ここがポイント!!池上彰解説塾 2014.05.26

当番組は同時入力の為、誤字脱字が発生する場合があります。
≫今夜は、緊急生放送。
クーデターが起こり大混乱するタイ。
憲法停止。
戒厳令で、夜は外に出られない。
一体何が起きているのか。
およそ4000もの日本企業が進出しているタイ。
日本への影響は。
更に…。
≫今夜は生放送でお送りしていきます。
池上さんよろしくお願いします。
≫世界は大きく動いていますので今日は生放送でお伝えします。
よろしくお願いします。
≫ゲストの皆さんもよろしくお願いします。
お願いいたします。
まずはウクライナの大統領選挙についてです。
親EU派と親ロシア派がもめていたウクライナで昨日、大統領選挙が行われていました。
今後注目するポイントとは?≫当選確実といわれているポロシェンコ氏。
勝利宣言をしました。
実は開票率というのが今日の昼の段階でまだ20%程度なんです。
日本のように即日開票とはいかないんですね。
まだまだ開票に時間がかかります。
ただし、やっぱり向こうも出口調査をやっていまして出口調査の結果では5割を超えている。
1位が5割にいかないと1位と2位の決選投票になるんですが5割をかなり超えているのでポロシェンコ氏が決選投票を待たずに大統領になるのではないかといわれているんですね。
そのウクライナというのはこの場所にあります。
こちら側がロシア。
こちらがヨーロッパロシアとヨーロッパに挟まれたところにあるということです。
ここでこのポロシェンコ氏というのはEUに入りたいと。
EU寄りの人なんです。
お菓子会社の社長さんですからそれこそ、愛称がチョコレート王といわれているような人ですが。
ここは実は、こちら見てください。
ルガンスク州とかドネツク州あるいはオデッサ州というのは親ロシア派ロシア系の住民が多くて今回の大統領選挙でも多くがボイコットしているんです。
投票率がこちらなんかは非常に低いんです。
≫赤いのはクリミア半島ですね。
ここはどうですか?≫クリミア半島は独立宣言をしたあとロシアが併合しています。
もちろんウクライナはそれを認めていないんですがもうここにはウクライナの選挙管理委員が入れませんから。
≫違うんですか?≫大統領選挙が実施できない状態です。
ほかはやったんですがこちらは親ロシア派の住民による妨害があって投票率が非常に低い状態ということになります。
これ、投票箱を破壊している映像です。
こうやって選挙が行われなかった。
結果的に選挙が十分ちゃんと行われていないからこちらではそんな結果は認めないという言い方になるわけです。
ただし、プーチン大統領は大統領選挙の結果は尊重するという言い方をしているので、今回大統領が選ばれたことに対してプーチン大統領がなんというのかというのが今発言が注目されているということです。
もう一度改めて地図を見せていただきたいんですが。
つまり、例えば親ロシア派の人にしても今回の大統領がウクライナの西部の西ウクライナの代表としては認めるなんて言い方はしています。
こちら側の代表としては認めるけどこちらの代表としては認めないみたいな状態の中でいわばプーチン大統領はウクライナを中立のような立場にしてこちら側をてこにして、いわゆる親EU。
ヨーロッパ側にいかないように引っ張る。
ロシアにしてみればウクライナ全体がヨーロッパに行かないように引っ張る。
そのためにこの辺りを使うのではないかとみられているんですね。
今後のプーチン大統領の発言に注目したいところです。
≫続いては中国機の異常接近についてです。
東シナ海の北部で中国とロシアが軍事演習をしていたんですね。
この辺りで中国とロシアが軍事演習をしていました。
その近くを、自衛隊の偵察機が飛んでおりましてそこに中国の戦闘機が異常接近をした。
こういうニュースです。
極めて異常な事態ということになるんですが普通は、中国にしてみれば中国に近づいてきたということであれば事前に警告する。
あるいは数百メートル離れて、警告とするのが普通の常識なんですが。
いきなり警告もない。
30mも近寄ってきたということがありまして。
≫30mって…。
ジェット機ですよね。
30mって…。
≫あっという間ですよね。
≫すれ違ったってこと?≫すれ違ったのではなくて後ろから追い抜いていった。
日本の偵察機はプロペラ機なんですよ。
ゆっくり飛んでいた。
≫落ちたことがないですか?ぶつかって。
≫それ、あとで話をしようと思っていました。
いきなり出てきました。
その話も後ほど申し上げますが。
中国の接近してきたジェット機はどういうものか。
これです。
自衛隊が撮影したものですが見てください、空対空ミサイル。
ミサイルを装備しています。
≫このときのリアルな写真。
≫使える状態なんですよね。
≫いつでも発射できる状態で近づいてきた。
では、日本側は何をしていたのかというといろんな情報をとっていました。
例えばこちら、OP3C。
もともとP3Cっていう潜水艦を見つけるために作られた飛行機なんですが、それを画像を、撮影し集めるという機体に改造したもの。
それがOP3Cというもので特に東シナ海の上空を飛んではあの辺りで中国が勝手にガス田を開発したりしているでしょ。
それがどのような状態になっているか、中国側に新たな動きがないかあるいは不審船がないかということを常時、飛びながら画像を撮影している偵察機なんです。
偵察機、ゆっくり飛ばなければいけないのであえてプロペラ機なんですね。
ここに、中国の戦闘機が近づいてきたということがあります。
こちらは本来きたのはYS11といってもともと、国産の飛行機です。
僕らは見たことないから…。
民間航空機しては退役しているんですが自衛隊は今も使っていましてこれを改造して、軍事無線などを傍受する。
つまりあの辺りを飛びながら中国、あるいはロシアがどのような情報を交換し合っているのかというのを恐らく、傍受しようとして飛んでいたんだろうと思われるんですがそこに、中国の戦闘機が飛んできたということです。
そもそも、どこでこれが起きたのか改めて見ますとこれ、防空識別圏といいまして日本の防空識別圏があります。
領空より外側に設定してありまして領空ですと…飛行機というのはあっという間に飛んできますから領空のすぐ近くまで来たら警戒するのが間に合わないのである程度、離れた場所に防空識別圏を作っておいてそこに、よその国の飛行機が飛んできたら日本の自衛隊機がすぐに飛び立って警戒するというところです。
そこに最近中国が急に一方的に、ここが中国の防空識別圏だと設定した。
日本側の防空識別圏に中国側がこうやっていきなり入ってきたわけです。
いわば、両方の防空識別圏の重なるところ。
ここで、異常接近が起きた。
中国が防空識別圏を一方的に作れば、こういうことが将来、起きるのではないかといわれていた。
それがまさに本当に起きたということです。
本当であれば日中関係がちゃんとしていればこういう偶発的な事故が起きないようにどうするかと、ルール作りの話し合いができるはずなんですが今これだけ関係がギクシャクしているとルール作りができない。
≫ジェット機のほうのパイロットの独断なんですか?それとも上のほうから言われてやれと?≫そこがはっきりしないんです。
明らかにここまで飛んできたのは上の命令でしょう。
ただ、30mのところでというのが脅してやれといわれたのかあえて、そういう挑発的なことをしたのかまではちょっとわからないということがあるんですが。
先ほど内藤さんがおっしゃったように、2001年こんなことがありました。
アメリカの軍事情報を集める偵察機EP3というんですが。
これが、中国の海南島の近くを飛行していたら中国の戦闘機が非常に挑発的に近くまで飛んできて空中接触したんですね。
中国の戦闘機はそのまま墜落しちゃってパイロットは行方不明。
こちらの偵察機も長く飛んでいられないような状態になって海南島に不時着をして乗っていた人たちが全員中国側に拘束されると。
米中関係が非常に悪化するということが起きたんですね。
≫下手したら戦争になるようなことですよね。
≫だからこのときと同じことが起こりかねない。
≫ぶつかる側もだいぶリスクがありますね。
≫もちろんそうです。
このときは近くまでいって挑発しようとしたらぶつかっちゃったと。
≫今回も起こり得たということですか。
≫近づきすぎれば起きますね。
そういう非常に危険なことが起きた。
防空識別圏が一方的に設定されたことでいずれ、起きるだろうといわれていたことが起きたんだということをこれからも、偶発的な事故が起きないようなルール作りが求められているということだと思います。
≫続いてタイのクーデターについてまずこちらVTRをご覧ください。
≫タイでクーデターが起きたわけ。
実は今、タイには首相がいない。
更に国会議員500人がいなくなった。
政府派と反政府派が激しく対立しているタイ。
そんな中今月7日、タイの憲法裁判所でインラック首相の行為が憲法に違反しているとの判決が出され辞めさせられることに。
3月には総選挙が無効だったとして本来いるべき場所の500人の国会議員がいない状況。
これにより国内が大混乱。
戒厳令が出され夜間の外出が禁止に。
そして、軍がクーデターを起こし政権を掌握。
憲法を停止しました。
首相が辞めさせられたりクーデターに憲法停止とわからないことばかり。
今、私たちが知るべきこととは。
≫そのタイのクーデターについての解説をするんですがその前に、タイのバンコクで取材を続けているテレビ朝日バンコク支局の河野記者に話を聞こうと思います。
時差2時間です。
今、夜の7時をちょっと回ったところです。
河野さん、現地の様子どうでしょうか?≫私は今大型商業施設が立ち並ぶバンコク中心部にいます。
およそ3時間後午後10時に、夜間外出禁止令が発動されます。
ちょうど今は帰宅ラッシュの時間帯なんですが多くの市民が車や公共交通機関を使って家路を急いでいます。
午後10時以降は人通りもなくなりましてほとんどの飲食店も閉店となります。
軍は空港を利用している人は外出禁止令の範囲外としています。
ただし、治安当局から直接尋ねられた場合には説明する必要があるとしていまして日本からこちらに観光などでこられる方は、念のためチケット、パスポートを提示できるよう備えていただければと思います。
今日で夜間外出禁止令5日目となりますがこれだけ続いている背景としてはクーデターに反対する勢力特に政権支持派が大量の武器をバンコクに持ち込んでいるとの情報がありまして軍としてはあらゆる手段を使ってそれを封じ込める必要があります。
私が今立っている場所なんですが連日のように反クーデターデモが行われている場所です。
バリケードが設置されていて中にデモ隊が入れないようにしています。
今のところ、軍は強制的に排除しないで話し合いによる解散を求めています。
軍の司令官は今日国民に対してデモには参加しないように求めました。
また、メディアへの規制も強めていましてクーデターに反対するような記事は現に慎むようにと圧力をかけています。
また、地元の記者なんですけど軍に反抗的な記事を書いた記者が今日、出頭を求められました。
軍の司令官は暫定首相暫定内閣の必要性を認めていますが発足の時期については明言を避けています。
また政権を軍から民に移すための総選挙ですが状況次第だと今日回答しています。
軍事政権が長期化する見通しとなったことで今後、反クーデターでも反ミリタリーデモが長期化する恐れが出てきています。
≫わかりました。
ありがとうございました。
言論統制も強め始めたということですね。
≫最初にこのニュースで出てくる言葉について整理しておきましょうか。
クーデター、戒厳令憲法停止とありますが。
≫クーデターってもともとこれはフランス語なんですね。
国家への一撃という意味になりましてつまり、これは権力を統制している内部での争いということになるんです。
つまり軍部でしょ。
いってみれば、これまでタイの政府の権力を統制している一部である軍部が、首相を拘束したり元首相を拘束したりという形で権力を握った。
だからこれがクーデターということです。
≫よく聞く革命とは違うんですか?≫革命というのは権力を持っていない人が権力を握ることです。
言ってみれば世の中をひっくり返すことですがこれは権力を持っている権力の内側での権力争い。
内部のものということになるんですね。
そして、戒厳令。
これは軍隊が出すと全部、軍隊の言うことを聞けということです。
普通の法律も憲法もみんな、今は機能が停止。
軍の言うことを聞け。
軍の言うことを聞かなかったら捕まえたり場合によっては殺害することもあるぞというものなんです。
夜間外出禁止令、これも戒厳令に伴って夜10時以降の外出は禁止ということでしょ。
特に反政府勢力だったり反クーデター派が夜、集まって行動を起こす。
打ち合わせをするのを阻止するわけです。
だから厳戒令で夜間外出禁止令が出ますと夜10時以降外を歩いていたら軍に撃たれても文句が言えない。
そういうものなんです。
≫これは、政権が代わるようなときではなくて例えば、大きな地震があったりとかああいうときも戒厳令って…。
≫出すとき、ありますね。
ようするに大きな地震や災害が起きてそれこそ、略奪のようなことが起きるときに戒厳令を出して治安を維持しようというときに行われることがあります。
≫これは軍の要望なんですか?≫必ずしも軍ではないです。
≫例えば自衛隊とか日本で戒厳令が敷かれることはあるんですか?≫関東大震災のときに。
あれは軍ではなくて、当時の日本の政府として戒厳令。
治安を維持しようとそういうのが出たことはあります。
ただ、一般的にはクーデターを起こして厳戒令がよくあるタイプということです。
≫今回は逆ですよね戒厳令が先ですね。
≫それから憲法停止。
これも軍がやっています。
今の憲法を停止ということは憲法で保障された国民のいろいろな権利というのが一切守られない。
守らないよ。
軍隊の言うことだけを聞きなさい。
いってみれば軍隊の言うことが憲法だと思えみたいなことになる。
ということは憲法停止しているということは軍が自分に都合のいい憲法を作ろうとして今の憲法を停止しているんだろうなということが読めるということになるわけですね。
≫池上さん、日本で憲法停止になったことってあるんですか?≫それは、ありえないです。
クーデターだからこそということですね。
≫タイではクーデターってよく聞きますよね。
しょっちゅうという気がします。
≫しょっちゅうクーデターが起きて政権が変わる。
ある種のタイ式の政権交代といえなくもないということがありますね。
≫今回のクーデターを起こした人たちなんですが5人が勢ぞろいしている映像をニュースでよくご覧になったんじゃないかと思いますが。
それぞれがどんな人かって解説を改めてやろうと思います。
ここの陸軍の今回のクーデターを起こした一番の司令官ですね。
一番左側にいるのが国家警察のトップです。
それから空軍のトップ。
海軍のトップ。
そして、陸海空の全体の国軍の一番司令官というこの人はこの人はいってみれば名誉職なんですね。
名誉職でいる。
一番の実力者は実はこの人。
つまり軍隊がみんな、軍隊と警察全部で、この国の秩序を守りますよとこういうことを宣言しているんですね。
具体的に何をやったかということですがこれが、そもそも起きる前にタイというのはずっと混乱が続いていたんです。
とにかくインラック首相が首相を失職いたしました。
首相じゃなくなっちゃったんですね。
それから下院議員500人がそもそも存在しないという状態になっていました。
日本でいえば安倍総理大臣と衆議院議員が1人もいないような状態だと考えていただければあまりに異常ということになりますよね。
では、なぜそうなったのかご覧ください。
≫首相がいなくなる。
更に、国会議員500人が一気にいなくなったわけ。
首相だったインラック氏は国の重要なポストに親族をすすんで起用したことをこれは、立場を利用した職権乱用ではないかと反対派の議員らに訴えられました。
今月、憲法裁判所はこれを憲法違反と判断。
インラック首相を辞めさせる判決を出しました。
また、3月に憲法裁判所は国会議員500人を決めた今年2月の選挙結果を一部妨害行為があり全国一斉にできなかったとしてこれも憲法違反と判断。
500人の議員の当選がすべて無効になりました。
首相の失脚も国会議員が一気に500人いなくなったのもすべて、憲法裁判所の判断が理由なのです。
≫憲法裁判所って中立じゃないんですか?軍の側の感じがしますね。
≫普通、憲法裁判所といえば裁判所はもちろん独立しているわけですから中立な立場だろうなと思いきやようするに反首相的な判決をいつも出している。
≫例えば親族を入れるみたいなことよくあるじゃないですか。
ケネディさんとか。
そんなにひどかったんですか?≫だから、それだけで憲法違反だって普通、考えられないですよね。
場合によっては、親族なんていけないんじゃないのという議論はあってもそもそも首相を辞めさせるところまでは普通はいかない。
≫失職させたい側の息がかかっているということですか。
≫そういうことなんですね。
普通の裁判所じゃなくて憲法裁判所というのがあってこれは上院議員が、その裁判官を選ぶんです。
その上院議員の中に反首相派の人たちが大勢いてその人たちが自分たちに都合のいいような判決を出してもらえるような裁判官を選んだとこう考えていただくといいと思うんですが。
つまりタイというのは首相派と反首相派が非常に対立してきましたよね。
そこでシャツの色でそれが分けられるという話をいたしましょう。
赤シャツと黄色シャツを見たり聞いたりしたことありません?これがインラックを支持するあるいはインラック首相のお兄さん、タクシン元首相を支持する人たちが赤いシャツ。
それに対して反首相派が黄色いシャツなんですね。
これが一体、どういうことかといいますと、もともとこの、いわゆる反政府活動が始まったのはインラック首相のお兄さんタクシン首相の時代にですね。
タクシン首相なんですが農村地帯に対するばらまき政策ですよね。
農村地帯が豊かになるようにと国のいろんな投資を農村地帯に向かってやったんですね。
その結果、農村地帯では圧倒的な力を得ましてそちらのほうが国民の数、多いものですからタクシン派が選挙をやれば勝てるような状態になったんです。
これに対して、都市部の中間層あるいはインテリ層が猛反発をいたしまして。
もともとタクシン元首相の時代に公金を流用したんじゃないかとか不正蓄財の疑惑も出てきてそして、本来国が発展するためには都市部なりあるいはこれから経済が発展するそういうことにお金を使わなければいけないのに農村地帯に、人気取りでばらまいているということで反発した人たちが反首相の運動を始めたんですね。
そのときに実は、黄色を選んだということがあります。
なぜ黄色を選んだのかといいますとプミポン国王のシンボルカラーが黄色だからですね。
タイというのは生まれた曜日ごとに色というのが決まっていましてプミポン国王は月曜日に生まれたものですから月曜日の色は黄色というので国王の色は黄色なんですね。
つまり、反首相派の人は自分たちは国王を支持する。
特にタクシン首相は反国王的な行動があった。
許せないといって黄色いシャツを着て反政府活動を始めたんですね。
そしたら首相を支持する側はどうしようか。
黄色に対抗するにはどうしようか。
赤にしようというわけでなんで、赤かというとこれタイの国旗ですよね。
タイの国旗の赤というのは愛国、国を愛することとか国家そのものというイメージがあるんですね。
あるいは、青は国王を意味し白は仏教を意味するというのがあって国王派が青ではなくて黄色を使っているから我々は赤を使おうというわけで赤いシャツを着て結局赤シャツ派と黄色シャツ派の対立ということになったんですね。
≫大きな溝ですね。
≫そして、2006年にクーデターが起きてタクシン政権が倒れてしまった。
その結果、いわゆる黄色いシャツの人たちが首相を一度選んだんですね。
このときに憲法を改正しましていわゆる、自分たちに反首相派に都合のいいように憲法を変えて首相をあるいは内閣の大臣を簡単に辞めさせることができる憲法に変えた。
更には、憲法裁判所の裁判官に、自分たちの支持する人たちを入れたわけですね。
≫タクシンさんは、今どうしているんですか?≫ちょうど海外に出ているときにクーデターが起きてそのまま、タイに帰れないまま世界各地を転々としている。
≫どこかに亡命しているとかじゃないんですか?≫転々としながら本国に帰る時期をうかがっている。
そして実は、妹のインラック首相がタクシン首相は汚職に問われているわけですがそういうものを全部なしにして帰れるようにしようという法律を強行採決した。
それがきっかけで反政府勢力がインラック首相を辞めさせようという運動を始めるようになったということがあります。
≫クーデターのせいでタクシンさんが帰ってこれない。
また妹さんがやるということはクーデターの意味はないですよね。
政権は変わらないですね。
≫つまりタクシン首相が外にいてそのときの間にクーデターを起こして引き返したでしょ。
反タクシン派がとったわけです。
1回は。
選挙をやったんです。
選挙をやると農村地帯は圧倒的にタクシン派ですから。
その結果タクシン派のインラック首相が誕生したわけです。
≫っていうことは今回も選挙をすれば当然、赤いシャツ着ている人のほうが…。
勝ちますね。
≫だからこの前の選挙でインラック派がまた勝ったのを憲法裁判所が選挙無効と。
≫それって、どうなんだろう。
≫クーデターと選挙を交互に行うような形になりますね。
≫これまでのタイというのは実はそういうことが起きている。
例えば、タクシン首相のあと反政府勢力がとりますがまたタクシン派が首相になったんですね。
この人、サマック首相。
サマックさんが首相になったんです。
≫タクシンさんの側ですね。
≫そうです。
それでこの人が、テレビの料理番組に出たんです。
そしたら、反政府側から首相がテレビ番組に出て出演料をもらった。
首相は兼業しちゃいけないはずなのにこれは、首相としてはだめだといって憲法裁判所に訴えて失職させられた。
テレビの料理番組に首相が出ただけで首相を辞めさせられた。
いかに憲法裁判所が反首相派ということかがわかりますね。
≫裁判になったらもう少し長くかかるんじゃないですか?日本の裁判のイメージってそのテレビの件に関して延々とかかるような…。
≫違憲裁判なんてすごく長くなりそう。
≫憲法判断するだけの裁判所ですからすぐに結論が出ると。
≫民主主義の国ですよね。
原点のことを言えば。
言葉を選ばずにいうと民主主義じゃないですよね。
≫そういうことですね。
民主主義ではあるんですがクーデターも頻繁に起きるということがあります。
つまり、例えば民主主義で選挙が行われてタクシン首相あるいはインラック首相が生まれたわけです。
だから、選挙の結果を重視すればいいんですが尊重すべきなんですけどそれに対して反政府派デモする。
これも民主主義ですから許されるんです。
言論の自由もあります。
プミポン国王自体は実際には象徴というかTシャツの色にはなっていますが表舞台には出てはこないんですか?≫立憲君主制ですから基本は、民主主義で行われるわけですよね。
国王は国家をまとめるシンボルの状態になっている。
ただし、これまでもいろいろな対立をすると例えばプミポン国王が両方を呼んでお前たちいい加減にしなさいと国のためにちゃんと尽くしなさいって言うと両方がははーっとかしこまって国王の言うことを聞くということがこれまで起きてきたんですけど。
プミポン国王も80をだいぶ過ぎて、最近表に出てこない。
健康不安も言われていまして本来なら国王が出てきておさめるところがどうも、それができない。
これまでも国王が出てくる前に軍部がしびれを切らせてクーデターをやるということがあって実は、今の立憲君主制になった1932年から82年間、クーデター未遂を含めて19回起きているんです。
≫1年に2回は…。
≫こんなに頻繁に起きている。
ただし、クーデターっていうと外国ですと流血の惨事ってよくあるんですが、タイの場合過去にはそういうこともありましたが最近のクーデターではほとんど流血の惨事がない。
政権が行き詰まると軍隊が出てきてクーデターです。
全部、ストップといって新しく政権を作ってさあ、安定しましたね。
軍隊は後ろに引きます。
どうぞ。
また、民主主義を復活しまた、これが行き詰まるとまた軍隊が出てきてということを…。
≫本当に、しょっちゅうですね。
≫国の在り方なんですかねそういう。
≫軍隊は、言ってみれば国民から信頼されているというのがあるんです。
≫更にいうと実は、軍隊がクーデターを起こすと国王のところにどうか、このクーデターを認めてくださいとお願いをするというのがこれまでのパターンですね。
≫タイのクーデターというのは軍がクーデターを起こしたあとだいたい国王のところに司令官が行ってですね、前回のクーデターの様子ですがみんなひざまずいているでしょ。
国王のもとに、ひざまずいてクーデターを起こしました。
どうか、これをお認めくださいと国王にお願いするんです。
国王がよろしいと国王の認可があればクーデターは成功し国民が、それを受け止めるということです。
≫国民が国王を慕っているということなんですね。
≫とにかく国王を皆さん、絶大に慕っています。
≫都市部もタクシン派も反タクシン派も両方の信望があると。
≫国王がノーを出すことはあるんですか?≫これまででいえば大体ないです。
今回の場合はどうだろうかといったら司令官が、国王のもとに赴かなかったんですね。
文書で、許可を求めますという言い方をした。
どうしてなんだろうかと。
国王を引っ張り出しちゃいけないと考えたのか、あるいは国王の健康状態、ご高齢なのでそういう状態だったのかがよくわからなかったんですが今日、国王がですねこの司令官に対して今回の権力の掌握を認めるということを文書で発表したんですね。
つまり、お墨付きを得たということになる。
≫でも、健康問題みたいな感じはしますね。
やっぱり映像に出てこないというのは違和感があります。
≫ありますよね。
だから国王の健康問題であまり、表に出てこなくなったこともあってこれまで非常にタイの国内は混乱が続いていたと考えることもできるでしょうね。
≫国王自身が黄色でも赤でもないんですか?≫国王はあくまで中立な立場をとっていらっしゃいますからはっきりわからないんですが。
今回のクーデターでいえばインラック派の人たちを次々に拘束しています。
一応けんか両成敗の形で赤と黄色の両方の人たちを集めて捕まえているんですが明らかにインラック派赤いシャツのほうの人たちを大勢捕まえているんですね。
そのクーデターを認めたっていうことはどうなんだろうということになるわけですが。
心配なのは日本への影響となりますね。
≫たくさん、会社がありますからね。
≫タイには日系企業がおよそ4000社も進出しているといわれていますし現地、向こうに住んでいる日本人5万人です。
更に観光地として非常に人気でしょ。
≫結構行っていますよね。
≫毎年130万人の日本人が観光で行ってる。
そうするとこんなことが長引きますと経済への悪影響。
あるいは日本の企業にとっても、やっぱりいいことばかりではないし観光客が減ることもある。
観光経済あるいはそれが翻って日本への影響が心配される。
それが長期化するかどうかですが長期化するとあまりいいことがないのかなということです。
≫どうなんでしょうか。
≫今ので見るととにかく憲法も停止する。
あるいは上院も廃止するという言い方をしています。
全く新しい憲法を作るんじゃないかと。
つまりインラック派タクシン派があまり選挙で勝てないような憲法を作るのではないか。
≫選挙をしないでということもあり得ますか?≫いずれ、選挙のできるような形に戻すけど、その場合の選挙制度が今の首相派に不利な選挙制度を作るんじゃないかと。
≫そうしない限りずっと負け続けるんですものね。
≫そこまで国民に人気の人たちを首相にさせない憲法なんて作れるんですか?≫つまり、このクーデターをした人たちが憲法制定会議のメンバーを選べばいいわけですから。
≫でも溝があるままじゃなくて民主主義って結局、自分が好きじゃない人間と暮らすことじゃないですか。
極端に言えば。
だからいずれは同じテーブルにつかなかったら国際社会から見てどうなんですかって…。
≫まさに、そういうことです。
タイ式の民主主義が問われているということだと思います。
≫19回もクーデターあったらみんな、慣れっこになって今回も大丈夫じゃないかと思っちゃうんですけど。
≫かなり慣れっこになっちゃって軍隊が要所要所を固めていますけど市民が普通に、そこを歩いていますね。
日常生活にほとんど影響がない。
ただ、夜間外出禁止令が出ていますし今、5人以上の集会が禁止されているんです。
例えば、ちょっと夜の10時前に飲みに行こうと。
5人を超えて飲んでいる。
飲んでいる限りはいいんですけど政治の話なんかすると捕まるかもしれないということです。
≫ASEANの中では大丈夫なんですか?≫ASEAN諸国としてもそれぞれ≫覚せい剤や大麻MDMA更には脱法ドラッグなどさまざまな薬物が問題に。
薬物汚染はいまや、遠い世界の話ではなく一般社会にも浸透しつつあるといわれています。
日本の薬物問題の現状を知っておこう。
≫違法薬物よくニュースになりますよね。
違法薬物といっても例えば、麻薬と覚せい剤ってそもそも、全く違うものですし取り締まる法律も違うんです。
そこのところを簡単に整理しました。
ご覧ください。
違法薬物っていろいろあるんですがざっくりいえば化学物質で化学的に合成されたものか自然の植物が由来のものなのかということですね。
ですから覚せい剤は化学物質です。
これは覚せい剤取締法。
大麻は大麻草大麻取締法。
それから、こういうMDMAとかコカイン、ヘロイン。
こういうものは全部まとめて麻薬及び向精神薬取締法。
それからあへんはまた別にあへん法というのがあるんですね。
≫最高刑が違うんですね。
それぞれ。
≫はい。
非常に重いものもあればそれほどでもないものもある。
例えばあへんですとそれこそ、薬で、特に痛み止めという形で使われることがあるのでほかのものとは違うよというのでそれぞれ法律が違うということです。
≫ケシ由来なんですね。
≫そしてこれまでの法律では規制しきれないもの。
よくこういうことを聞きますよね。
脱法ドラッグ。
つまり、法律に違反しているわけではないから取り締まれないよっていうものどういうことかっていうと違法な薬物の化学構造に似せて作られたよく似たもの。
ですからそのもの、ずばりではないので法律に違反するわけじゃないけど同じような効果が得られるものとしてこう、なっているんです。
≫化学物質ってことですか?勝手に作っているんですか。
≫なんですけれどもこれはこれまでは、なかなか取り締まれなかったということがありますがこれもついに去年要するにそもそも似たような構造のものは全部まとめて包括的に取り締まるというふうに法律ができまして。
更に今年からはこれまで販売していた者だったんですが購入者も処罰の対象になったと。
≫じゃあ脱法ドラッグというジャンルはなくなって麻薬になったと。
≫違法薬物ということになるんです。
これまでは法律に違反してるものじゃないから使っても大丈夫だろうって使っては意識が朦朧となったり場合によっては死んでしまったりということがこれまでにも起きていたと。
これも全部まとめて取り締まりましょうと。
≫昔シンナーってあったじゃないですかあれは関係ないですか?≫いわゆるシンナー遊びというのがありましたよね。
シンナーの販売を規制するという形で止めていったのがあります。
≫池上さん、アンナカというのはあれは?≫アンナカね。
今回の、ありましたよね。
アンナカって安息香酸ナトリウムカフェインというもので例えば眠気を覚ましたりあるいは頭痛を取り除いたりというものでこれは、お医者さんの特別な処方箋があれば使うことができる。
本当になかなか取れない頭痛とか特別な場合は使うことができるんです。
ただ基本、みんな誰でも使えるものではないんだということです。
≫使用しても、法には問われないと?≫お医者さんの処方箋に基づいて使えばです。
それをこっそり手に入れてとなればもちろんこれはだめということになります。
そもそも歴史を通して考えてみたいんですが例えば、覚せい剤ってそもそもはこれが、日本では戦争中に開発されたものなんですね。
特に、例えば戦争中飛行機乗り夜間、何時間も敵を探して飛び続けるわけでしょ。
夜中ですから眠くなってしまったら飛行機落ちてしまうでしょ。
だから眠くならないようにといって覚せい剤が作られ、多く使われていました。
ヒロポンって呼ばれていました。
これが、その実物の容器です。
中身は入っていません。
≫今、中身が入っていたら完全にアウトですか?≫もちろん、そうです。
中身が入っていたら私も罪に問われますから。
そうじゃなくて。
ヒロポン。
倦怠感を除く覚せい剤って書いてありますでしょ。
≫薬なんですね。
≫もともと薬として。
ヒロポンというのはギリシャ語で労働を愛するという意味でつまり眠いときにこれを打って働こうというので作られたという説と疲労をポンと解消するからヒロポンという説があって。
≫昔映画界ではあったというの話を僕ら、聞くんですけど。
≫それはですねつまり、戦争中に広く使われていたわけです。
兵士たちがみんな使っていたんですね。
合法ですよね。
だから戦後も、それが一般に出回って、受験生が受験勉強のときにやっていた。
そうしたらいろんな副作用が出てどうも健康に悪いものだっていうことになってこれは、取り締まらなければいけないとなって戦後、覚せい剤取締法というのができたということが。
≫健康に悪いって認識がなかったんですね。
≫では現状を見てみましょう。
薬物の取り締まり検挙事案。
毎年ですが、ざっと覚せい剤では1万人が実は捕まっているということがわかります。
ざっくり1万2000人から1万3000人がなっていると。
最近の薬物犯罪にはこんな傾向があります。
いわゆる素人の売人と。
インターネットでネット販売だったり。
それから最近覚せい剤なども非常に価格が高騰しちゃったものですからなかなか、若い人は経済的に手が出せない。
経済的にゆとりのある中高年が手を出すようなこと。
≫この間校長先生が捕まっていましたね。
≫そんなような事態にもなっているということです。
今や、検挙者の半分以上40代以上という結果になっているということです。
≫やっぱり疲れがとれるとかいうんですか?ストレスですか?≫いろんなストレスがあるということだと思います。
実は、いわゆる取り締まるのは警察だけではないというのでちょっと紹介しましょうか。
麻薬取締官というのはご存じでしょうか。
≫ドラマで、よく…。
≫これ実は厚生労働省の職員なんですね。
厚生労働省の麻薬取締官という人が全国に260人いまして銃を所持しています。
更に、警察官ではできないような捜査方法ができるんですよ。
それがおとり捜査。
つまり本物の麻薬を扱ったりあるいは麻薬がほしいんだけどと客を装ったりして犯人を捕まえるのでこういうことができる。
≫警察官ではできないんですね。
≫警察というのはいわゆるこういうおとり捜査は認められていないんです。
麻薬取締官だけに認められている。
≫危険な仕事ですよね。
≫昔の刑事ドラマは摘発してなめてシャブだってやっていましたけど味はするんですかね。
≫プロはそれでわかるんだそうですけど。
警察官が本当はそんなことをやっちゃそもそもはいけないということがありますよね。
ただ、最近も有名なミュージシャンが逮捕ということになりました。
2014/05/26(月) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
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