1ハートネットTV「“子どもを預かる”のいま〜ベビーシッター事件を受けて〜」 2014.05.20

生字幕放送でお伝えしていますことし3月、インターネットの仲介サイトを通じてベビーシッターに預けられた2歳の男の子が遺体で発見されるという事件が起きました。
事件から2か月。
ネット上には子どもを預かってほしいという親の切実な声が絶えません。
一方全国に100を超えるといわれるベビーシッターの事業者。
親の要望に応えられる人材を確保するのは容易ではありません。
子どもに関連したこともないし仕事をしたこともないし子どもというものをあまりよくご存じじゃないんじゃないかなっていうような方の応募もあります。
今、子どもを預かる現場はどうなっているのか。
ベビーシッター事件から考えていきます。
こんばんは。
「ハートネットTV」です。
大変、悲しい事件が起きました。
3月におきたベビーシッター事件。
亡くなった2歳の男の子のためにもなぜ、このような事件が起きたのかしっかりと検証し二度と同じようなことが起きないようにすることが私たちにできることだと思います。
きょうとあす2夜連続、生放送で考えていきます。
皆さんから意見を募集しています。
ツイッターでこちらのハッシュタグを付けて送ってください。
お待ちしています。
ゲストご紹介します。
評論家の荻上チキさんそして、保育に詳しいジャーナリストの猪熊弘子さんです。
よろしくお願いします。
まずはチキさん、この事件どういうふうに受け止めましたか。
僕も今、子育て中でしてインターネットを使ってシッターの方を使うのは割と日常的にあることなんですね。
だからこそ今回の事件をきっかけとしていろんな語りの中でシッターに預けること自体が疑問視されたりとかあるいはネットを使うこと事態があたかも危険であるかのような言いぶりがされていてこの分野、育児に関してネットを使ったりシッターを使うことがまだまだ浸透してないんだな…。
だからこそ対策をめぐる議論というのが成熟していかないんじゃないかと思ったので、いろいろ考えていきたいと思います。
猪熊さんどう感じていらっしゃいますか。
私もこの事件で預けたお母さんがすごく責められるようなところにすごくショックを受けました。
私も子どもを預けていましたしそういうことが責められるというのはつらいなと思いました。
同時に預かる側にもいろんな問題があって課題があるなということを感じましたので、きょうはそこも考えていきたいなと思っています。
きょうは子どもを預かる側の実態を見ながら保育の現状を見ていきたいと思います。
まずは、事件と同じベビーシッターの仲介サイトに登録していたという女性を取材しました。
首都圏の大学で保育について学んでいる鈴木洋子さん。
鈴木さんが、ベビーシッターの相手先を見つけるために登録していたのが3月の事件でも使われた仲介サイトでした。
自分は大人数の子どもよりも少人数の子どもと関わったほうが自分らしくいい関わりができるのかなっていうのがあったのでじゃあ、シッターってすごい興味あるなと思って登録をしました。
仲介サイトには誰でも登録ができ親からの依頼に対して直接、やり取りできるようになっていました。
鈴木さんは自分に合いそうな依頼に応募。
すぐに反応がありました。
「ご応募ありがとうございます。
今、息子が2歳で保育園に通っています。
勤めに出ておりますので息子の急なかぜや病気のときなど保育園を休まなければいけないときに見ていただける方を探してます」。
鈴木さんが返した文面です。
「はじめまして。
大学3年生の女子学生です。
幼稚園教諭保育士の資格を取得予定です。
大学生ということもあり姉のように楽しく関われるのではないかと思い投稿させていただきました」。
「一度、お会いしたいです」。
その後、依頼主に会った鈴木さん。
子どもの性格や注意点を確認し引き受けることを決めました。
顔の見えないやり取りだけではお互いに不安ですが鈴木さんは、こうした積み重ねを大事にしています。
鈴木さんは今も仲介サイトで知り合った相手のもとでベビーシッターをしています。
契約書は交わさず勤務時間、賃金などはその都度、交渉で決めています。
ご家庭によって違うんですけど大体700円ぐらいでさせていただいてます、1時間。
自分の経験とか、知識とかを深めることができる学びの場にさせていただいてるので安いとか高いとか思わなかったですね。
お金には換えられないものってやっぱ、あると思いますし。
仲介サイトに登録してるベビーシッターの中にはこの鈴木さんのように信念を持って取り組んでいる人もいる。
さまざまな人がいると。
今の方、学生の方が将来こういう仕事に就きたいからある種フィールドワークというか自分の経験も兼ねてということはある意味では有償ボランティアに近いのかなと。
今のVTRが浮き彫りにしたのはシングルの方が多くてとか700円でというのは安い。
だけど、お母さん方は働きながらそのぐらいのお金しか払えないという方もいらっしゃるわけですよね。
そういったニーズに応えていくこういったサイト働き手がいるんだなということが分かるいいVTRだったと思いますね。
猪熊さんは、どう思いますか。
こういった学生さんで真面目に子どもと接したい勉強でという方に当たったらラッキーだなと思いました。
700円は有償サポートよりも安いですよね。
ファミリーサポートはもっと値段高いですから東京都の最低賃金よりも全然、低いお金ですしねそれで預かるということをしている人がいるという…。
そもそもベビーシッターというのは資格がいらないのでそうなると、こういう方に当たればいいけども、ちょっと怖いなっていう印象はどうしてもあると思うんですね。
もともとベビーシッターというのは海外なんかでは本当に学生さんに預けたりとか気軽に知ってる人にお願いするっていうところから出てきてますのでもともと資格もいりませんしそれが、そういう形のままにきてしまったということだと思います。
ネットとベビーシッターというのは信頼性というのはあるものですか?
親っていうのは子どもが小さいうちは家とか子どものそばに縛りつけられてしまうんですね。
となると、例えば1人、2人同時に育てながら買い物に行くのも大変だったりしてそういったときにインターネットを活用してシッターを使ったりとかっていうのは便利なんですね。
なので、いざというとき急に子どもが病気になったけど働きに行かなきゃいけないとかいろんな状況があったときに検索をしてベビーシッターを使うってことは多くの現役のお母さんお父さんも使ってると思います。
そのときに、例えば個人と契約をするのか、それともシッターを派遣する会社と契約するのかで個人それぞれのニーズによって利用の実態は違うのかなと思います。
それぞれメリット・デメリットがもちろんありまして企業に依頼をするともちろん研修などがあるのである程度、クオリティー質の面では安定的かもしれませんが研修などにお金を使いますので値段が個人に頼むよりは高くなってしまうんですね。
一方で先ほどのVTRのように個人に頼もうとするとより安く頼めるという面がある一方でどんな人が来るかは一人一人面接してみたりいざ来てみないと分からないという点があるのでそれぞれのメリット・デメリットを使い分けているというのが現状ですね。
仲介サイトに預ける側のメリットというのは何かあるんでしょうか。
仲介サイトを使う側ですよね。
今、どうしても働く人が働いていて保育所に預けていてそれ以外の時間でベビーシッターみたいな形がすごく注目されがちなんですけど子どもがいる以上それが専業主婦の方であっても子ども預けなきゃいけない機会というのはあると思うんです。
でも、近くに祖父母がいないとかいろんな事情で急に預けなきゃいけないってこと絶対にあるのでそういうときに、より安く手軽に預けたいっていうニーズはあると思いますね。
あと、子どもを預けるにはお金がかかりますから預ける金額と自分の働いてる収入との兼ね合いということも考えないといけない。
そういった中でネットというのが活用されてるんじゃないかなと私は、見ました。
柔軟性もマッチングサイトのほうがありますからね。
どのようにベビーシッターを選んだらいいのかということで厚生労働省が事件直後にベビーシッターを利用するときの10個の注意点を発表しました。
こちらです。
例えば1番目のまずは情報収集を、ということで保育料の安さや手軽に頼めるかという視点ではなくて信頼できるかどうかという視点でベビーシッターの情報収集をしましょうだったり。
下にいきます。
7番。
預けている間もチェックをと。
子どもをベビーシッターに預けている間も子どもの様子を電話やメールで確認するようにしましょうなどなどこのように厚生労働省は挙げていると。
ここのリスト自体はすごく常識的なことを言っているんですけども2つ注意しなくてはいけないのが1つは、このリストをしっかり親御さんが守らないとあたかも事故が起きるのは自己責任ですよという形で利用されると、それは方向性が違うっていうのが1つあります。
それからここに挙げているリストを守っても、今回、事故が…事件が発端となってこのリストが出てきたんですけど必ずしも、ああいった事件というものは防げないんですよね。
やっぱりマッチングによってかなりイレギュラーなケースで人が入ってきてしまう悪意を持った人が入ってくるのは防げない面もあるわけです。
ただ、今回のこの厚労省のリストなどが明らかにしたのは、今まで厚労省および国がこういったネットを使ったマッチングサービスやベビーシッターが必要な親御さんがどれだけいるのかという実態を全く把握していなかったということが明らかになったわけですね。
だからこそ、こういった割と総論的なリストで終わってしまってるのが実情だと思うんです、だからここから出発をしてどういった改善をしていけば今、シッターなどのサービスが必要な親御さんに対して安心・安全なサービスを提供できてかつ、雇われる側も安定的に雇用を満たすことができるかということを議論していく必要があるという現状が明らかになった現状だと思います。
この10か条を本当に読むと子どもを預けたことがある人なら当たり前じゃないかということが実は書いてあるんですね。
ただ、私はすごく思ったのは日本で子どもを生んでみるとどういうふうに世話をすればいいかということは習うんだけども、子どもをどういうふうに預ければいいかということを誰にも教わる機会がないんですね。
ですから、こういった初歩的なことなんだけどもこれは家族で確認するというようなことがたぶん、必要な時代になってるのかなという気はします。
きょうは、生放送です。
皆さんからツイートが届いておりますがご紹介しましょう。
待機児童の問題もあって民間の保育所になかなか預けようとしても預けられない。
都内では認可外でもいっぱいという事情がありますのでこういうところに頼らざるをえないと考える人がいるのは当然だなというふうに感じます。
さっきの時給700円というのにはこういったツイートがきていますこれは、この方がそうだとは分からないんですけども働く側の賃金がなくてネットしか使えないという実情があるので実情に合わせた対策が必要だというのが真面目に取り組むべき議題なのかなと思います。
きょうは生放送です。
どんどん、ご意見募集していますので送ってきてください。
さて、保育の安全をどう確保できるのか。
模索しているあるベビーシッターの派遣会社を取材しましたのでご覧ください。
営業を始めて20年以上になる東京・渋谷のベビーシッター派遣会社です。
350人ほどのベビーシッターと契約を結んでいます。
その旨、申し伝えます。
大事にしているのは親の要望を丁寧に聞き取り最適なベビーシッターを探すマッチング作業です。
もう本当にいろんなケースがあるので。
聞いてみないと、お客様もやっぱり安心されないしお子様が何しろ不安になってしまったら安全確保ができなければ元も子もないので。
ベビーシッターは常に人手が足りません。
そのためここでは随時、募集をしています。
この日も採用面接が行われました。
よろしくお願いいたします。
毎月40人ほどの応募がありますが年齢や職歴子どものありなしなどその履歴は、さまざまです。
確かめるのは、子育てや保育など子どもと接した経験について。
しかし、それだけで採用するわけではありません。
ここでは、ある質問でベビーシッターへの適性を見極めます。
子どもと密室で長時間接するのは想像以上にストレスがたまります。
その矛先が子どもに向かわない人を選んでいるのです。
情緒が安定しているのか。
それから悩んだときにしっかりそれを解決する方法とかそれからリフレッシュをする方法とかを知っているそういった精神的な情緒面の安定ですね。
資格があってもこのベビーシッターの仕事に向かないケースもありますね。
採用してもすぐに派遣することはありません。
1日8時間の研修を課し心構えや実践などを教えます。
研修では…といった、プロとしての意識と技術を植え付けます。
すごい怖いですよね。
不安を感じますね。
自分の孫を見るとはちょっと違うかな。
他人のお子さんはより責任が重いっていうか。
こうした段階をへ経て派遣されるベビーシッター。
その後もフォローアップ研修が課せられ常にスキルの向上に務めています。
この派遣会社のベビーシッター平野知代子さん。
仕事を始めて5年になります。
この日は、保育所に通う姉妹を迎えに行きそのまま親が帰宅するまでの面倒を見ます。
この保育所の保育時間は6時半まで。
こんにちは。
平野です。
凜ちゃん。
篭原凜ちゃん、1歳10か月です。
お母さん子で、ちょっと人見知り。
はい、できたー。
でも、いつも迎えにきてくれる平野さんにはすっかり慣れました。
活発な姉の杏ちゃんは3歳。
両親からは、タイプの違う2人がけんかをしないように気配りをしてほしいと言われています。
子どもたちから目を離す一瞬が事故へとつながりかねません。
常に子どもたちが見える場所に立ちながらちょっとでも危ないと思ったときにはすぐ、そばに駆け寄ります。
(平野)凜ちゃんが…ごめんなさい。
凜ちゃーん!
(凜)立つよ。
(平野)立っちするの?はい。
おおー!
(杏)杏ちゃんだって…。
(平野)杏ちゃんも?子どもたちの様子は保育記録に残します。
おいしい?凜ちゃん。
その日あったことや僅かな体調の変化など。
いっぱい食べられそうだ。
ここは凜ちゃんにあげたりすんのよね。
おお!大丈夫?こうした積み重ねが親との信頼関係を築いていきます。
ごはんのあとは一緒に遊びながら母親の帰りを待ちます。
ここで役立つのが持参した絵本や風船。
杏ちゃんいっぱいお片づけしたね。
こうして2時間。
平野さんは子どもたちが退屈しないように過ごさせました。
貼れたね。
凜ちゃん、上手に貼れたね!すごい!私も、自分が子育てしてるときに自分の母にたまに子どもの面倒見てもらってそれが、すごくやっぱり助かったのでそういうのを、また次の人たちに返したいというか。
東京・渋谷にあるベビーシッターの派遣会社。
この日も新たな応募者の採用面接を予定していました。
しかし…。
とても自由な感覚でいつでも好きな時間に出る仕事というふうに軽く考えてらっしゃる方もあって。
人材が、そもそも集まりにくいというところから始まってその中でいい人材をまた選んでいくし月に7名くらい辞めて8名ぐらい採用してというその繰り返しのような気がします。
人材不足ではありながらも誰でもいいというわけではないという中で今の平野さんの仕事ぶりツイッターでもここまでしっかりやってくれるシッターさんなら安心だなという声もありました。
本当に預けられると助かりますしそれに、ありがたいですよね。
あんなに、じっくり親は忙しくて、お料理作りながらなんとか、だから…あんなに子どもと接触することはできないですし。
ある意味親ができないようなところまで例えば、2時間、3時間子どもと接するっていうのも結構、貴重で難しいことだったりして誰でもできるわけじゃないんだけど企業で、一定程度の研修があって、それで信頼が獲得されてるという場合においてはもっと頼みたいってなりますよね。
ああいう方に本当に来ていただけたらうれしいと思うし安心して預けられるなと思うんですね。
お子さんも、すごくなじんでたし。
ただ、それがそういう方に当たればいいんだけどということになっちゃうのが難しいところだなと思いますね。
そして、質と量も求められているという中でこれ、両方求めるのは難しいんでしょうか。
やっぱり、働く側からするとすごくいい方だと思うんですけど時給で、そして本当に非正規である意味、出来高制でお給料をもらう形ですよね。
すごく不安定だしどこに行かなきゃいけないか分からないということでなかなか働きにくいということもあるんじゃないかなと思うんです。
そういう中で安定して人を確保するというのは難しいんだなというのは想像できます。
各企業の努力でそこはやっていると思いますけど研修をやったり人集めをするとコストがかかるので企業はコストをかけると。
一方でマッチングサイトはないけどもそれがない代わりに安いけれども、質がばらばらだという問題があるのでこれは、なんとかするということであれば公費をかけて個人負担はちょっと軽減しながらもある一定の収入を確保するというそのラインを探るっていうことが、これからの課題になるんじゃないですかね。
ベビーシッターとか保育士さん、広く見て社会的地位というところですか。
賃金も含めてこの辺を考えていかないといけない問題だと思うんですよね。
ある意味、福祉仕事に就いている女性というのは男性も含めてですけども、すごく地位が低くみられていますし賃金は本当に安いです。
正規で勤めている保育士さん資格があっても十数万しかもらえない状態ですのでそこから考えると底上げをしていかなければ本当に必要なニーズに対して保育をしていくということも支えられないんじゃないかと思いますね。
最後のインタビューの中で8人採用して7人辞めているという状況ですからね。
ツイッターでもきています。
臨時保育士の給料が公立、私立ともに低すぎるのも大きな問題ですという声もありますね。
お母さんが払える金額というのは限度がありますからそれを社会で育てていくことが大事なんだと今、国も声を上げていってる時期でもありますのである種、育児の形も広い支援をもって見直していく。
そのためにもシッターの形を提案していく。
それが必要な議論だと思いますね。
そして、シッターさんがいい仕事の環境の中で働けるということが子どもにつながる。
安心して子どもの命を守る仕事ですのでやはりそこはきちんと担保していかなければいけないと思います。
2014/05/20(火) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV「“子どもを預かる”のいま〜ベビーシッター事件を受けて〜」[字]

今年3月、ネットを通じてベビーシッターに預けられた男児が遺体で発見された。しかし、いまやネットでシッターを探すのは親たちにとって当たり前。なぜなのか、実態に迫る

詳細情報
番組内容
今年3月、ネットを通じてベビーシッターに預けられた男児が遺体で発見された。シングルマザーの母親は子どもを養うために夜も働いていたため、やむを得ず、シッターサイトを頼った結果だった。しかし、このネットでシッターを探すという行為は、特殊な行為ではない。安価で使い勝手が良いということから、多くの母親がシッターの質に不安を感じながらも利用しているのだ。公的なサービスではカバーしきれない子育ての背景に迫る。
出演者
【ゲスト】荻上チキ,ジャーナリスト…猪熊弘子,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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