聖母・聖美物語 #40【恋の静岡篇〜父親失格】 2014.05.26

(ひかり)
私の名前は柳沢ひかり
柳沢病院の長女です
9歳違いのお兄ちゃんは陽
私はお兄ちゃんを助けるために生まれたんだって
でもそれってどういう意味だろう?
(陽)お幕!
(聖美)陽?陽!
(聖美)白血病?
(陽)僕死ぬんだよね?怖いよ。
怖いよママ。
私にあなたの子宮を貸してちょうだい。
この子が陰りかけた太陽をもう一度強く明るく輝かせてくれる。
(諏訪)それでは臍帯血の移植を始めます。
僕ひかりちゃんのおかげでこんなに元気になったんだから。
今度は僕がひかりちゃんのこと守ってあげるね。
お兄ちゃんは元気になって退院しました
でもママがいなくなっちゃった
ママ。
どこにいるの?
あったかいわ。
先生の体。
(諏訪)先生じゃないでしょ。
ごめんなさい。
(諏訪)あなたって人はいつまでたっても。
こういうことだったのね。
男と女が愛し合うって。
(諏訪)こういうこと?先生の…。
公ちゃんの体があったかいってこと。
こうやって体温を感じて心臓がトクトク打ってる音を聞いて。
海の底にいるみたいに心がしーんと静かになるってこと。
(諏訪)さっきまで大きな声出してたのに。
嫌ね。
なぜかしら?公ちゃんとこうしてるといろんなことが見えてくる。
(諏訪)うん?私って何て身勝手な女だったんだろうって。
(諏訪)僕だってそうだよ。
腹減らない?あっ。
さっきのお魚。
(諏訪)俺がやる。
(諏訪)聖美はそのまま海の底にたゆたっていたらいいよ。
人魚みたいにさ。

(愛美)起きなさい。
起きなさいってば。
(陽)お休みする。
(愛美)はあ?何言ってんの。
(愛美)うんっ。
行きたくてしょうがなかったんでしょう学校に。
(愛美)何でも普通にできるようになったんだからこれ以上てこずらせないで。
えーっ?おっ。
こら。
離しなさい!もう。
勝手にしなさい。

(ドアの閉まる音)
(愛美)わがままばっかり言っちゃって。
病み上がりだからって甘やかし過ぎなのよ!
(愛美)せっかくひかりのおかげでよくなったっていうのにね。
ひかりちゃんもそう思うでしょ?
(繁郎)調子が悪いようだったらさ後で病院へ来るように言ってくれる?
(愛美)ただの怠け病。
何度だまされたか分かりゃしない。
(峻)僕起こしてこよっか?
(愛美)ほっときなさい。
いまさら1日や2日休んだところで何にも変わりゃしないわよ。
あんたがとばっちり食って遅れちゃ大変。
はい。
弁当持って。
ほら。
繁郎さんも早く早く。
(繁郎)あっ。
はい。

(繁郎)お幕。
(峻)いってらっしゃい。
(繁郎)はい。
(峻)いってきます。
(波津子)愛美さん。
あんまり大きな声出さないでもらえないかしら。
何だか頭が痛くて。
ハァ。
陽だって優しい声で起こしてくれれば目がぱっちりと開くと思うんだけど。
人任せにしといて適当なこと言わないでください。
(波津子)ああーっ!・
(ひかりの声)あっ。
どうしたの?ひかりちゃん。
はい。
ああー。
(波津子)ったく。
ああーっ。
(波津子)ハァ。
ハァー。

(たたく音)ああーっ。
いや。
どういうことこれ?
(愛美)表に干しきれなかったんです。
雨続きでたまりにたまっちゃって。
ああー。
もうパンツだけで何枚あるんだろう。
(波津子)はっ。
ハァー。
いや。
(弘明)お疲れさま。
(スタッフ)お疲れさまです。
(弘明)ああー。
見つけた叔父ちゃん。
(弘明)陽。
どうした?学校休んだのか?行ってもやることないから。
叔父ちゃん。
これ読んでくれない?・
(ノック)
(繁郎)はい。
どうぞ。
おう。
峻君。
どうした?
(峻)小学校に寄ってきました。
小学校?
(峻)陽君のことちょっと気になったから。
うん?陽がいないって?いつから?いつから姿が見えなくなった?「いつから?」って言われても。
何で今まで気付かなかったんだよ。
(愛美)用があれば自分から出てくると思って。
(波津子)私も何だか具合が悪かったもんだから。
もう当然愛美さんが見ていてくれるとばっかり。

(足音)ああ。
峻君。
(峻)ううん。
どこにもいないよ。
(波津子)どうしましょう。
あの子いったいどこへ?陽の気持ち誰も分かってやってなかった。
分かってやろうともしなかった。
どういうこと?あんなに学校に行きたがってたんだ。
毎日うれしくてたまらないはずだって大人の思い込みでそう決め付けて満足してた。
あの子のつらい気持ちなんか考えてもなかった。
学校行くのがつらかったってこと?最初は張り切ってたんだ。
でも拷問になってった。
日がたつにつれて。
まさか。
峻君が学校に行って先生やクラスの子に話を聞いてきてくれたんです。
(愛美)峻が?
(峻)うん。
あの子はいつも独りぼっちだったって。
小柄だから見た目は1年生に交じったって違和感はない。
でも入院中峻君に教わって一生懸命勉強して何だって読めるし書けるし。
算数も理科も社会もお手のものだ。
それだったらがきどもに一目置かれるっていうか。
本人には1年生の授業じゃ物足りないし下の子たちには煙たがられる。
だんだん授業で手を挙げなくなってったそうだよ。
大事を取って体育は見学。
教室の移動なんかもいつだって後れを取る。
それで居心地がいいわけない。
しかもどこからかホントは3年生だって噂が立って。
近寄ったら病気がうつるんじゃないかって心無いことまでさ。
ひどいことを。
(峻)でも陽君は何にも言わずにただ笑ってたって。
だから担任の先生たちも何にも気付かなかったって。
僕も学校へ電話して確認したよ。
「そう言われればそうかもしれない」担任はしらっとそう言ってた。
そんなやつ今すぐ首にしてやればいいのに。
悪いのは学校じゃない。
この俺だ。
父親のこの僕だよ。
あいつ言うに言えなくて一人でじっと我慢して。
もう父親失格だ。
まあとにかく早く捜しましょう。
何も食べてないんだよね?陽君。
体力が落ちると免疫力も落ちるんじゃ…。
ああ。
どっかで感染症でももらったら大変だ。
(波津子)ねえ。
早く警察に。
(愛美)あっ。
電話。
(峻)はい。
(愛美)はい。
まさか姉さん捜しに行ったわけじゃないよね?
(波津子)そんなわけないでしょ。
当てもないのに。
だけど。

(弘明)おい。
もっと首下げろ。
頭がつっかえるぞ。

(陽)お幕!
(波津子)陽。
(峻)陽君。
アハハ。
ああ…。
お前と一緒だったのか。
(弘明)心配かけたみたいですね。
悪かった遅くなって。
悪かったで済むと思ってんの?警察呼ぶところだったのよ。
いっそ通報してやればよかった。
捕まればよかったのよ。
勝手に子供を連れ回した罪で。
僕が叔父ちゃんと一緒に遊びたかったんだ。
(陽)叔父ちゃんはうちに電話するって言ったけど僕がやだって言ったんだ。
(波津子)そう言うように言われたのね?この男に。
いいのよ。
こんなやつかばわなくたって。
母さん。
何やってたんだ2人で?
(陽)かたつむり見てた。
かたつむり?散歩がてらに公園行ってサンドイッチ食べて本読んで。
それからかくれんぼして。
(弘明)《陽。
隠れるのうまいな。
陽。
おーい。
どこだ?》《どこ行った?陽。
おーい。
陽。
どこだ?陽?》
(陽)《叔父ちゃん。
かたつむりがいた》
(弘明)《おっ。
どこに?》
(陽)《そこそこ》《触覚触ってみ》《ほら》《また伸びてきた》
(弘明)《うん》《すごい》楽しかった。
叔父ちゃん。
ありがとう。
(弘明)うん。
うん。
陽。
疲れてないか?
(峻)はい。
ちょっと体診てみよう。
よいしょ。
ああ。
峻君。
(峻)はい。
タオル2〜3枚熱いお湯で絞って陽の部屋へ持ってきて。
(峻)はい。
ああ。
ヘヘッ。
よかった。
(弘明)ハァー。
何で弘明のところへなんか。
あんたが陽をないがしろにするからしょうがなく逃げ込んだのよあの男んところへ。
私のせいにしないでください。
かわいそうに繁郎ったら。
あんなに自分を責めて。
あんたがちゃんと母親代わりになって愛情を注いであげてればこんなことには。
私母親代わりなんですか?乳母兼家政婦じゃなかったんですか?出しゃばるなって言っといて何なの?いまさら愛情って。
ひかりを産んだ母親の資格取り上げといて陽にはお母さんみたいに優しく接しろって?都合のいいこと言ってんじゃないよ。
この因業ばばあめ!はっ!
(波津子)はっ。
な…何する…。
何する気?
(愛美)作ってください晩ご飯。
(波津子)晩ご飯?
(愛美)何もかも私に押し付けるなって言ってるの。
(波津子)ちょっちょっ。
お願いだからその包丁を下ろしてちょうだい。
もう踏みつけにされてちっちゃくなってるのまっぴらごめん。
これからはひかりの母親として堂々と権利を主張します。
早くエプロン着けなさいよ。
(波津子)ああ。
あっ。
訳の分かんないもんむにゃむにゃうなってる暇があったらやりゃいいのよ。
炊事でも洗濯でも自分から。
あんたがしっかり働いてくれればその分私も陽に母親らしいこと…。
じゃなくて母親代わりらしいことしてあげられるかもね。
(波津子)うっ。
ハァー。
あっ!?はっ。
ああ…。
はい。
これからは我慢しないで何でもパパに言うんだよ。
もっと甘えていいんだ。
嫌なものは嫌って言っていいんだからね。
パパ。
うん?何だい?じゃあゆっくりお休み。
ママ。

(陽)ママ。
はっ!?ま…愛美さん?
(愛美)私も今夜からここで寝る。
ひかりと一緒にね。
えっ?ここでって?
(愛美)何度も夜中に泣かれて寝不足なのよ。
泣いたらあなたが面倒見て。
えっ?僕が?当然でしょう。
あなたの子なんだから。
(愛美)あっ。
そうだ。
婦長から伝言聞いた?えっ?何伝言って?ハチ公め。
言い付け破ったわね。
ハチ公?これからはひかりの母親としてあなたのパートナーとして尊重してもらう。
私の当然の権利よ。
ハァー。
(愛美)ああ。
(泣き声)
(愛美)早く。
何とかして。
(泣き声)
(愛美)もう!
(泣き声)どうした?ひかり。
うん?どうしたどうした?どうしたどうした?どうしたどうした?どうしたどうした?もう。
(愛美)はい。
ひかりちゃん。
よいしょ。
はい。
よーし。
おう。
どうしたどうした?うん。
よしよし。
あらあら。
どうしたの?ひかりちゃん。
うんちしちゃった。
(泣き声)
(愛美)おむつ替えよう。
はい。
おむつ替えましょうね。
よっこらしょ。
おむつだよ。
今すっきりしてあげるね。
(泣き声)
(愛美)あら。
床にうんちついちゃった。
ああ。
(泣き声)抱きに来いって?そんなこと言ったの?愛美さん。
(瑞穂)はい。
確かにそうおっしゃいました。
(愛美)《繁郎に言っといてくんない?》《堂々と私を抱きに来いって》《本気で私を慰めたいんなら間に人なんか入れずに自分で行動しろってね》
(瑞穂)お伝えするのもいかがかと思ったものですから。
そういうことか。

(波津子)繁郎ちゃん!繁郎ちゃん。
えっ?愛美さんをお稽古部屋から追い出して。
あの人乗っ取るつもりよ。
私の大事なお稽古部屋を。
僕も乗っ取られそうなんですよ。
2階の寝室を。
聖美のベッドで寝るってひかりを連れて乗り込んできて。
えっ!?じゃあ2人で一緒にあの部屋で寝たの?おかげで一晩中悪夢にうなされました。
《ううっ。
ああ。
やめて!ううっ。
くっ》うわーっ!?いったいどういうつもりで?要するに手っ取り早くこの家での順位を上げようとしてるんでしょう。
順位?家政婦扱いされてキレたんですよ。
だからなりふり構わず。
正直身の危険を感じます。
もしかして欲求不満じゃないの?えっ?普通じゃないもんあの人の目。
女にだってあるのよ。
どうにも満たされなくておかしくなることが。
性的欲求不満ってことですか?もしあなたといたして少しは気持ちが落ち着くんだったら。
いたすって?だって一度はそういうことがあったんだもん。
ゼロから1は無理だって。
でも1から2だったら。
ねっ?ハァー。
もう一遍抱いておあげなさいよあの人を。
何を考えてるんですか?だってあの人が暴れるともう血圧がぱーっと跳ね上がっちゃって頭が割れそうになる。
ねえ。
お願いだから助けると思って。
もう血圧のお薬を出します。
それ以上のことはできません。
もう。
ああーっ。
ああーっ。
ああー。
もう。
(愛美)あら。
ご機嫌ですね。
はい。
(峻)また行くの?伯父さんの部屋。
(愛美)ひかりが喜ぶのよ。
パパがそばにいると。
あんたには悪いけどひかりにはせっかくいいパパがいるんだもん。
大事にしてもらわなきゃ。
気を付けないと気付かれるよ。
陽君に。
大丈夫大丈夫。
ハァー。

(物音)・
(結花)峻君。
(結花)初めてね。
峻君が私を誘ってくれたの。
(結花)二度と近づくなってあのときあなたそう言ったのに。
(峻)《知ってるだろう?僕の父親がどんな男か》《分かったら二度と僕に近づくな!》
(峻)星川先生のところに聖美伯母さんのことを聞きに来た人がいるって言ってたよね?ひとつきぐらい。
ううん。
もっと前だった。
(結花)あのときは無視したくせに。
(結花)私峻君が怖かった。
でも心配だったの。
聖美おばさんに何かあったんじゃないかって。
人には言えないことが色々あるんだ。
秘密の多い家だものね。
いいわ。
大丈夫。
私は弁護士の娘だもの。
ちゃんと守秘義務を順守する。
どうしたの?あの人何者?
(諏訪)ハァー。

(陽)《ママ。
ママ》
(諏訪)相変わらずの閑古鳥。
医療事務なんか勉強しても無駄かもよ。
そのうち公ちゃんの腕が評判になって患者さんが押し寄せてくるわ。
だといいけど。
もともとこの診療所を開いた大学の先輩ってもうここを完全にあなたに譲るつもりなんでしょ?だろうね。
沼津にできた新しい老人ホームにかかりきりって言ってたから。
だったらのんびりしてないで私たちの力でここを大きくしてかなくちゃ。

(配達員)失礼します。
諏訪公一さんはこちらでしょうか?
(諏訪)はい。
私ですが。
(配達員)郵便です。
(諏訪)ご苦労さまです。
変だな。
僕がここにいること誰にも知らせてないのに。
どうしたの?これ。
柳沢病院?2014/05/26(月) 13:30〜14:00
関西テレビ1
聖母・聖美物語 #40[字][デ]【恋の静岡篇〜父親失格】

聖美(東風万智子)は諏訪(古山憲太郎)と漁港の小さな診療所で暮らし始める。聖美が去った柳沢家は悲惨な状況に。そんな中、波津子(丘みつ子)が突然、聖美の前に現れ…

詳細情報
番組内容
 聖美(東風万智子)は、諏訪(古山憲太郎)と漁港の小さな診療所で暮らし始める。諏訪の優しさと愛に包まれ、聖美の心も平穏に。
 一方、聖美のいなくなった柳沢家は悲惨な状況に陥る。病気が治ったら小学校に通うことを楽しみにしていた陽(平林智志)は、ズル休みをするようになっていた。
番組内容2
峻(谷藤力紀)が調べると、本当は3年生にもかかわらず、1年生のクラスに通っていることから周囲になじめず、陽が学校で孤立していることが分かる。波津子(丘みつ子)は、愛美(三輪ひとみ)が陽に母親のような愛情を注がなかったせいだと批判。自分を家政婦扱いしてきた波津子の勝手な言い分に腹を立てた愛美は、今後はひかりの母親として、自分の権利をどんどん主張すると宣言する。
番組内容3
 峻は母の言動に胸を痛め、柳沢家をもとに戻すべく行動を開始する。
出演者
柳沢聖美:東風万智子
森尾愛美:三輪ひとみ
柳沢繁郎:原田龍二
柳沢弘明:金子昇
柳沢波津子:丘みつ子
星川真輔:風間トオル ほか
スタッフ
企画:横田誠(東海テレビ)
原作・脚本:いずみ玲演
演出:吉田使憲
プロデュース:西本淳一(東海テレビ)
中頭千廣(TSP)
神戸將光(TSP)
齋藤頼照(TSP)
音楽:辻陽
主題歌:「炎の花」ハルカ ハミングバード(ユニバーサル ミュージック)
制作著作:TSP
制作:東海テレビ
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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