(後藤)
あなたの「忘れられない味」は何ですか?
料理にはそのおいしい味と一緒にたくさんの思い出が詰まっています
味と共によみがえる懐かしい情景
食卓で育んだ家族の幸せ
料理を作る人と食べる人それぞれの気持ちが響き合って生まれる「忘れられない味」の物語です
エッセー「私の忘れられない味」。
「きょうの料理」で募集して3年近くたちます。
全国から550通を超えるお便り寄せられました。
こちらがその一覧です。
代々伝わる家庭の味や故郷の料理懐かしい食卓のひとときや何年たっても色あせない一皿。
7歳から100歳近い方までさまざまなエピソードを送って頂きました。
「きょうの料理」ではこれまでミニコーナーでご紹介してきましたが今日は9つのエッセーをまとめてご紹介いたします。
最初は…「私が小さな頃田植えの日の炊事場は女たちでいっぱいになり包丁の音やかしましいおしゃべりが重なってとても華やかだった。
そして酢飯に具が『よいしょ』と入る。
手早く数人が混ぜ子供たちは懸命にうちわであおぐ。
たまらなくおいしそうな匂いに唾を飲み込む」。
「『おまぜ』をリヤカーに積み田に向かう」。
「あぜ道に座ってみんなで『おまぜ』を頂く。
にんじんやしいたけなどいろいろな味が広がる。
『おいしいよ〜』と歓声が起こる。
青空の下苗たなびく風景を前に幸せを感じた」。
「あれから50年。
今そこはコンビニになっている。
でもそこに行く度楽しかったあの日と『おまぜ』の味を思い出す」。
「何もない時代だったが老若男女一緒に食した一品が忘れられない」。
「父は慣れた手つきでいりこを刻む」。
(いりこを刻む音)「ジョリジョリ。
音だけできょうだい4人みんな生唾を飲み込む」。
「いりことみそをカガスですり潰し七輪にのせるとみそのこんがりとした匂いがしてくる。
みんなおなかが鳴るのを抑えきれない」。
「私たちはカガスを押さえ父はゴリゴリとみそと水を混ぜていく」。
「母が刻みねぎやみょうがなどを混ぜ合わせ冷たいご飯に注ぐと『さつま』の出来上がり。
すり残したいりこがご飯にのっかりコリッとしていておいしかった。
貧しいながらも楽しい晩ご飯だった」。
「父は亡くなったが『さつま』は私たちの食卓に上り続ける。
『食事は楽しくそしてみんな元気で』。
父のモットーは我が家に生き続けている」。
「亡き母の味は黒砂糖たっぷり大鍋で煮詰めた絶品の『結びコンブ』です。
コンブは旬に採れた釜石産。
母の友人の佐々木さんご夫婦が20年以上前から毎年届けてくれていました」。
「そして東日本大震災。
ご夫婦の安否が分からないまま1か月過ぎた頃突然の電話」。
「『元気だヨ!知人からコンブを分けてもらって届けるから』。
『元気なの?よかった…』。
でも今年はとてもとてもとんでもない…」。
「そして笑顔でコンブをどっさり。
とにかく感謝!」。
「被害にも負けず強く生きる姿に感動!」。
「そのコンブで作った『結びコンブ』の味に感激!」。
「母が結んでくれた佐々木さんご夫婦との絆。
少しでもあの母の味に近づけるよう毎年作り続けている」。
は〜。
ねぇ…。
コンブのエッセーもそうなんですけれども食材ですとかお料理が人と人とをどんどん結び付けていくっていうのはすごく力のあるものなんだなと感じますね。
改めてそう感じますよね。
そしてあぜ道でね食べたりあるいは大勢で食卓を囲んだりっていうのも実は私も大家族の中でね育ったもんですからそれだけでねとってもおいしい料理になったりご飯になったりしますよね。
「懐かしい食卓の風景」や「その土地に根ざした味」のエッセー他にもたくさんお寄せ頂いております。
こちらはお彼岸やお盆にご近所さん同士で料理を分担し分け合っているというお話でした。
そしてその下。
こちら台所の神様に毎月2回「まぜごはん」をお供えしているという岡山県の方からお話寄せて頂きました。
お寄せ頂いたエッセーにはふるさとの料理や食卓の風景など私たちの日本人の食との関わりが家族の息遣いと共に記録されていました。
こちらはですね「忘れられない味」を学校で見ていると。
静岡県の複数の高校では家庭科の授業でこの番組を見たり生徒一人一人が思い出を書いて食について考えるという授業が行われているそうです。
「忘れられない味」について考えてみるって事はねふだん何気なく食べている料理の大切さっていうものを改めて見つめ直すいい機会になるんじゃないかなと思いますよね。
はい。
さあ続いては…「料理が苦手だった母が『孫のためならエンヤコラ!』と作ってくれたのがすりおろしたじゃがいもにたまねぎとひき肉を混ぜたポテトハンバーグでした」。
「表面はこんがりと香ばしく中は甘くてモッチモチ」。
「子供たちは『これとってもおいしいよ』と大喜び。
『おばあちゃんハンバーグ』と呼び我が家の定番になりました」。
「『え〜!おばあちゃんがこんなハイカラなものを…』とびっくりしたのですが食糧難の時代に肉抜きで作っていたのだとか。
配給されたじゃがいもを少しでも味良くおなかがいっぱいになるようにと工夫したのだそうです」。
「今では私がおばあちゃんになり孫たちに作っています。
以前は考えられなかった飽食の時代になりましたが目を輝かせながら食べる子供たちの姿はあのころも今も変わりません」。
「『鉄分不足にはレバーよ!』。
子供の頃レバーを煮た料理が夕食に出た。
食べる事が大好きで好き嫌いはないと思っていたのにどうしても食べられない。
母がいつもより明るい声で言う。
『お茶と一緒に飲み込んでしまいなさい』。
頑張ってお茶でレバーを流し込んだ。
ついでに鼻もつまんだ」。
「そんな私も結婚をし娘を授かった。
娘が喜んで食べられるレバー料理を考えよう。
私が子供の頃に苦手だったレバーの臭みを隠したものがよい」。
「娘が大好きなバナナやミルクを組み合わせてみた」。
「作って食べさせると『う〜ん』と笑顔で喜んで食べてくれる」。
『お茶と一緒に飲み込みなさい』と言わなくて済んで本当によかった」。
「クンクンクン。
何だろう?ふんわり甘い香りと草の匂い。
初めて見る緑色のホットケーキ。
『おいしいよ』と母はほほ笑んでいる。
『いただきま〜す』。
大きめに切って頬張る。
『苦いけどおいしい!』私は初めてヨモギの香りとほろ苦い味を覚えた」。
「妹が生まれて忙しくしていた母が久しぶりに作ってくれたおやつ。
『あまり構ってあげられなくてごめんね』と『頑張って!』母の思いが込められているように感じた」。
「今でもヨモギの匂いを嗅ぐと母からのエールのようなものを思い出す。
私はもうすぐお嫁に行く。
母の味と香りの記憶を携えて。
今伝えたい。
お母さんのように味の記憶と共に思い出を紡いでいけるすてきな家庭を築いていきたいと。
そして34年間ありがとう」。
いや〜やっぱりいろんな思いが込められた料理のエッセーねほんとに他にもたくさん頂いております。
家族や大切な人への思いから生まれる新しい料理とか新しい味。
これはもう今も昔も変わりませんね。
そうですよね。
今回エッセーを読ませて頂いてとても印象的に残ったのがもう何年も何十年も前の話なのにその時の様子ですとか香りとかディテールが細か〜く書かれてた事なんですね。
ほんとに思い出の料理を味わうとたちまち懐かしい時代にタイムスリップするような例えばその時の情景とか音や匂いまでねよみがえってくるそんなふうに書いて下さった方もねたくさんいらっしゃいましたね。
思い出の料理のレシピは残っていなかったけれども舌が味を覚えていてその記憶を頼りに料理を再現してみたという方も多くいらっしゃいました。
味の記憶っていうのはほんとに特に強くて鮮明に心に刻まれているのかもしれませんね。
さあ次はつらい時に…「それはあれば必ず箸がのびた。
いつも隅っこにあった地味なおかず。
それを食べるとよみがえる。
台所に立つ母。
みそ汁を慎重にすする猫舌な父。
隣にいたきょうだいたち。
そして優しい祖母」。
「1人暮らしを始め作ってみたけれど簡単なはずなのに出来なかった。
それでもやっぱり食べたくて何度も繰り返すうちに分かってきた。
切り方と焦らずにじっくりと炒める事だった。
それが分かった時暑い台所で祖母が母がしてきてくれた事が身にしみて『いつものピーマン』がにじんでしまった。
それは私が1人ではない事を思い出させ温かいもので包んでくれる。
それはどこにも売っていないから自分で作るしかない。
作っては食べるを繰り返す。
そうしていたらきっとみんなを忘れない」。
「ある日深夜に帰宅した私に祖母が『ラーメンでも食べるか?』と聞いてきた」。
「おなかもすいてなかったし別に要らないのにと思った。
でも黙っていた」。
「祖母の後ろ姿は小さく包丁を握る手つきは心もとない。
しかしその表情はいきいきとしていた」。
「間もなく出来上がったシンプルなラーメン。
透明なスープにねぎと卵が映えごまの香味が食欲をそそる。
気付けば夢中で頬張りながら時々どちらともなく目を合わせては笑みをこぼした」。
「祖母は他界したがあの夜の思い出はいまだにほっこりと私の心を温める。
そして寂しい時つらい時には一人あのラーメンを作る。
その湯気の向こうにあの日の祖母の笑顔を感じながら」。
「おばあちゃんありがとう。
あなたのおかげで私はあしたも頑張れます」。
「7歳になる娘が『自分もエッセーを書きたい』と言いました。
娘は2歳の頃私と一緒に海で溺れそうになりました。
私はしばらく入院しましたがその間娘は必死にさみしさに耐え一度も泣かなかったそうです。
娘のつらい思い出が楽しい思い出に変わる事を願っています」。
「3歳くらいの時ママがクッキーを焼いてくれました。
ふわ〜っと広がって甘い匂いにあふれていました」。
「でもそんなある日海に行きママが倒れていました。
パトロールカーまで来てふうかは必死になりました」。
「でもあの味は何もとけはしませんでした。
2014/05/22(木) 11:00〜11:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理「私の忘れられない味」[字]
心に残る料理のエッセイ「私の忘れられない味」の特集。ふるさとの懐かしい味や情景、食卓で育んだ幸せ、力づけてくれた味など、視聴者から寄せられた心温まる物語を紹介。
詳細情報
番組内容
エッセイ「私の忘れられない味」の募集を始めてから3年近く、7歳から100歳近い方まで、視聴者から寄せられた便りは550通を超えた。その一通一通に、料理をつくる人と食べる人、それぞれの気持ちが響きあって生まれる物語がある。今回は「懐かしい食卓の風景や土地に根ざした味」「大切な人へのおもいから生まれた味」「つらい時に力づけてくれた味」の3つのテーマで、人生を味わい深くしてくれる料理のエピソードを紹介。
出演者
【司会】後藤繁榮,與芝由三栄
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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