいいですよといってこういうものを作ってた。
もともとの基準値は専門の医師が集まる学会で病気になった人の数値を長期的に研究しこの数値を守れば将来的に大丈夫だろうという基準をはじき出しました
一方、今回の新基準は全く違う方法で出されていたのです
池上:今度は、こちら。
人間ドックがありますよね。
人間ドックの学会がありまして150万人のデータからですね本当に健康な人1万人ないし、1万5000人のデータから出したんですね。
例えば、たばこはやらない。
酒もほどほどで病気にかかっていない。
とっても元気な人を集めてどのくらいの血圧なのかな中性脂肪なのかなというふうにみたら…。
これまでの学会が、いけないよといった数字を超えていてもとっても健康だっていう人がいるんじゃないか。
現時点、とっても健康な人でもこれぐらいの数値の人がいます。
いいんじゃないですか?ということですね。
つまり、新基準は人間ドックを受けた人の中で健康と判断された人のデータの平均値のようなもの
一方、もともとの基準は予防の観点から長期的に研究をして病気になった人をもとに出された数値なのです
しかし、この新基準で健康な人を増やしたいそんな背景もあるのだとか
これまでかなり厳しい基準ですとこれを超えたから、じゃあ薬を飲みなさいって言われて飲んでる人たちが多いわけですよね。
そうすると、このままだと医療費が増えすぎてしまうから少しでも抑えようという狙いもあるわけですね。
こちら、ご覧ください。
日本の医療費の増え方ですね。
現在、まだ2011年度までの数字しか出ていませんが日本の医療費、国民全体でおよそ38.5兆円ということになってます。
どんどん増え続けてますでしょ。
高齢化により増え続ける医療費
これを抑えたいという背景があるとみられています
日本の人口の中で65歳以上って4分の1なんですね。
人口に占める割合は。
でも、医療費に占める割合はすでに、ここまで。
およそ半分ですよね。
そして、団塊の世代がいよいよ、みんな65歳以上にまもなくなりますから。
…となれば団塊の世代、多いですよね。
大変多い人たちがどんと増える。
これをなんとかしたい。
ここで、団塊の世代テリー伊藤が持論を展開
池上彰もたじたじ
僕、もうすぐ65になるんですよ。
まさに団塊の世代でしょ。
そうするとね、同じ世代でも…。
テリー:そういうやつに限ってねこのぐらいの年になって命乞いしてね、健康になろうとかっていっぱいいるわけ。
でね、本当はちゃんとね、50過ぎぐらいからちゃんとした生活をしだせばいいんですよ。
もうね、今のね70歳ぐらいの人たちはね昔、貧しかったからね、もうね食い意地が張ってるんだ、これ。
本当に。
だからね、あとね…。
もったいないからって胃袋に入れちゃうんですよ。
僕はね、胃袋に捨てるなっつってるんですけどね。
本当は、僕ぐらいの世代がもうちょっと早めにちゃんと健康をね…。
例えば、腹七分とかぐらいの生活をちゃんとしていけばこんな医療費かからないんだよ。
怠惰な生活してて急に病気になったらやれ医療費がどうだとかねもうね、どうしようもないね団塊の世代が多いんだよ。
押切:でも、これでまた、その新基準値がちょっと甘くなったらそういう方も増えちゃいますよね。
要するに、そこなんですね。
各学会にしてみるとこうやって基準値が甘くなったことによって将来的に、また病人になる人が増えちゃったら結局、医療費は増えてしまうじゃないか。
こういう見方もあり得ると。
30代だとちょっと、どっちを信じていいかわからないですし本当、自分に甘くもなれてここから生涯変わるわけじゃないですか。
どっちを信じようっていう…。
迷っちゃいますね。
長生きしたいって思う人は頑張ればいいと思う。
もっと厳しく自分で基準を変えるんですか?大体、こういうのってね…。
ある程度さやっぱり生きていくうえだから自分の中で判断していくっていうこともすごい大切なんだよね。
辰巳:それかね、今、赤と黄色逆でね、赤いほうを黄色信号ぐらいにしてね超えたらね。
あちらのほうを黄色いほうを超えたら赤信号ぐらいに考えてですね黄色信号でちょっと気を付けるぐらいの気持ちでいればいいんじゃないですかね。
まさに、テリーさんがおっしゃったようにそれぞれを参考にしながら辰巳さんのようにね黄色信号、赤信号って、これねいい判断かもしれませんね。
あんま細かいとね、病…。
大らかでいいんです。
つまり、これが1多かったから少なかったからというのではなくて自分の健康を考えていくきっかけということですよね。
私たちが新基準を知識として持っておくことで今までの基準を補うというのがいいのかもしれません
続いては、中国とベトナム対立のニュースです。
池上さんならではの視点で見ると意外な事実が見えてきます。
人口9000万のベトナムが人口13億の中国と互角に戦っている?
日本の尖閣諸島でも中国はたびたび領海侵犯、領空侵犯を繰り返しそのたびに日本は警告。
困った事態になっていますよね
同じようなことが南シナ海でも起こっているのです
ところが…
ベトナムは中国に対して非常に強気
海の上では、体当たりと放水を繰り返す中国に対し負けじとベトナムも放水して応戦
ベトナム国内では日本では考えられないほどデモが拡大
普段、厳しく制限されているデモを、当初は政府が黙認
その結果、デモは一部で放火や略奪行為にまで発展
中国人の死者も出るなど反中感情が、今、ピークに
そう、実はベトナムは強い
今、中国が軍事力を拡大し続けているのもそもそものきっかけはベトナムが強かったから
私たちで見ると本当に小さな国があの大国・中国に向かって歯向かっているといいますか非常に強気に出ていますよね。
これには過去にあの2つの国の間の歴史があったんだっていうことを振り返ってくるとですねいろんなことが見えてくるんじゃないかと思います。
今回は、そこをポイントにしようと思うんですがその前に基本を確認しておきましょう。
大人の皆さんなら知っていて当然
中国が各地でここは自分の土地だと主張する大きな狙いは?
つまりですね、石油がとれるからっていうことなんですね。
中国は、その石油以外にもいろんな狙いがあるよということで。
尖閣諸島の近くに、中国が侵入してくるようになったのは周辺に石油があるとわかってから
同様に、南シナ海にも資源があるといわれています
今回、中国とベトナムがお互いに自分の国の領域と主張する海で中国が、石油の採掘を宣言
それに対してベトナムが船で抗議しにいったところ…
でも、南シナ海にはほかにも中国の狙いが
ここ、考えてみますとほら、ここを通っていけばインド洋から中東方面にも行く。
海の航路としてもとっても大事なところですよね。
ここを押さえてしまえば自分の言うがままになるということもありますし。
中国にしてみればここ、非常に水深が深いものですからここに潜水艦を配置しておけばアメリカがうっかり近付くと中国の潜水艦にやられてしまうというふうに思うとなかなかうっかり出ていけない。
アメリカに対抗したいという軍事的な面でも南シナ海は中国にとって重要な場所
そのため、これまで中国は南シナ海の多くの島々で事実上の支配を進めてきました
そのやり方が実に中国らしい巧妙な方法
中国の強引な海の支配。
その進出の仕方とは?
そう、中国は沿岸部の漁師たちをお金で勧誘
海上民兵として雇っているという
本業は漁師である民兵が中国には数百万人いるといわれ軍事訓練を受けたうえで外洋まで漁に出て他国の船の動きを監視、報告しているというのだ
こうして海の支配を強化する中国
そもそも、この地域の支配は強引に進められてきた
1974年、中国が当時の南ベトナムの管轄下にあった西沙諸島を占領したのは前年に米軍が撤退した直後のこと
更に95年フィリピンが管轄していた南沙諸島の一部を占領したのも米軍が、フィリピンから撤退したあとのこと
しかもこのときの中国のやり方は…
台風でフィリピンの監視が手薄になった隙に勝手に小屋を建設
その後、小屋はコンクリートの建物に姿を変え今は中国軍が常駐
このように支配を進めてきたのだ
池上:フィリピンが今になってやっぱりアメリカ軍に駐留してもらおうということになってアメリカ軍がここに戻ってくるよという協定をこの前、結んだばかりですね。
この辺り、南シナ海って呼ばれてますでしょ。
フィリピンにすると南シナ海って名前だから全部、中国みたいに思われるんだといってですね最近、フィリピンが、この辺りを西フィリピン海と呼ぶようになりました。
呼び方から変えてしまおうとこういうことなんですが。
中国はこうやってジリジリ、ジワジワと支配権を拡大しつつあると。
こんなに長期にわたって計画的にね虎視眈々と狙ってるみたいなそんな姿勢を持ってると思わなかったんですよ。
中国が海の支配を進めているのは最近の話と思っている人も多いかもしれませんが中国にとっては今、やっと、そのときがきた
そのときとはどういうこと?
中国は、本当に長期的に長い時間をかけてジワジワとやってくるということがあります。
かつてトウ・ショウヘイという人がいましたよね。
その人のね、遺言があるんです。
「韜光養晦」と。
光を隠して、ひそかに力を養えという意味なんです。
つまり、トウ・ショウヘイ氏の晩年のころは中国は、まだまだ経済力が弱かった。
貧しかった。
だから、これからしばらくの間は周辺の国とトラブルを起こすなと。
ひたすら力を蓄えておけというのを遺言として残してたんですね。
ですから、そのあとずっと中国は静かにしていたんですがここへきて、もういいだろうと恐らく思ったんでしょうね。
ジワジワと、その力を隠さずに表に出し始めている。
領土をめぐる問題などで中国が最近特に強気に見えるのは経済成長を遂げてその力を世界に見せ付ける日がきたと考えているからという見方もあるのです
中国に対し、強気のベトナム。
その強さのわけ
池上:ベトナムが中国に対して強気な、その理由。
ベトナムは中国に大勝利したことがある
それが、こちら。
1979年の中越戦争。
この「越」っていうのがベトナムのことなんですね。
中国とベトナムの戦争というのがありました。
中国軍20万人とも60万人ともいわれてまして少なくとも20万人を超える大部隊がベトナムに攻め込んだんですね。
対して、ベトナム側の兵隊の数は10万人かそれよりも少なかったといわれています。
中国にしてみればこれだけの大軍でこんな小さな国あっという間に蹴散らしてやると思っていたんですが、結果は中国の大敗北だったということなんですね。
ベトナム戦争でアメリカに勝ちそして中国にも勝ったベトナム
なぜ、そんなに強いのか?
そこには、中国が絶対に勝てないわけがあった
ことの発端はベトナムのお隣、カンボジア
当時、カンボジアではポル・ポト政権が恐怖支配を行っていました
知識人は危険であるとの考えから学者や医師、教師をはじめ100万人とも200万人ともいわれる、国民を虐殺
もちろん、国民は猛反発
大混乱に陥ったのです
そうすると、そういう独裁国家国内の反発を抑えるにはどうしたらいいか。
外に敵を作り出すことが一番というわけで、ベトナムとカンボジアの国境沿いで頻繁に武力衝突が起きるようになるわけですね。
カンボジア側からベトナム側にかなりちょっかいを出すということがありましてベトナム側が怒ってですねそのカンボジアに対して攻め込むことがあったんですね。
ベトナムがカンボジアに攻め込んで、初めてポル・ポト政権が実は何百万人もの国民を殺してたってことがそこで初めて明らかになって。
また、ポル・ポト政権が潰れるんですがこのとき、中国が、それを気に食わなかったんですね。
当時、カンボジアと仲のよかった中国
ベトナムに対し上から目線で、こんな発言
懲罰を与えるといってベトナムに攻め込んだんですね。
こうして起きたのが中越戦争
中国はベトナムを攻撃することでカンボジアを攻めているベトナム軍を撤退させられると考えたのです
このとき中国軍のとった作戦が人海戦術
相手の数倍もの兵士たちを次から次へと送り込むという戦い方でベトナム軍を圧倒しようとしました
ところが、結果は中国の大敗北
ベトナム、その強さの理由1つ目は…
ベトナム側で立ち向かった人たちはアメリカ軍を散々な目に遭わせて追い出した。
いってみれば屈強な、大ベテランの兵士たちだったんですね。
そこに中国がそのベトナムを甘く見て攻め込んできました。
中越戦争の数年前まで繰り広げられていたのがベトナム戦争
この戦争では当時、南北に分かれていたベトナムをアメリカとソ連が支援
結果的には世界最強といわれた米軍が勝利できないまま撤退することになったのです
そのため、ベトナムは世界で唯一アメリカに勝った国ともいわれています
ベトナム、その強さの理由2つ目は…
アメリカが逃げていったときにそのまま持っていたアメリカの近代兵器をいっぱい持っていたわけですね。
この近代兵器で立ち向かいました。
中国側は本当にわずかな武器だけで人海戦術って、数で押し潰してしまおうとして、やった結果ベトナム側が圧勝したという歴史があるんですね。
中国はですね結局1か月で退散する。
いってみれば逃げ帰るんですが…。
大敗北の中国
またまた上から目線でこう宣言
負けたと認めたくない中国はこのへんで勘弁してやると強がって軍を撤退させたのです
池上:非常に上から目線の言い方をしたんですが。
じゃあ、このとき、一体どれくらいの被害が出たのか。
ベトナム側と中国側の言い分が真っ向から対立してましてね。
中国側に言わせるとベトナム兵3万人を殺害した。
自分のほうの被害は6900人である。
こういう言い方を中国はしたんですね。
つまり、ベトナムを散々やっつけたよという言い方でした。
ベトナムはどう言ってるかというと当方の犠牲者は8000人である。
中国の2万6000人の兵隊を殺害したとこういう言い方をしてまして。
お互い相手をうんとやっつけたよっていう言い方をしてます。
真っ向から対立しているんですが第三者などの検証によればベトナム側の言い分のほうがかなり正しい、近いだろうと。
中国軍が大損害を受けたのは間違いないということになりまして。
つまり、ベトナムにしてみるとあの中国の大軍を、我々は追い払うことができたんだ。
となると、ベトナムは強気になるわけですよね。
そして実は、今年というのは中越戦争から35年。
それから西沙諸島をとられてから40年の節目の年なんですね。
いやがおうにも反中感情が高まっているというのが今回の事件の背景にあると。
今、ベトナムでは各地で大規模な反中デモが発生
放火や暴動にまでエスカレートして死者も出ています
反中感情の高まりの背景には中国に勝った歴史も影響していると考えられているのです
更に、中越戦争は中国の今に大きく影響
中国はですね、このとき負けたってことを認めなかったんですが…。
とにかく人海戦術でわずかな武器でいくと太刀打ちできないんだ。
ここから、いわゆる中国軍の近代化っていうのが始まる。
今、中国軍がどんどん、どんどん軍備を増強しています。
実は、ベトナムに負けたのがきっかけでそれは始まったということなんですね。
現在、中国の軍事費ランキングは世界2位
軍事大国になるきっかけが中越戦争の敗北にあったといわれています
対立が続く、中国とベトナム
再び、戦争にまで発展する可能性は?
ぶつけたりしてますけどあれが沈んだりするようなところまではいきませんか?池上:沈めたりしない程度にしておこうという、明らかに中国側には、そういう自制は働いてるはずですけど。
やっぱり、ベトナムを怒らせると大変だとかベトナムとは仲よくやっておいたほうがいいという思いが中国側には、やっぱり明らかに見えますね。
これからは、やはり恐らく長期戦になりますよね。
それは力と力がぶつからないと解決できないんですか?本当はねそれじゃいけないわけですよね。
やっぱり、力と力でぶつかってお互いいいことないよってなって初めて話し合いということになるわけですけど。
中国にとってはベトナムに負けた歴史に加え同じ社会主義国であることなどからあまり強い態度には出られない面もあるのです
日本のことなんですけど。
同じことですけどその領土、領海。
それ、今のまま進むとまた日本の船がぶつけられたり等々がもっと激しくなっていきますかね?
中国とベトナムの対立から日本が学ぶべきこととは?
今、中国側は、例えば尖閣諸島の日本の領海に中国側の船が入ってきて巡視船が出ていくとまた外に出ていくっていうことを繰り返してます。
これを延々とこれから何年も何十年もそれをずっとやり続けていればいつしか、南シナ海のようになれるだろうぐらいの長期戦で、向こうは考えているということですよね。
つまり、日本側は、なんとかあと数年でなんとならないかって考えるわけですが向こうは10年、20年、30年40年単位で考えますから非常に長期戦になる。
だから、ASEAN諸国とそれから日本が一緒になって中国、むちゃなことはやめなさいと国際的な圧力をかけることがやっぱり中国にしてみると弱いってことになりますよね。
問題は南シナ海だけじゃない。
東シナ海だって中国、勝手なことはやめなさいというそういう包囲網を作っていくことが、まずは大事。
そこで、うっかり、衝突などが起きないようにしていく。
そこから、また話し合いが始まるんだろうと思いますね。
では、続いてのニュースです。
このあとは、ナイジェリアの女子生徒集団拉致事件
200人以上の女子生徒が一度に連れ去られたのにいまだに1人も見つからない
先月、ナイジェリアでボコ・ハラムというイスラム過激派が国内の学校を襲撃
ナイジェリア政府は事件から1か月以上たちながら解決の糸口を見つけられていません
ナイジェリアで生まれ育ったタレントボビー・オロゴンさんは…
いや、本当にそれを聞いた瞬間に、俺はこの地球はどうなってるの?このアフリカはどうなってるのと思ってるわけよ。
ナイジェリア出身のボビーさんもこんなことが母国で起こるのはあり得ないと
犯行グループは…
女子生徒を隣の国に売り飛ばすと発表
すでに何人かは売られてしまったとの報道もあります
実は、世界の問題がこの事件には詰まっている
とにかく、本当に痛ましくてショッキングな事件ですよね。
一体、どういうことなのかということを今日は考えていこうと思うんですが。
まず、その前に、いや、そもそもナイジェリアってどんな国というところからまいりましょうか。
まずは、場所の確認ですね。
日本がこちら。
そしてアフリカの西部の部分ですね。
ここがナイジェリアです。
内藤:割と豊かな感じはするんですけどね。
石油が出るんじゃないですか?池上:ええ、そうですよね。
実は、そうなんですね。
言っとくけど、今はナイジェリアというのはアフリカの最大の経済国になってるんだよ。
よく知ってるエジプトもケニアもこの前のサッカーの南アフリカまで抑えて1位ということはどんな経済なのか知ってるかい?だって、1年に一度帰るようにしてますが…。
変わっちゃうんです。
全然違う道、違う町並みになったりとかするぐらい近代化されてますね。
しかも、陸を使い切ったあと海の上を埋め立てして高いビルを建てるようにしてますね、今は。
なんとなくね、アフリカナイジェリアっていうだけで発展していないかのように思われるのがやっぱりオロゴンさんとしては心外だったわけですね。
もっと勉強してくれよとこういう話でしたが。
ナイジェリアってですね実は、アフリカの中でGDP・経済成長の度合いでいうと実は、トップなんですね。
石油が大変出る国でしてね。
人口が1億7000万人を超えていると。
人口で世界第7位という。
やっぱり、人口が多く石油がいっぱい出てるとなると経済大国に、今からどんどんなっていこうという発展途上の国なんですね。
それだけ発展してると、やっぱりなんといっても石油ですよね。
こちらは海底油田をねとってるところですがこれが、どんどん見つかってる。
政府の、国家の歳入つまり収入のおよそ8割は石油ということですね。
なんといっても、こちらですね。
貧富の差が激しい。
これもスラム街ですけれどもね。
ボビー:しかもそれだけじゃなくて頭よくても…。
池上:石油が出た。
本当は、めでたい話のはずなのにかえって貧富の差が広がってしまったということになりますね。
となると、とりわけ貧しいところではいろんな不満がありますでしょ。
池上:宗教対立ということもあるんですね。
なぜ、国の富が分配できないのか
政府に対し、貧しい人たちの不満がたまっている状況
中東などで起こる宗教による争い事はよく耳にしますがナイジェリアでも、宗教の問題が深刻となっています
昔はね、こちらちょっと見てください。
こちら、ソコトというところを中心とするイスラム教の国家だった時代があったんですね。
これが、イギリスが入ってきて滅ぼされてイギリスの植民地になった。
ということはイスラム教とキリスト教の対立になってしまったりというこういう問題がある。
モスクと教会は隣同士だったりとかする町でもあるしそれを見ると平和に感じるんですけど。
そこに住んでる人たちはね結構、平和にも暮らしているんですけれどもイスラム教とキリスト教そして貧富の差これが今回の事件を理解するうえでのキーポイントになるということですね。
宗教の問題が今回の拉致事件を知るうえでのポイントなのです
犯行グループイスラム過激派ボコ・ハラムはキリスト教など西洋文化を嫌っていたため西洋式の教育を受けていた女子生徒たちを拉致したとみられています
もちろんイスラム教が問題なのではなく犯行グループ、ボコ・ハラムの偏った考え方が問題なのです
もともとねボコ・ハラムというのがねボコというのは、いってみればね西洋のとかイスラム教ではないっていう意味なんですね。
ハラムというのは禁止、あるいは罪ということなんですね。
ポイントは、ここが女子校で女子生徒が拉致されたこと
池上:そもそもイスラムは女性を大切にする宗教である。
ということは、女性は家庭で大事に大事に保護すべきである。
となると、女の子が学校に行くなんてとんでもない。
家で大切に保護すべきものだ。
まして、その行く学校ってどんな学校かというといわゆるキリスト教系だったりするでしょ。
欧米風の間違った教育をされてしまう。
そんなことはとんでもない。
そんな学校はぶっ壊してやると。
こういう、ちょっとね、我々には考えられないような論理で学校をどんどん襲撃する。
そういう過激派なんだということですよね。
アラーと言ってましたよね。
つまり、ほらイスラム教徒にしてやったぞ。
だから、間違った教えを受けていた生徒たちを我々がイスラムに改宗させてやったんだ。
感謝してもらってもいいくらいだというのがあのリーダーの言い分と。
内藤:それを幸せそうに全然、見えないですよね。
それでですね、なぜ、こんなにも1か月たってなぜ見つからないんですか?本当、そう思いますよね。
200人もの女性が連れ去られたんだからって思いますでしょ。
要するにそれを見つけ出すだけの力、能力がない。
ナイジェリアの政府自体が非常に弱くてですねそれだけのきちんとした統治ができないでいる。
池上:でもあの子どもたち、みんな言われたとおりのせりふを言ってますけども。
なんか悲しそう…。
いやいや言わせてるって感じが見えますよね。
なんか、隣の国に売り飛ばすみたいなことも言ってたじゃないですか。
数名が、すでに売られてしまったとの報道もありますが、ちょっと信じられないような目的が
女性はある一定の年齢になったら結婚をして、家庭に入ることが幸せなことなんだ。
このナイジェリアで学校に通っているくらいならどこかのお嫁さんにして家庭の中に入れたほうがいいだろうと考えているのではないかと推測するしかない。
現在、犯行グループは政府に捕らえられている仲間の釈放を要求
が、政府は応じず女子生徒の安否は依然わからないまま
なぜこんなことが起こるのか
この事件に世界の問題が集約されているといいます
尾木:ただ、僕わかんないのはですねそういう考えっていうのはもちろんあってもおかしくはないかわかんないんですけれどもそれを暴力的にね、銃で強制的にやっちゃうっていうのはこれはものすごい原始的なっていうか乱暴でね、現代とはとても思えないんですけどどうして、そのギャップが出てるんですかね。
池上:そこですよね。
つまり、我々からすればごく当たり前の学校教育が向こうから見るとキリスト教的な欧米的な教育なんだという不信感というものが出てしまうと。
これ、非常に不幸なことなんですよね。
そして、彼ら自身がですから、そもそもイスラム教を間違って理解してますよね。
そういう意味ではイスラム教の正しい教えも彼らは、きちんと教わっていないわけですよね。
つまり、教育が行き届いていないがゆえに間違った、こういう運動が起きてこういう運動がそもそもの教育を排除する排斥をするとなるといつまでたっても、よくならないという問題がありますよね。
もうね尾木先生、ご存じのように特に開発途上国においてとりわけ教育って大切ですよね。
そうですよね。
池上:みんなが教育の大切さを知ってこそ子どもたちにも伝えることができるんですがそういう連鎖が断ち切られていて…。
池上:そして、とにかくねあの女生徒たちがみんな無事に戻ってくることを願いますよね。
次週の『池上彰解説塾』は試験放送が始まる4Kテレビ
また3Dプリンターについてわかりやすく
更には日本の教育が変わる?
尾木ママも物申す。
教育問題について徹底解説
2014/05/19(月) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
ここがポイント!!池上彰解説塾[字]

新しく発表された「健康基準」これまでとだいぶ違うけどなぜ?どちらを信じればいいの?池上彰がわかりやすく解説します!

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