カリブの密林
丸木舟で川をさかのぼると
奇妙な生き物を見つけました
鋭いカギ爪
豚のような鼻
1日中木にぶら下がり
20時間も眠っています
そのモノグサぶりから付いた名前が
あまりに動かないため
体にコケが生えてしまいました
今日は中米…
プラタノ川とその流域が全て世界遺産です
人も近づかないジャングルには
…があふれていました
日本のテレビカメラが初めて足を踏み入れる秘境
陸路では決して行けません
全長100キロのプラタノ川
カリブ海に面した河口は大湿地
そして
世界遺産のシンボルが
撮影隊はこのとがった岩山を目指します
まずはカリブの密林をさかのぼります
移動手段はこの細長い丸木舟だけ
川は浅く
こうした船底の浅い船でなければ進めません
・危ない危ない
ところどころに流れの急な場所も
その先で不思議な岩を発見しました
水をかけると
浮かび上がるのは絵
何とプラタノ川の地図です
この一帯に古代から暮らす先住民は
転がる岩に
プラタノ川と山を描きました
目印の一つがひときわ高くそびえる…
さらに上流へ行くと
浅くてもう舟では進めません
ジャングルの中を歩きます
ガイドが何かを見つけました
鮮やかな赤
美しい羽根が密猟者に狙われ
絶滅の危機に
この一帯が最後の生息地になりました
秘境の森は鳥達の楽園
これまでに確認された鳥は
377種にも及びます
雨が降り始めました
乾期なのに毎日1〜2時間も激しい雨が降ります
あっという間にぬかるむ地面
森はこけむし暑く湿った空気
木々に手をかけながら急斜面を登ります
視界が開けると
目の前にピコダマ山が姿を現しました
頂にむきだした岩は高さ150メートルもあります
実はプラタノ川の周りはほとんどが険しい山地
そのため開発を免れたのです
中米では数少ない原始の森
標高1000メートルを超える山々にぶつかり
大量の雨は岩の大地を潤し
緑豊かな世界を生んだのです
そしてもう一つ
森をつくる縁の下の力持ちがいました
辺り一面びっしりとコケに覆われています
フワフワのじゅうたんのようなコケが雨水をたっぷり吸収しますこうしてあちこちで蓄えられた水がやがてプラタノ川の流域に流れ出るのです
コケから染み出した水を集め
岩場を流れ落ちる滝
山を覆うコケが
雨水を蓄えるスポンジの役目を果たしているのです
無数のせせらぎを集めた1本の川
プラタノ川は谷底を縫って流れてゆきます
プラタノ川のほとり
近くの集落に暮らす人は
昔から砂金とりをしてきました
川岸の土砂をすくいふるいにかけると
重い金の粒が現れます
これが砂金です
とても純度が高いとか
プラタノ川は金の産地として知られてきました
近郊の町には金細工の工房がいくつもあり
アクセサリーを作っています
炉で砂金を溶かし
かたどります
不思議なデザイン
実は古代マヤの王様です
この一帯ではかつてマヤ文明が栄えました
密林が生んだ金のブローチ
第2の探検は中流域へ
出会ったナマケモノの体はなぜか緑色でした
ジャングルの奥へ分け入ります
むせ返るほど濃密な緑のにおい
高い木の上に見つけたものがあります
大きな穴が開いています
よく見ると動くものが
黄色い鳥です
この鳥自分で巣を作らず
空き家になったハチの巣を利用して子育てをします
巣の中にいるヒナに餌を運んでいました
今度は木の下で何かが這っています
ナマケモノです
いつも木にぶら下がっている動物がなぜ?
プラタノ川を丸木舟で探検
土地が平坦になる中流域には先住民が暮らしています
集落の近くで珍獣と出会いました
木にぶら下がり1日20時間も眠っています
その名はナマケモノ
見た目のわりに体は軽く
鋭いカギ爪を枝に引っ掛けじっとしています
体を動かすのは食事のときだけ
でも食べる量はごくわずか
1日たった数枚の葉っぱで十分です
哺乳類なのに変温動物だから
体を温めるのに使うエネルギーもほとんど要りません
体の毛が緑色に見えます
実はコケの色です
あまりに動かないためコケが生えました
ナマケモノには好都合
森の緑に溶け込み敵から身を隠せます
最近の研究から新たな事実が分かってきました
いつも木にぶら下がっている動物が
地面を這う姿を目撃しました
筋肉が少なく這うしかありません
その目的は排便です
ほとんど食べないため
ここで敵に襲われたら一巻の終わり
命がけの排便です
でもゆっくり動くから気付かれにくい
ムダな力を使わないことで
ナマケモノはこの森で生き残れたのです
熱帯の生き物達の貴重なすみか
リオ・プラタノ生物圏保護区は
プラタノ川沿いの密林には
古代マヤの都市があったといわれます
この森にはマヤの人々にとって特別な木がありました
中南米原産のカカオ
幹から実る果実の種が
チョコレートの原料になります
実を割ると
白い果肉が現れます
その中にある種を乾燥させたのが…
古代マヤの王様は
カカオを不老長寿の薬と信じ
飲み物にしました
村の人達は今
煎ったカカオ豆を挽いてコーヒー風にして飲んでいます
お湯を注げば出来上がり
カカオコーヒーでひと休み
コクのあるビターな味わいです
熱帯カリブの密林
ガイドがユニークな花を見つけました
何かに似ているだろうと言って口にくわえます
アカネ科の植物で別名…
赤い花びらに見えますが
実はこれ葉っぱ
成長すると黄色い花を咲かせ
青い実をつけます
何ともカラフル
蝶が現れました
この花の蜜だけを吸う蝶です
花は情熱の赤で誘惑し
受粉を手助けしてもらいます
いよいよ丸木舟はプラタノ川の下流へ進みます
何かがいます
そこのツルの下がってるところ
マングローブの根元
体長2メートルもある大きなワニです
次の瞬間
プラタノ川を下流へ向かいます
第3の探検は
河口に近づくと淡水と海水が混じり合います
岸辺には
びっしりと張った根
その下には海に暮らす魚の子供達がいます
親はマングローブの根元に卵を産み
稚魚の安全な隠れがにするのです
魚達も眠る夜
肉食のワニが動きだします
(ワニの鳴き声をまねる)
ガイドが鳴き声をまねして誘い出します
そのとき突然走りだしました
いたいたいたいた
水面に光る目ワニです
水の中を這ってゆっくり近づきます
何と素手で捕まえました
メガネカイマンの子供です
成長すると体長2メートルを超える
攻撃的なワニ
(エミリオ)このワニは暗闇でもよく見える目を持っていますが強いライトを目に当てると動きが止まり簡単に捕まえられるんです
川へ帰ってゆきました
河口にはワニが潜む大湿地が広がります
立ち並ぶのは塩水に強いヤシ
さらに川を下るといくつもの浮島がありました
枯れた水草と土砂が積み重なった土地で
水に浮かんでいます
浮島は牛達の牧草地です
湿地に放たれた牛は浮島に渡り草を食べます
そのフンが肥料となり緑の大湿原を育むのです
川はやがてカリブ海に注ぎます
リオ・プラタノ
この川が全ての源
カリブの自然を包み込んでいます
2014/05/25(日) 18:00〜18:30
MBS毎日放送
THE世界遺産[字]【藤原竜也が語る「ナマケモノがすむカリブの密林」】
中米ホンジュラスの「リオプラタノ保護区」に日本の撮影隊が初潜入!熱帯ジャングルの川を丸木舟に乗って100キロの旅。そこで出会った奇妙なナマケモノの生態とは!?
詳細情報
お知らせ
【遺産情報】
<遺産名>リオ・プラタノ生物圏保護区 <国名>ホンジュラス共和国 <登録年>1982年 <登録基準>(