聖母・聖美物語 #39【恋の静岡篇〜新生活】 2014.05.23


(峻)陽君。
大丈夫?
(峻)おなかすいたでしょ?食べて。
(陽)嫌いになったんじゃないよね?
(峻)えっ?
(陽)ママ。
僕のこと嫌いになったんじゃないよね?
(峻)違うよ。
それは絶対に違う。
じゃあ何で?ママ。
何か悪いことしたの?だからおうちにいられなくなったの?きっと何か僕らには分からない大人だけの理由があるんだよ。
でもママはいつだって陽君のことを一番に考えてる。
それだけは間違いないから。
分かんない。
僕には分かんない。
僕に分かんないんだもん。
ひかりちゃんにはもっと分かんないよね。
僕はかわいそう。
小さいひかりちゃんはもっとかわいそう。

(呼び出し音)
(百合子)ハァ…。

(呼び出し音)・
(愛美)今日も来てないの?諏訪先生。
あの生真面目さんが2日も無断欠勤なんてね。
あれ?これってもしかして例の?
(愛美)まさか姉さんとどっかで落ち合う約束だったなんてことないわよね?
(百合子)ショックを受けているだけです先生は。
奥さまが出ていかれたことを知って。
2人が落ち合うなんてことは絶対に。
(愛美)じゃなきゃ姉さん。
とんでもない大ぼら吹きってことになるわよね。
殊勝なこと言ってたらしいわよ。
関係のない諏訪さんに迷惑は掛けられないって。
そのくらいの嘘平気でつく女だけどね。
こぶ付きで愛の逃避行なんて様にならないし陽を置いていくことになって案外喜んでたのかも。
(百合子)諏訪先生はそんな人じゃない。
どんなに奥さんのことが好きだって黙っていなくなるような無責任なことはしない。
先生を信じてる子供たちに何にも言わずに自分の都合で見捨てるようなことができる人じゃないんです。
あんたも黙って見捨てられた口じゃないの。
職場で長年連れ添って女房気取りでいたんでしょう?なのにトンビに油揚げさらわれちゃった。
(愛美)フッ。
脈がないことぐらい分かりそうなもんなのに必死こいて追い掛けて取り戻したくて姑息な手を使って2人の間を引き離そうとした。
だから私に言ったんでしょう?あの家を出てけって。
そうすれば姉さん夫婦は元のさやに収まって諏訪先生はあんたの元に戻ってくる。
それがあんたの筋書きだった。
でもちょっと引っ掛かるんだよな。
そんな単純な話だったのかどうか。
ホントに思ってた?泣き付けば私が出てくって。
私そんなやわな女に見えたかしら?よしんばうまくいったとしたって諏訪先生が手に入る保証があるわけじゃなし。
手に入れようなんて思ってません。
私はただ先生と2人子供たちと穏やかに向き合っていられさえすれば。
(愛美)かまととぶるんじゃないよ。
いき遅れ。
要するにあんた姉さんと諏訪先生のことを暴露して騒ぎにしたかっただけなんでしょう?私が引っかき回してわめき立てれば姉さんだって男によろめくような恥知らずなまねはできなくなる。
それが狙いだったんでしょう?そこから先は諏訪先生しだい。
戻ってくればあんたの勝ち。
戻らなければあんたは負ける。
どっちにしても私の勝ちです。
奥さまは一番大切なものを失ったんだから。
大切なもの?まさか陽のことを?男じゃ埋められない愛が女にはある。
私数えきれないほど親子の愛を…。
母と子の愛を見てきましたから。
(聖美)何もかも失ったわ。
(聖美)これで満足?お母さん。
(佳代子)《病気の私を見捨ててそんなうちに嫁にいきたいの?》
(佳代子)《やめちまえ。
そんな結婚ぶっ壊れちまえ》《あんた間違いなく不幸になるよ》全てあなたの思いどおり。
お母さんの言うことを聞かなかった親不孝な娘は生きたまま地獄に落とされるに等しいひどい罰を受けました。
もう十分でしょ?お母さん。
もういいよね?もう気が済んだよね?こっちのことは忘れてちゃんと成仏してくれるよね?約束して。
もうこの世に未練は残さないって。
満たされなかった思いを陽やひかりに向けるようなことはしないって。
それさえ約束してくれたら私これからはずっとお母さんのそばにいる。
どんなに理不尽なこと言われたって逆らわない。
いい子になって何でも言うこと聞いてあげるから。
今そこへ行く。
お願いよお母さん。

(諏訪)やめろ聖美さん!諏訪先生。

(諏訪)どうして?どうして!なぜこんなことを。
何で僕を信じてくれなかったんです。
(諏訪)あなたを守るって言ったのに。
どうすればもう一度あなたに会えるのか。
死に物狂いで捜し回ってやっとここにたどりついたんです。
僕も全部捨てました。
残っているのはこの命だけ。
この命だってあなたに捧げる覚悟でここまで来たんです。
だから死なないで!死のうと思ったんならホントに死んだ気になって一からやり直せばいい。
なくしたはずの命をたまたま拾った。
そのつもりで残った時間を僕と温め合って。
わずかなぬくもりでも2人で分かち合えば温まる。
小さな愛に小さな明かりを灯して寄り添えば穏やかな幸せが満ちてくる。
あなたには修羅のちまたより優しい花の庭が似合います。
でも…。
2人で生きていこう。
・「七宝充満の宝を降らし」・「国土にこれを施したもう」
(波津子)あっ。
アハハ。
いやぁ。
おかえり。
陽。
(陽)ただいま。
(波津子)学校どうだった?給食ちゃんと食べられた?あーあ。
すっかり愛想がなくなっちゃって。
ひかりちゃん。
いやぁ。
ご機嫌いいでちゅねぇ。
うん?ねえ。
(波津子)ひかりはお能が好きみたいよ。
お稽古してるとホントにおとなしくてご機嫌がよくて。
(愛美)お母さまの才能受け継いだんですねきっと。
(波津子)特に『羽衣』が好きみたい。
(愛美)『羽衣』?
(波津子)『羽衣』っていえば月からやって来た天女でしょう?ひかりだって天から授かった天女さまみたいなもんだもの。
何か通じるもんがあるんでしょ。
ああ。
ごちそうさま。
お先に。
(愛美)お粗末さまでした。
おやすみ。
(峻)おやすみなさい。
(陽)おやすみなさい。
(愛美)ったく。
何が天女よ。
ひかりは空から降ってきた宇宙人じゃないっつうの。
(繁郎)食欲ないみたいだね陽。
うん?どれどれ。
うーん。
お熱はないね。
今夜は早めに寝ようか。
おいで。
あっ。
峻。
あんたもう食べ終わったんでしょう?だったら陽君。
2階へ連れてってやって。
(峻)ああ。
ああ。
いいんだ僕ももう。
うん。
(愛美)まだちっとも食べてない。
ねえ。
これなんかどうかな?ワインに合うと思って作ってみたんだけど。
ああ。
うん。
(愛美)陽君もお熱がないなら大丈夫よね?じゃあ後で行くから。
いつものお薬ちゃんと飲むんだよ。
うん。
ごめんね峻君。
(峻)あっうん。
行こっか。
大丈夫?うーん。
ちょっと顔色よくないな。
(愛美)ねえ。
食べて食べて食べて。
うん?ああ。
はい。
ねえ。
お味どう?おいしい?うん。
ねえ。
ちゃんとこっち向いて。
ああ。
(愛美)少しは私の話も聞いて。
はい。
朝から晩までひかりにおっぱいやっておむつ替えて。
このだだっ広い家を上から下まで掃除して。
何回も洗濯機回して。
三度三度ご飯作って。
友達だっていないし。
いたって何で私がこんなことやってるのか話せないし。
これじゃ離れに閉じ込められてた妊娠中の方がまだましだった。
感謝してるよ愛美さんには。
私は潤いが欲しいの。
おっぱい吐き出してべたべたにされようがうんちまみれにされようがそれが幸せだって感じられれば文句はないの。
それともただのベビーシッターは幸せなんか感じちゃいけない?いや。
そんなことは。
無理なのよ。
自分の産んだ子をここにはいない人の子として育てるなんて。
ひかりだって私のことちゃんとママだと思ってるんだから。
ちょっと。
聞いてるの?やっぱり陽の様子が心配だ。
ちょっと見てくる。
(愛美)もう!
(瑞穂)あっ。
院長。
こちらです。
あっ。
(男性)おかげさまでだいぶいいです。
ああ。
そうですか。
じゃあお薬そのまま続けていただいて。
(男性)ありがとうございます。
はい。
お大事にどうぞ。
(瑞穂)よかったですね。
(男性)ありがとうございます。
どうですか?その後具合は。
(男性)いや。
もうあのう。
だいぶよくなりました。
うん。
顔色もいいようですね。
(男性)ありがとうございます。
夜は眠れてますか?
(男性)何か院長前より影が薄くねえか?
(男性)かみさんに逃げられたらしい。
噂じゃ奥さん小児科の先生と駆け落ちしたって話も。
(瑞穂)院長。
はい。
(瑞穂)特に問題はないようです。
ああそう。
じゃあお大事にどうぞ。
(男性)ありがとうございます。
(瑞穂)よかったですね。
ああ。
そうだ。
婦長。
(瑞穂)はっ?ちょっと頼みがあるんだけど。
(瑞穂)失礼いたします。
(波津子)何のご用?
(瑞穂)ちょっと愛美さんに。
愛美さん?
(瑞穂)院長のお言い付けです。
だいぶストレスがたまっているようなので話し相手になってほしいとおっしゃって。
ストレス?
(瑞穂)こもりっきりで育児をしていればどうしても。
私がお嬢ちゃまをお預かりしてもいいですし何か気晴らしをされたらいいんじゃないかと。
あなたが赤ん坊の相手を?何だか皮肉な話ね。
言わぬが花だったわね。
愛美さんだったら離れでしょ?目を離すとすぐにサボるんだから。
失礼いたします。
「頼うだお方」ってあなた分かる?「頼うだお方」狂言で言うご主人さまのこと。
太郎冠者と次郎冠者の雇い主で頼りにしている。
お頼み申し上げる方って意味よ。
その頼うだ人がいなくなったんだからあなたもそろそろ身の振り方を考えた方がよろしいんじゃなくて?
(愛美)出てって!さっさと出てって。
(瑞穂)でも私は院長から。
(愛美)あんたなんかに余計な口挟まれたくないって言ってんの。
(愛美)忘れたとは言わせないわよ。
心張り棒かって私をここに閉じ込めたこと。
無理やりおっぱい搾りだそうとしたことだって。
(瑞穂)あのときは若奥さまのためによかれと思って。
(愛美)よかれはそっちの都合でしょ?私の身にもなって考えてみなさいよ。
偉そうな顔してるけどあんたって結局人の言いなりじゃん。
ばばあにおべっか使ってるかと思ったらあっさり姉さんに乗り換えて。
あっちにもこっちにもへいこらして。
プライドってもんがないの?それじゃ犬じゃん。
飼い犬と一緒じゃん。
(瑞穂)飼い犬?
(愛美)どこへでもバカみたいに尻尾振ってついてって捨てられたってことにも気付かない。
あんたは哀れな雌犬よ。
(愛美)繁郎に言っといてくんない?堂々と私を抱きに来いって。
本気で私を慰めたいんなら間に人なんか入れずに自分で行動しろってね。
私の口から院長にそんなことは。
これは命令よ。
あんたの好きな命令。
犬だったら餌がいるわね。
これでも食らえ。
(瑞穂)あっ!
(林田)悪い冗談やめましょうよ婦長。
いきなり辞めたいだなんて。
心臓に悪いこと言わないでください。
本気です私。
前々から考えていたことなんです。
まあ分からないことはないです。
婦長だって女なんだし。
あっ。
いやいやいやいや。
ねっ。
あのう。
若くして婦長の重責を担わされてひたすら職務に打ち込んで長いこと苦労されてきたことは私が一番よく知ってる。
婦長がいたからこそうちは持ちこたえてきたようなもんですから。
私なんか何の力も。
(林田)いや。
今婦長に辞められたら病院は立ち行かなくなっちまう。
何しろかげろう院長があの状態ですからね。
まあ生きてるんだか死んでるんだかいるんだかいないんだか。
もしさっきからそこに院長が座ってたとしても私驚きませんよ。
ハハッ。
いや。
あのう。
もちろんものの例えですが。
若奥さまが姿を消してからこっちずっとですから。
いくら陽坊ちゃんのためといったって無茶なことをするからこういうことに。
無茶なことって?奥さまの代わりに妹さんに産ませたんでしょ?ひかりお嬢ちゃんを。
(瑞穂)事務長。
ご存じだったの?弘明先生がぽろっとね。
こういうときこそ弘明先生にびしっと締めていただきたいんですがどうもあの人はむらっ気が強くて。
弘明先生をもり立てていつかは柳沢病院を産婦人科病院として再生させたい。
それが私の悲願だったんですが。
まあ現時点では繁郎坊ちゃんの方がまだましといいますか。
だからこそせいぜい婦長に院長の尻をたたいていただいてまあ最低限でも現状維持を。
何かあったんですか?弘明先生。
最近の弘明先生。
何か変わった様子でも?分からないんだなぁあの人は。
自信満々デザイナーベビーの技術で病院をもり立てると言ってみたり。
突然妙におセンチになってみたり。
おセンチ?びっくりしたんですよこないだ。
自分を産んだ母親がどうこうって言いだして。
母親?
(弘明)《あんた覚えてるか?俺を産んだ女のこと》《はあ?》
(弘明)《どんな女だった?》
(林田)何のかんのいって案外不思議な底力があったのかもしれないな。
えっ?いや。
何。
若奥さまのことですよ。
何だか急に辺りの景色が暗くなった気がするんです。
あの奥さまがいなくなってから。
反射。
問題ないですね。
(女性)ああ。
だいぶよくなってますよ。
(女性)ああ。
おかげさんで。
無理しない程度に軽い運動してもいいですよ。
あと水分はしっかり取ってくださいね。
(女性)はい。
ありがとうございます。
あっ。
先生先生。
あのう。
これ。
けさ父ちゃんが釣ってきただもんで。
(諏訪)こりゃどうも。
(女性)フフッ。
(諏訪)おい!お魚もらったよ。
・はーい。
ああ。
うわぁ。
すごい。
(女性)奥さん。
魚おろせるけ?ああ。
大丈夫です。
(女性)こんな奇麗な手でおろしてもらったら魚も幸せだに。
したらお代は月末に。
ああ。
お大事に。
(女性)ありがとうございます。
お大事になさってください。
(諏訪)今日はもう誰も来そうにないね。
分からないわ。
この時間だったらまだ。
お刺し身がいい?それともカルパッチョかな。
おいで。
2014/05/23(金) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #39[字][デ]【恋の静岡篇〜新生活】

柳沢家に居座り繁郎(原田龍二)や波津子(丘みつ子)から大事にされる愛美(三輪ひとみ)を前に聖美(東風万智子)は孤独感を深めていく。そんな聖美に声をかけたのは…

詳細情報
番組内容
 聖美(東風万智子)がいなくなり、陽(平林智志)は深く傷つく。峻(谷藤力紀)は、罪悪感を胸に秘め、陽を慰めることしかできなかった。
 愛美(三輪ひとみ)が百合子(佐藤康恵)を訪ねる。百合子から、聖美が出て行ったことはショックだと告げられる愛美だったが、聖美と諏訪(古山憲太郎)はどこかで落ち合う約束だったのでは?と百合子に指摘すると、彼女は絶対にないと言いかけて黙り込んでしまい…。
番組内容2
 その頃、聖美は母の墓前にいた。すべてを失い、願うことは陽とひかりの幸せのみ。亡き母にそう告げながら、聖美がバッグから取り出したのはナイフだった。自ら命を絶つ覚悟の聖美の前に現れたのは…。
 聖美がいなくなったことで母屋は火が消えたように陰気な雰囲気になる。愛美は繁郎(原田龍二)に甘えようとするが、相手にされず…。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:吉田使憲
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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