(ドアの開く音)
(竹村直樹)パパ?パパ!
(車のクラクション)パパ!パパー!!
(パトカーのサイレン)県警木本警部です。
お待ちしておりました。
小倉中央署の河野です。
勝田学30歳。
ここの社員です。
頭部を殴られております。
死亡推定時刻は昨夜9時から12時頃です。
指紋その他は?
(河野)2つ3つ採取しました。
それから昨夜その時刻このビルの路地から走り出て行く男が目撃されております。
顔見たの?いえ後ろ姿だけです。
ばってんその男を小学生ぐらいの男の子がパパと呼んでおっとったそうですばい。
パパ。
その子の父親という事。
その男の子今捜しております。
そんな頼りない捜査じゃダメだ!子供の単なる勘違いという事だってあるじゃないか。
たった一つの情報に振り回されて初動捜査を誤った例は少なくない。
ごもっともです。
河野刑事。
被害者の婚約者です。
学さん…学さん学さん!!
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)
(パトカーのサイレン)男が店の従業員と客を人質にとって立てこもってます。
(牟田一郎)理由は?北九州市の小倉での殺人事件で手配中のこの男です。
井上茂35歳。
警邏中の警官が職務質問しようとしたところ一緒に歩いていた女性の手を引いてあの店へ入ってしまったんです。
要求は?今のところ何も。
人質は何人だ?確認は取れてません。
(物が割れる音)本人に接触したのか?近づいたら人質を殺すの一点張りです。
(中山)刑事官!明子!やっぱり刑事官の奥様ですか?間違いありませんか?女房の顔間違えるか!刑事官狙撃班の出動を要請しましょう!大げさな事を言うな。
犯人は小倉ですでに殺人を犯してるんですよ!俺が説得する。
刑事官!心配するな。
話の具合によっちゃ俺が代わりに人質になる。
それだけの事だ。
刑事官!今はまだ刺激をしない方が…。
(携帯電話)もしもし…犯人です!もしもしえっ車?要求は車だけか?その前に君と話したいんだ。
そっち行くぞ。
おい手荒な事するんじゃない!罪を重ねちゃいけない!いいか車で君はこの場を逃れる事ができるかもしれないがしかしよーく考えてくれ。
今逃げてどこへ隠れてもちょっとした物音でも怯えていなきゃいけない。
おい怒鳴るな!もしもしわかったわかった車を用意しよう。
しかし一つだけ教えてくれないか?人質は何人だ?ケガをしてる人はいないか?もしもし?もし…もしもし…!
(電話の切れる音)
(レポーター)犯人が立てこもってからもう1時間が過ぎました。
中の様子はいまだに正確には把握できません。
店内には人質となっている方々がいる様子ですが詳しい事はわかりません。
営業中に犯人はこの喫茶店に立てこもりすでに1時間が経過しております。
従業員とお客さんの何名かが人質となっていると思われます。
犯人は何かの凶器を持っている可能性もあり人質となっている方々に危害が加えられていないか予断を許しません。
現在警察は喫茶店の中にいる犯人と連絡が取れているのでしょうか?犯人の目的は何かいまだに不明です。
一刻も早く人質となっている方々の救出が望まれます。
えー今車が喫茶店の方へ向かっております。
(レポーター)今横付けされました!えー警察の車でしょうか?あるいは犯人が要求した逃走用の車でしょうか?現場は緊張に包まれております。
(車のクラクション)
(ドアが開く音)今残ってた人質の方たちが出てきました!大丈夫でしょうか?
(警官)入らないで!
(レポーター)ケガ人はいらっしゃいませんか?
(警官たち)下がって下がって!申しわけありません。
店を出たところで押さえようとしたんですが…。
燃料のメーターは満タンですがガソリンは少量しか入っていません。
中山あまり追いつめるな。
乱暴な運転でもしもの事があったら…。
井上!逃がさない!!
(牟田明子)その人に乱暴しないで!その人は違うの!その人はお店のマスターなの。
あぁ…やられた!!ズボンと上着を取り換えてその帽子を被らされました。
なぜ表に出た時帽子を取って逃げ出さなかったんですか?言う事を聞かないと店に火を点けるって脅かされたんです。
手荒な目には遭いませんでした?いいえ。
彼は何か話してなかったか?一つの事を何度も繰り返していました。
一つの事?えぇ。
(井上茂)私はハメられたんだ。
今捕まるわけにいかない!私はハメられた?どういう事?って私訊いたんですけどもそれには答えてくれませんでした。
一体どうしてあんな事になったんだ?私は買い物の帰りであの人が声をかけてきたんです。
あすいませんホテルグランドサン横浜っていうのはこの先でしょうか?向こうからいらしたんですよね?はい。
それじゃ行き過ぎましたわ。
あそこの角を曲がるんです。
あぁそうですか。
私もそちら行きますからご一緒しましょ。
すいませんご足労かけます。
いいえ。
井上茂さんですね?井上茂だね!ああー!ホテルグランドサン横浜…。
そのホテルへの道を尋ねたんだな?ええ。
他に何か気づいた事覚えてる事…。
いいえ。
よしもう帰ってもいい。
はい。
どうもご足労いただきましてありがとうございました。
大変だったですな。
どうもお騒がせ致しまして…。
亭主が勤めに出ると女房は羽を伸ばして街をふらふらふらふらする。
だからこんな面倒に巻き込まれるんだ!いいえ私は…。
何だ?失礼致します。
ご苦労様でした。
いいえ心当たりありません。
どうもありがとう。
どうも。
それもそうだ。
ホテルの場所を尋ねたっていうのは今まで行った事もないって事だ。
あんな騒ぎを起こしたあとでのこのここのホテルへやって来るはずはない。
とは知りながら確かめなきゃならないのが俺たちの仕事だ。
はい。
(内山五郎)おい!おい!おい待てよ!おい!約束が違うだろ!中山。
はい。
井上茂がここに立ち寄る可能性がないわけじゃない。
張り込みますか?いや立ち寄ったらすぐ通報するようによく頼んどいてくれ。
はい。
よろしくお願いします。
かしこまりました。
今出て行った男女ですがねここの泊り客?は?はい。
名は?はい。
内山五郎様とおっしゃいます。
女性のお名前はわかりませんが婚約者だと言われてました。
宿泊は初めて?いえ何度もご利用いただいてます。
あそう…。
今日のチェックインは?ほんの2時間ほど前です。
あの人に外から電話がかかってこなかった?いいえ。
いやどうもありがとう。
刑事官…。
いやいやなんにも理屈はないんだ。
ただなんとなくだ。
(木本)井上茂の捜索はどうなってるんですか?横浜はもちろん近県にも捜査の網は広げておりますが現在のところまだ。
どうぞ。
井上の見え透いた誘導作戦にまんまと引っかかったそうじゃありませんか。
申しわけありません。
現場の指揮をしていたのは私です。
大体犯人の要求する車を与えたというのがミスじゃありませんか。
このところの人質事件というのは根気よく時間をかけて逮捕に成功しています。
経験豊かな刑事官殿も奥様が人質という事で矛先が鈍ったという事ですか。
あるいはそうかもしれません。
どうしても山下署が検挙して失敗を償わなきゃなりませんな。
そう願いたいものです。
ついては井上茂という男の事をもっと詳しく知りたいんです。
金融会社に押し入って社員を殺した容疑となっていますが…。
私がご説明致します。
被害者の勝田学さんが自分の会社のフロアで死んでいるのを翌日出勤してきた社員が発見通報したんですが…。
事件当日の夜9時頃そのビルを出て走り去っていく男を子供が追いかけておりました。
パパと言って…。
パパ。
はい。
ビルを出て走り去っていった男はその男の子の父親だと私たちは考えました。
2日後その子供をつきとめました。
と言いましてもランドセルを背負った子供がその現場のビル付近で人を探すように辺りを見回してるのを捜査員が見つけましてそれとなく尋ねてその子の父が井上茂であると確認しました。
そして現場に残された指紋が井上茂のものと一致したという事です。
まあ少なくとも本人の自供を取るまでは殺人と断定しない方がいいでしょう。
人質を取ってまで逃げる事を奴は考えてる!それでも断定しない方がいいというのがこちらの方針ですか?そちらと私どもでは事件がどれほど悪質で許せないものかという認識が違う!まあ仕方のない事ではありますがねぇ…。
井上茂がローンズひまわりに忍び込んだ理由は金ですか?それとも恨みですか?両方です。
私からお話致します。
井上茂は小さな会社を経営しておりましたが半年ほど前に不渡りを出して倒産しております。
その少し前に奥さんと離婚してますが恐らくこれも金銭の事だったと思います。
井上はあちこちに借金がありましてその中の一つがローンズひまわりです。
しかも井上茂の取り立ての担当が被害者の勝田学さんでした。
勝田さんが井上を罵ったのも2度3度ではなかったそうです。
事件の時金は奪われたんですか?いいえ。
殺してしまったんで動転したんでしょう。
ただいま。
お帰りなさい。
(吉村君恵)お帰りなさい!君恵来てたのか。
(吉村太郎)お帰りなさい。
お太郎!お前も来てたのか。
君恵亭主と揉めて逃げて来たんじゃないだろうな。
やだお父さんもう…。
君恵はね私のお見舞いに来てくれたんですよ。
あそうか。
いやーこんな時間に息子を連れて来るから勘繰りたくもなる。
警察はすぐそういうふうに考えるんだから。
いや今日気の滅入るような話を聞いたばかりだからだ。
夫婦にもいろいろある。
今幸せだからといって油断するな。
明日も幸せだという保証はなんにもない。
はいはいすぐに帰ります。
太郎帰るわよ。
はーい。
おい俺は今帰ったばかりだぞ。
もう帰らなきゃって言ってたところなのよ。
あー気が利くねありがとう。
じゃさようなら。
さようなら。
はいまたゆっくりいらっしゃい。
じゃあねお父さんお仕事ほどほどに体に気をつけてね!太郎ちゃんまたおいでね。
(2人)バイバーイ。
行こう。
気をつけて。
娘もあの歳になると可愛げないな。
家庭を持つとね気忙しいんですよ。
俺が戻ったからすぐ帰る。
そりゃないだろう。
いいえもっと早く帰りたかったんだけどお父さんの顔が見たいって今まで待ってたんですよ。
太郎忘れた。
わざとですよ。
え?何か召し上がります?風呂先にする。
明子…。
はい?お前怖い目に遭ったっていうのにショックもないのか?それがねあの人不思議に怖くなかったの。
包丁で脅かされただろう?でもね殺すとか傷つけるとかそんな気配を感じなかったのよ。
なあ明子あの井上茂って男若い男と女の話してなかったか?若い男と女?若い男といっても35ぐらいかな?名は内山五郎。
女は25ぐらいかな?名前はわからない。
内山…内山ねぇ何も言ってなかったわ。
他の名前も言ってなかったわ。
そうか…。
お風呂どうぞ。
あぁ。
奥さんどうぞお構いなく。
この度はどうもとんだご災難で異常ありませんか?はいもうこのとおりです。
あのお食事まだなんじゃございませんか?すぐにお支度できますけど。
いや宿で済ましてきましたから。
あそうですか。
じゃあごゆっくり。
おはようございます。
どうも朝早くから申しわけございません。
いやいやいや…。
どうしました?実は小倉で殺された勝田学さんについて新しい事実がわかったと知らせがありまして…彼が死んだ事で明るみに出た事なんですが帳簿に不正がありまして金額は1千万何度かに渡ってややこしい操作をしてるんだそうですがまあ結論から言いますとその1千万を横浜の銀行に振り込んでるんです。
横浜。
はい。
私はその線を調べる必要があるんじゃないかと木本警部に言ったところ警部はその必要はない。
井上茂の身柄を確保するのが先決だと一喝されまして。
しかし私としてはどうしても割り切れないところがあるんです。
わかりました。
銀行口座の事は私の方で調べましょう。
はぁありがとうございます。
「ハヤミズヨシミ」。
はい。
今架空の口座を作るのは不可能ですからね調べるのに手間はかかりません。
(電話)はい牟田でございます。
あぁ北川さん。
ちょっと待ってください。
あぁもしもしはいご苦労さん。
(北川)福岡県警からの連絡です。
「井上茂の姿を北九州市で見かけた」という確かな情報があるそうです。
えっ?北九州に井上茂が?であの木本警部たちは九州へ戻らなきゃならないんですけどところがですね河野さんの行方がわからないって言うんで木本警部ここでうろうろ…。
もうキレそうなんです。
危ない!大丈夫ですか?すいません。
どうもおケガありませんか?捕まるんですか?あの人。
うーんもううちの署の仕事じゃない。
あとで人質事件も調べる事になると思うがそりゃあまあつけ足しだ。
ありがとうございましたどうも。
ちょっとお伺いしますがこちらにお勤めの方で速水好美さんという方…。
速水さんですか?はい。
あ野菜の方におりますよ。
速水好美さんですね?
(速水好美)はい。
神奈川銀行に最近あなた名義の口座を開いてますよね?は?あはい。
あなたがそこで受け取った1千万円その金はなんでしょう?は?いやあなたの口座に1千万円振り込まれてるでしょう。
それを何度かに分けて自動で引き出してる。
知りません私。
あのこんな事言っては失礼なんですけどあなたの暮らしと1千万円は釣り合わない。
だからそんなお金知らないと言ってるでしょ。
しかしその口座はあなたの物に間違いないんです。
私は口座を作ってくれと言われてたった100円だけ入れて通帳作っただけです。
作ってくれと言われた。
誰に?それは誰ですか?あなたは頼まれて自分名義の口座を作った。
当然暗証番号を決めてディスペンサーのカードを作った。
そのカードは?あなたに頼んだその人に渡したんですね?あなたは嘘を言っていない。
信じますよ。
あなたに迷惑はかけません。
内山五郎という人です。
内山五郎。
あなたの婚約者ですね?えっ?警察っていうのは結構知ってるもんでしょ?あの人は婚約者じゃありません。
内山さん本人はそう言ってたようです。
あの人がどう言ってたかは知りませんが私にそんな気持ちはありません。
内山さんにはどこへ行けば会えますか?結婚する気もない男とホテルへ行く。
それも一度や二度じゃないわけでしょ?男にとっちゃこんな都合のいい話はないですよねぇ。
まあ羨ましいって言うかこの野郎ですね。
どうも幸せなカップルというわけにはいかないなぁ。
は?男に弱みを握られてるとしたらどうだ?だとしたら相当な弱みになりますね。
しかし彼女のプライバシーをほじくるのは筋が違う。
今俺たちが知りたい事は小倉で殺された勝田学と横浜の内山五郎との繋がりだ。
はい。
内山五郎さんにお会いしたいんですが。
社長ですか…。
それがですね昨日から出社してないんですよ。
連絡は?いいえ。
自宅のマンションに電話をしても連絡がつきません。
それでさっき…あぁ彼と一緒に社長の部屋へ行ってみたんですが社長の姿は見えませんでした。
あぁ相馬です。
社長の車の運転をしてます。
部屋に何か変わった事は?いいえ。
いやさすがに今日は心配になりましてね。
こりゃ捜索願を出した方がいいんじゃないかって今もみんなで相談してたところなんですよ。
いやそれあの…昨日相談すべき事だったんじゃないんですか?それがですね以前にもこういう事ありまして捜査願を出したところへひょっこり戻って来まして社長にも警察にも油を絞られました。
社長に最後に会ったのはどなたです?あそりゃ相馬です。
(相馬広士)はいたぶん私だと思います。
一昨日の夜10時過ぎホテルグランドサン横浜の玄関で社長を車に乗せまして自宅へ送りました。
10時半過ぎになっていたと思います。
一昨日の夜…。
はいマンション前で社長に明日は何時にお迎えに来ましょうかと訊きますと社長は出社前にちょっと会う人がいるので迎えはいらないと。
であなたは迎えに行かなかったんですか?はい。
それ以後お会いしてません。
はあ。
内山の写真もらってきました。
おぉ。
(携帯電話)はい牟田。
え?了解急行します。
(パトカーのサイレン)刑事官こちらです。
刑事官!死後2日近くは経ってるんじゃないかと検視官は言っています。
死後2日。
一昨日から翌朝…。
誰かに会う。
運転手の彼はそう言ってました。
あの…私やめます。
内山さんに会わないんですか?速水好美さんとは知り合いですか?ええ顔は知ってます。
彼女社長と…。
はい私どもも見て見ぬふりをしてました。
まあ社長は独身ですからね女の影がチラついたとしても当然ですしね。
内山さんは彼女を婚約者だと言い彼女は婚約なんかしてないって言うんです。
さあ私には社長が結婚まで考えているようには見えませんでしたがね…。
どうかね?私もそう思います。
いやー私の勝手な推測ですが彼女はむしろ内山さんから離れたがっていた。
はい。
しかしそれでも一緒にホテルへ行くっていうのはなんでしょう…。
彼女は何か弱みを握られていた。
もしかして彼女を疑ってるんじゃないでしょうね?それはないですよ。
一昨日夜あなたはホテルグランドサン横浜で内山さんと別れて…そこまでは私たちも知ってるんです。
そのあとどこへ行かれました?寮へ帰りました。
勤め先の寮。
その事を証明してくれる人いますか?2人部屋ですからそのお友達に訊いてください。
10日ほど前あなたは小倉へ行ってませんか?小倉?えぇ。
私この10日間ほど勤めを休んでいません。
都合で欠勤するお友達がいてその分まで働いていました。
私は何を調べられてるんですか?どうして小倉なんですか?門司というなら私の郷里ですが小倉は…。
門司…。
(電話)もしもしああ刑事官。
小倉の勝田学が1千万円振り込んだという例の件です。
捜査の過程は省略して結論を言いますと金を受け取っていたのは小さなプロダクションの社長内山五郎という人物だと思われます。
その内山氏から直接事情を訊きたいと思って探しておったんですが…殺されました。
え?内山という人の死亡推定時刻は?はいはい…それと井上茂が内山氏も殺した可能性もあるっちゅう事ですばい。
内山氏を殺したあと北九州へ戻った。
断定はできません。
しかし小倉と同じように頭を鈍器で殴られています。
手口が似てるのが気になるんです。
もう一つ井上茂はグランドサン横浜というホテルを探してたんです。
「そのホテルに内山もよく出入りしてたんです」なんとなくきな臭い。
えぇもちろん犯人と決めつけるわけにはいきません。
あなたのおっしゃるとおり…可能性ですな。
はいわかりました。
どうも。
(竹村のぶえ)お腹空いたね。
はい食べなさい。
何がいい?どれにしようかな?えーっとこれだ!美味しいよ。
美味しい。
フフフ…こぼすわよ。
お母さん早く早く!はいはい。
行こう!うん。
ヴォイジャー号。
わかった。
今日は日曜だから八幡のスペースワールドに客を運ぶんやな。
(悲鳴)パパ!パパ!パパ!パパー!!違う俺は殺してない。
俺はハメられたんだ。
いい加減な事を言うな!ハメた相手の名前もわからないなんて事が言いわけになると思うか!?だから俺はその男を自分で見つけ出さなきゃ助からないと思って横浜に行ったんだ。
横浜の内山五郎さん知っとるな?プロダクションの社長内山五郎さん。
知らない。
嘘をつくな!殺したろ?知らない。
(机を叩く音)お前の嘘は必ず暴いてやる!刑事官!殺された内山社長ですが本籍が戸畑です。
戸畑?北九州の…。
おい地図だ。
はい。
小倉で事件が起こり容疑者の井上それから横浜で殺された内山五郎も出身は北九州の戸畑。
速水好美が門司。
関係のある人物が次々に北九州に集まる。
刑事官ご苦労ですが…。
それで井上は自供したんですか?自供はしておりません。
自分はハメられたと言うとるんですよ。
誰に?名前は知らんと言うとるんです。
県警の木本警部が躍起になって尋問を繰り返してるんですが…。
そりゃあ木本警部でなくてもそうするでしょう。
最初に供述を聞いた時にはただ自分に都合のいい曖昧な言い逃れっていう印象だったんですがばってん何度繰り返しても供述がまったく変わらんとですよ。
まったく。
えぇすると妙なもんで疑うこっちが間違ってるんじゃないかっちゅう気がして…。
井上茂に会わせていただけますか?君と私はちょっとばかり縁があるんだ。
私は横浜の警察官なんだよ。
君がほらおばさんを人質にとって立てこもったろ?あのおばさん実は私の女房だったんだ。
君と私の縁というのはその事だ。
奥さんにケガは?あぁピンピンしてる。
すいません。
あの時逆上してて…。
それにしちゃああの替え玉の悪知恵見事だった。
とっさにあんな事してしまって…。
それがね不思議とあの人怖くなかったのよ。
殺すとか傷つけるとかそんな気配を感じなかったわ。
君について今私は白紙だ。
何度も同じ供述をする事になるだろうが私にも事情を話してくれないか?まあ多少君の事は聞いてる。
君は離婚した。
息子さんが1人奥さんが引き取った。
いや私が言う事が間違ってたら言ってくれよ。
離婚の原因は君の会社の破産だ。
しかし君が逮捕された時の様子を聞くと奥さんと子供さんと一緒に…。
いがみ合って離婚したわけじゃなさそうだね。
妻は花屋をやってました。
妻の夢でしたから…。
やっと軌道に乗ってきたところだったんです。
私の倒産の煽りをくわないように妻と子供を守るためには…。
いや…そんな簡単に決めたわけじゃありませんけども離婚という形をとるしかないと思ったんです。
そんなに女房子供を思ってる男がどうして危険を冒して会う気になったの?会ってどうするつもりだったの?警察に出頭するつもりでした。
いえ断っておきますけど出頭ですよ。
私は殺してない。
警察に出頭しても信じてもらえそうもない。
だから自分で手掛かりをつかむというつもりだったんじゃないの?そうです。
しかし自分ひとりで動いてみてもどうにもならない事がわかったんです。
人質までとって逃げようとした自分が怖くなった。
妻と子供の顔見れば自分を取り戻せる。
そしたら勇気を出して警察に行って話を聞いてもらおうと思ったんです。
小倉のローンズひまわりの事件の事を話してくれるかな?事件の2日前の晩…。
「井上さんでしょ?井上茂さんですね」とその男は言いました。
濃いサングラスをかけてました。
ひげがありました。
「あんた困ってますね」とその男は切り出しました。
ローンズひまわりにある私の借金の事知ってるんです。
担当が勝田学だという事も知っていました。
それについて一肌脱いでもいいと言うんです。
勝田学の弱みをしっかり握ってるというんです。
話しようによっては借金を抹消する事もできると…。
話がうますぎるじゃないの。
いやもちろん私もそう思いましたが彼は成功したらそれなりの報酬はもらうと言うんです。
それで納得したの?いえ男はとにかく勝田学に会おうと言いました。
会った上で自分が言ってる事がほんとか嘘か見極めればいい。
嫌なら嫌でいいんだよと。
とりあえず勝田と会って話すだけなら…。
今はこの男に断ってしまうのも惜しい気がして。
事件のあったあの日夜9時勝田一人を待たせておくから会おうという事になりました。
場所はローンズひまわりの事務所です。
(ノック)ためらいはありましたが結局私は約束した時間に…。
どなたかいらっしゃいませんか?ああっ…。
そのあと君が横浜行ったのはどういうわけ?ホテルグランドサン横浜はどこだと尋ねたんだよね?はい。
私のたった一つの手掛かりでした。
その男と話してる時彼の携帯電話が鳴ったんです。
男を見るとそれは目上の人からかかってきた様子でした。
その時「ホテルグランドサン横浜ですね?わかりました」とそれだけ聞こえたんです。
ホテルグランドサン横浜その男を見つけ出すにはそれ以外なんの手掛かりもありませんでした。
その男の名は?いや知りません。
君は訊こうともしなかったの?いや聞きました。
でもそいつは褒められた事をするわけじゃないんだから名は言わないと言いました。
特徴は?背は私ぐらいで帽子を被ってて…。
顔に何か?いやサングラスかけてたんで…。
それにこうひげが…。
ただあとで思い出してみるとあのひげは付けてたのかもしれません。
どうも君の話を聞いてると胡散臭いな。
そんな男の口車に乗ってノコノコと出かけて行くもんかね?とりあえず1回目の話をするだけだとそいつは言ったんです。
私は切羽詰ってました。
まず話すだけだと言うんだから行ったっていいじゃありませんか。
信じてください!お願いします。
嘘言ってません。
私はダメな男です。
グズです。
でも息子が…。
お前の親父は人殺しだ。
お前は人殺しの息子だって言われたら…。
取り返しつきません。
俺じゃない…俺じゃない…。
俺じゃないです…。
信じてください…。
念のために横浜の内山五郎という人殺した?私はそんな男知らない。
私は人なんか殺してない。
県警の木本警部には内緒ですが私は井上茂がハメられたという供述を信じてみようかという気になってます。
今のところただ勘としか言いようがないんですが小倉の事件と横浜の内山五郎氏の殺された事件は根が一つという気がして仕方がないんです。
私の方は横浜の連中に内山殺しの周辺を徹底的に洗うように頼みました。
とりあえずあの内山プロダクションの会社登記はちょうど2年前。
彼が横浜へ住民登録をしているのもその頃。
とだけわかりました。
移転する前の住所は小倉です。
内山氏が小倉にいた頃に遡って調べたいんですね。
承知しました。
それじゃ。
(井上)息子が…お前の親父は人殺しだ。
お前は人殺しの息子だと言われたら…。
取り返しがつきません。
助けてください。
すいません。
何か乗りたいものがあるんだろ?私にもあなたの坊やよりも少し小さい孫がいるんですええ。
男の子です。
あの子は自分のせいで父親が警察に捕まったと思ってるんです。
井上は人を殺せるような人間じゃありません。
直樹君と言ったね。
あの晩お父さんを見つけてパパと言って追いかけた時の事なんだが…。
やめてください!あの時の事おじさんにもう一度話して欲しいんだ。
この子にはもう…。
おじさんはね君のお父さんを助けたい。
よーく思い出してもう一度話してくれないか?この子は学習塾の帰りだったんですけど前を行く男の人が父親に似てると思ってあとを付いていったそうです。
そうね?でも見失ってしまって諦めて帰ろうとした時その人がビルから出て来て今度は間違いないと思ったから「パパ」って声をかえると…。
走って逃げた。
でも車の光でパパの顔が見えた。
その時君はパパの事ばかりに気を取られていて他の事が気づかなかった。
しかし何か他に変わった事があったかもしれないぞ。
思い出してみてくれ。
えー他に何か変わった事はなかったのか。
誰か他の人影を見なかったか。
パパを見つける前でもいい。
見つけたあとでもいい。
何か変わった事なかったかぁ?
(遊園地の音)パパ?人にぶつかっただけ。
ん?人にぶつかった。
僕は転んだけどその人は僕を見ただけで行ってしまった。
手を貸してくれなかったの?僕はすぐに起きたから。
しかし声もかけてくれなかったの?顔は見た?ちょっと。
うんどんな顔をしてたか覚えてる?サングラスをしてたから…。
サングラス!ひげは?他に何か思い出せないかな?何でもいい。
いやどうもありがとう。
刑事官お待ちしておりました!内山五郎と勝田学が繋がりました。
え?内山は横浜に移転する前に小倉で内山企画という小さな制作プロダクションを経営しておりました。
制作プロダクションと言っても大きな町ではないですけん小さな商店のCMとか折込広告のデザインとか…。
ところがです。
取引先の一つにローンズひまわりがあったんです。
うーんありましたか。
はい。
しかもその当時ローンズひまわりの内山企画に対する窓口担当が勝田学だったとです。
そうですか…繋がりましたか。
はいつながりました。
しかし繋がったのは被害者の2人ですよ。
私たち横浜の内山の周辺は洗ってますが小倉の勝田の周辺には疎いんですよ。
はい。
勝田の私物とか会社のロッカーとか保存してありますか?はいそりゃもう。
警察で預かっております。
ご覧になられますか?詳細に調べましたが手掛かりになるようなものは発見できませんでした。
2年前ですね…内山が横浜に移転したのも2年前ですね。
刑事官この女性ば知っとられると?内山五郎の婚約者です。
は?いや内山五郎がつきまとっていた女と言うべきかもしれません。
あっこれですか…。
そうですかもう2年も経ちましたか。
いや実はですねこれ縁起でもないって見送りになった企画なんです。
縁起でもない?どういう事ですか?あのな順を追って話しますと2年前うちで宣伝用にポケットティッシュを配る事になりましてこれに差し込むこの部分のモデルの女の子を決める時の資料です。
女の子は2人使ったとですか?いやこういうのはたくさん候補が集まりますんで何度か選考して絞っていくんです。
で最後にこの2人が残りましてさあどっちにするかというところまでいったんですがこの女の子の方がですね。
速水好美が。
辞退したいと言ってきたんです。
辞退…やめるて?ええ。
なんでも電話で言ってきたそうなんです。
電話じゃなくて会社に来るようにって勝田君は言ったそうです。
でも来ませんでした。
それで最終的にこっちの子に決めました。
ちっとも縁起の悪か話じゃなかとですが?いやところがですねスチール撮影をする予定のほんの何日か前にこの子が関門海峡に浮かんだんです。
死んだ。
はい。
ああ思い出した。
所轄が違いますけん詳しい事はわかりませんがモデルの女の子の水死体が壇ノ浦に流れ着いたという事がありました。
平家が源氏に滅ぼされたあの壇ノ浦です。
捜査の結果は事故っちゅう事になったと記憶してます。
こっちが死んだんなら速水好美の方で企画を実現しようという事になったんじゃありませんか?業界というのはそういうものでしょう。
いやところが制作プロダクションの方がですね仕事をやめたいと言ってきたんです。
内山企画が仕事をやめたいと言ってきたので企画が流れたわけですか?ええうちの勝田君も縁起でもないからと言い出しましてね。
内山五郎と速水好美の出会いはまそういう事なんだ。
「その後2人は特別な関係になってる」2年前2人は同じ頃横浜に移転している。
でもっと気になるのはまどちらかというと華やかなモデルに憧れていた速水が横浜のスーパーでひっそりと働いている。
いや2人の男を彼女が殺したとは考えにくい。
犯人にたどり着くための糸口だという気がしてるんだ。
わかりました。
速水好美の身柄を確保して調べます。
中山行くぞ!
(携帯電話)はい牟田です。
え?速水好美が休暇取ってる?寮にいないのか?ああ…。
わかった。
はい好美は私の亡くなった姉の娘で中学生の時にうちんとこに引き取りましたばってん。
高校卒業したらうちにはあんまりおりませんでしたばい。
郷里行くっちゅうて休暇ばとっとるちゅう事ですが。
さあうちには来とりませんばい。
郷里って言うたっちゃあの子にはどこが郷里か。
私はですねうちの子と好美ばわけ隔てせんようにしてきたつもりばってんあん子はどうもうちが好きじゃなかったようでしょう。
魚臭かでしょうが!ハハハハッ!あの子はちょっと派手なところがありましたけんね。
ええモデルになりたがってました。
はい。
うちの父ちゃんが反対でした。
ばってんあの子が2〜3つ仕事ばして写真の出たら漁師仲間に大喜びで自慢して見せて回りよりました。
それがどうしてモデルをやめて横浜へ移っていったんでしょう?さあてね…。
モデルっていったっちゃこげん小さい町じゃどげんもならんけん。
それで都会に出て行ったっちゃなかですかね。
都会に出て行ったっちゃ道の開けるもんじゃなか。
世の中そげん甘かもんじゃなかですばい。
あの誰かに誘われて横浜に出て行ったって事はありませんか?あははっ…。
いや例えば今あなたおっしゃったでしょ。
小さな町ではなんだから都会へ出てこないかと誘った人がいた。
あー内山五郎が。
この人です。
いやぁ〜ははっ…。
好美さんの立ち寄りそうなところ心当たりありませんか?さあ?あの…。
好美がうちを出てった時に忘れてったもんですばい。
こん中に友達と一緒に写った写真があるけん見たら思い出すかもしれません。
門司ですねこれは。
門司ですね。
ええ横浜じゃない門司です。
刑事官。
相馬広士…。
内山五郎の車の運転手です。
そうか…そういう事だったのか。
わかりました。
相馬広士…。
内山五郎が殺された時の相馬のアリバイは彼の申し立てをこっちが信じてしまっただけだ。
もう一度洗い直して欲しい。
あそれと小倉で事件があった時の彼のアリバイ。
ひょっとして会社を休んで小倉を往復してるかもしれない。
(刑事たち)はい。
相馬会社辞めましたよ。
何!?いつ?社長の葬儀の日に辞表を出しましてね。
(携帯電話)ああ。
そうか…相馬は住まいも引き払ってんのか…。
うん重要参考人として手配。
下関東署ですか?実はそちらで2年前に扱われたモデルの女の子の水死事故の件につきましてその時の捜査状況を詳しくお訊きしたいと思いまして…。
河野さん!何をくだらない電話をしてるんですか?ファクスで送ってください。
以上が牟田刑事官の結論です。
私を無視してきたのか。
いやそげんこつはなかですばい。
私はその…。
弁解はいらない!わかった。
警察の面子で無実の人間を無理矢理罪人にするなんて許される事じゃない。
とにかく刑事官のいう相馬広士という男を私たちの手で逮捕する。
横浜山下署じゃない。
小倉の所轄と県警の我々で逮捕する。
あっどうも…。
これが2年前のモデル水死事故の捜査資料です。
あっどうも。
私ここにいるわけにいきませんので。
それじゃあまた。
わざわざどうも!
(電話)
(フロント係)牟田様お電話が入っております。
ああどうも。
もしもし。
ああ速水好美さんの叔母さん。
え?好美さんが!?はいわかりました。
どうもありがとう。
どうして急に郷里へ帰る気になったの?なんだか突然…。
相馬広士君と一緒にじゃないの?え?2年前関門海峡の壇ノ浦で若い女性の水死体が発見された。
どうして突然そんな事を言うんですか?こういう場合警察では自殺他殺事故といろんな角度で調べるんだが何もわからなかった。
事件性もなければ自殺の動機もない。
結局事故という結論で終わった。
でも私はちょっと悲しい物語を作ってみた。
その2年前この辺りにモデルを夢に見る若い女性がいた。
その彼女にいい話が舞い込んできたんだよ。
ある会社で宣伝に使うポケットティッシュの広告のモデルの話だ。
何度か選考して最後に2人だけ残った。
ところがそれが決定するはずの日になってもなんの連絡もこない。
1日経ち2日過ぎ内山企画という制作会社に電話をしてみたらもう1人の子に決定したっていうじゃないか。
外されたその子は内山企画に行く。
なぜそうなったのか。
訊きたかった。
だけど君がローンズひまわりに直接電話して降りるって言ったんだろ?私そんな電話しません。
してません!そう君の君のライバルの女の子が君になりすまして辞退すると言ったんだ。
それを知った君がその子と対決したいと思ったのは当然の事だ。
段取りをしてくれたのは内山五郎と勝田学。
その場所ははっきりわからないが海峡を見下ろせる場所だ。
女2人言い争いになった。
そして故意にではないが…。
(悲鳴)警察へ行ってありのままに話そうと思いました。
言いわけにもなりませんが内山さんと勝田さんに止められました。
秘密は絶対に守ってやると…。
はい…。
でも…。
ほらっ!ちょっと嫌…。
静かにしろほら!しかし君には恋人がいた。
相馬広士。
どうしてこの頃俺が誘ってもこないんだ?忙しいのよ…。
好美ちゃん俺と結婚しよう。
結婚してくれ!ダメなの…ダメなのよ!どうして?どうして!好美ちゃん…好美ちゃん!ダメなの…。
(好美の嗚咽)私は相馬さんに話しました。
死なせてしまった彼女の事。
それから内山と勝田に繰り返し受けた恥かしい事。
内山は横浜で仕事を始めるから付いてこいと言いました。
逆らえません。
勝田は時々ふらっと横浜へやって来て私をホテルに呼ぶんです。
相馬さんとはもうあれっきり縁はなくなったと思っていました。
しかし彼は我慢できなかった。
怒りが募っていった。
私は彼と一緒にここへ来たんじゃありません。
彼を探しに来たんです。
相馬さんが2人を殺したんではないかと思ったのは内山が殺されたあとでした。
本当に私は相馬さんが内山の会社に勤めた事も知らなかったんです。
早くに知っていれば相馬さんと話し合う事もできたし止める事もできました。
なぜ彼を探しに来たんです?ひょっとしてまたもう1人命を狙うかもしれない。
それだけはやめさせたい。
誰を!?子供です。
子供?相馬さんはローンズひまわりの勝田を殺したあと子供にぶつかって顔を見られたと言っていました。
相馬広士が事件に巻き込んだ男の息子だ。
君は事件のあとで彼と話をしたんだね。
はい彼はみんな話しました。
相馬さんは様子を探るために内山の会社に入社したんです。
そこで…内山が勝田を脅して大金を入金させた事を知ったと言っていました。
勝田はいい家のお嬢さんと婚約したんだそうです。
その事で昔の悪事をばらすって…。
相馬さんは初めから2人を殺すつもりなんかなかったんです。
ただ2人を痛めつけてやろうと思っていたんです。
でもどいつもこいつもまだ悪どい事を続けていると思ったら我慢ができなくなったと…。
相馬さんは…。
君は黙って聞いてたの?いいえ。
私一緒に行くから自首しましょう。
相馬さん…。
あいつら2人のために俺が罰を受けるなんて…割に合わない。
俺の事は…忘れろ。
相馬さんを探してください。
2年前のあの時私が勇気を出して自首していればそれで終わったんです。
あとの事は起こらなかったんです。
私が一番の罪です。
警察へは1人で入りなさい。
警察が追っていないのに自分の意志で出頭する。
それが自首というものだ。
(子供たちの声)
(子供たち)バイバーイ!
(電車の音)ごめん…。
相馬広士だね?刑事官おかげさまで…。
小倉中央署のお手柄です。
ありがとうございました。
相馬広士は今どこに?あっ木本警部が取り調べ中です。
(ノック)刑事官!いや尋問はしません。
たった一つ彼の心の中を尋ねておきたいんです。
あなたはなぜあの子を殺せなかったんですか?私は…。
私は人を殺すなんて…。
何を言ってるんだ!お前は2人もやってるんだぞ!私は人殺しになんてなりたくなかった。
それにあの子…。
そう人を殺すなんてどんな理由があろうと許される事じゃない。
しかしあの時あなたはあの子を殺せばあの子の父親井上さんと母親が深く悲しまれる。
罪のない井上さんを今まで苦しめその上これまで以上の苦しみを与えてしまう。
そんな事はどうしてもできない。
そう思ったんじゃありませんか?はい。
私は好美…彼女と結婚して…子供と平凡でもいい楽しい家庭を作りたかった。
刑事さん。
私は自分の罪を逃れようとは思いません。
でも彼女はやり直せます。
(相馬)まだ若いんだから幸せになれます。
幸せになってくれ…。
彼女にそう言ってやってください。
乗んなさい。
パパー!直樹!パパー!直樹!直樹!!おじさん!はいいってらっしゃい!あっそうか君たち宿直か。
残念だな。
どうぞご遠慮なく。
北川君この2人が無様に酔っぱらわないようによろしく頼むよ。
はいよーく監視致します。
(笑い)よーし出発進行だ。
いってきます!いってらっしゃい!どうもお疲れ様でした。
(談笑)刑事官ほんとにご苦労様でした。
あのカバンお持ちします。
ほいありがとう。
あー!なんかご馳走してもらおうと思ってるでしょ!そんな事ないですよ!刑事官今日はどこ行きましょうか?カラオケなしで願いたいな。
(笑い)そうねそうね…。
お帰りなさい!ただいま〜。
あーお疲れ様。
あら飲んでらっしゃるんですか?あこんなとこに寝ないで。
ね起きてください。
よし…いいんだよ大丈夫…。
大丈夫ですか?大丈夫…。
よいしょ。
お疲れ様でしたねぇ。
全然酔ってない!ふふふっあーあー。
大丈夫?いやいやいい…。
おい明子。
お前の目も確かなもんだよ!え?お前が睨んだとおりお前を人質にした男は悪い奴じゃなかった。
そう!お前も伊達に年取ったわけじゃないな。
ふふふっ憎まれ口に聞こえますよ。
(笑い)えー…いやぁ〜。
あー!ダメですよそんなところに寝ちゃ。
お父さん重いんだもん。
大丈夫…。
ね向こうへ行って寝ましょ。
明子!明子!はーい?感謝しとる!非常に感謝しとる!お父さん酔っぱらってますね。
さ起きてください。
頑張ってね。
九州にしてったやつがいいな。
あらあれがいいんですか?これ気に入ってるんですか?うん…。
いってらっしゃい。
おはよう。
おっ君恵なんだ?太郎送ってきたところなの。
これ似合うじゃない!え?このネクタイねあの事件の日にねお母さんが買ったもんなの。
君恵!いってらっしゃい!2014/05/21(水) 13:05〜14:56
ABCテレビ1
牟田刑事官事件ファイル[再][字]
関門海峡−横浜連続殺人にナゾの女!人質になった妻を牟田は救えるか…
詳細情報
◇出演者
小林桂樹、黒沢年男、中山忍、遠藤憲一 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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